運営 / 更新 2026-10-20

認知症専門ケア加算の研修修了者のQ&A:配置・指導者・実践リーダー研修の対象者

訪問介護の認知症専門ケア加算の研修修了者について、厚生労働省のQ&Aが答えているのは4点です。配置に常勤の条件があるか、認知症介護指導者は管理者でもよいか、指導者養成研修の修了者を修了者とみなせるか、実践リーダー研修の対象者に認められる例です。原文を順に確認し、事業所が記録で確かめることを整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

4つの問いと答えの早見表

加算(Ⅰ)(Ⅱ)の単位数と研修修了者の配置人数の全体は、訪問介護の認知症専門ケア加算(Ⅰ)(Ⅱ) 1日3単位・4単位の要件と対象者の割合で解説しています。この記事は、Q&Aが個別に答えている4点だけを扱います。

Q&Aは厚生労働省老健局の事務連絡で、Vol.1が令和6年3月15日付、Vol.3が令和6年3月29日付です。答えの要点は、次の表のとおりです。

認知症専門ケア加算の研修修了者に関するQ&A(Vol.1問19〜21、Vol.3問4)
問聞いていること答えの要点
Vol.1 問19専門的な研修を修了した者の「配置」の考え方。常勤の要件はあるか常勤等の条件は無い。加算対象事業所の職員であることが必要で、対象となる事業所は研修修了者が勤務する主たる事業所1か所のみ
Vol.1 問20加算(Ⅱ)の認知症介護指導者は、研修修了者であれば管理者でもよいか指導者研修の修了者で、事業所全体の認知症ケアの実施等を適切に行っていれば、職務や資格等は問わない
Vol.1 問21実践リーダー研修を修了していないが、指導者養成研修を修了した者を、実践リーダー研修修了者とみなせないか平成20年度以前の指導者養成研修を修了した者は、実践リーダー研修の未受講でも修了したものとみなす
Vol.3 問4実践リーダー研修の研修対象者の経過措置にある「同等以上の能力を有する者」とは例として、訪問介護事業所で介護福祉士として7年以上サービスを直接提供し、うち3年以上サービス提供責任者としても従事した者を認めて差し支えない

この記事で決めること

訪問介護の認知症専門ケア加算(Ⅰ)(Ⅱ)を算定する、または届け出る事業所が、令和6年度介護報酬改定Q&A(Vol.1)の問19〜問21とVol.3の問4で、認知症介護に係る専門的な研修を修了した者の配置の考え方(常勤の条件・所属・主たる事業所1か所)、認知症介護指導者の職務、認知症介護指導者養成研修の修了者を実践リーダー研修修了者とみなす場合、実践リーダー研修の研修対象者に認められる「同等以上の能力を有する者」の例を、原文で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、認知症専門ケア加算の研修修了者の確認表(事業所の運用例:氏名・所属・修了した研修・修了日・配置の根拠)を作成できる状態を目指します。

研修修了者の配置に常勤の条件はあるか(Vol.1 問19)

問19は、専門的な研修を修了した者を配置するとあるが、「配置」の考え方は何か、常勤の要件はあるかを聞いています。答えは、常勤等の条件は無いというものです。

ただし答えは、認知症チームケアや認知症介護に関する研修の実施など、加算の要件を満たすには事業所内での業務が必要なので、加算対象事業所の職員であることが必要だと続けています。あわせて、加算の対象となる事業所は、専門的な研修を修了した者が勤務する主たる事業所1か所のみと書いています。

兼務や複数事業所での勤務をどう数えるかは、この問には書かれていません。研修修了者が複数の事業所に関わる場合は、主たる勤務先がどの事業所かを指定権者に確認してください。

認知症介護指導者は管理者でもよいか(Vol.1 問20)

問20は、加算(Ⅱ)に置く認知症介護指導者が、研修修了者であれば管理者でもかまわないかを聞いています。答えは、認知症介護指導者研修の修了者であり、適切に事業所全体の認知症ケアの実施等を行っている場合であれば、その者の職務や資格等は問わない、です。

「適切に行っている」ことが条件なので、研修の修了証があるだけでは足りない書き方です。どのように事業所全体のケアの実施等を行っているかを、日常の記録で示せるようにしておく必要があります。

指導者養成研修の修了者を実践リーダー研修修了者とみなせるか(Vol.1 問21)

問21は、実践リーダー研修を修了していないが、都道府県等が修了者と同等の能力を有すると認めた者で、指導者養成研修を修了した者を、実践リーダー研修修了者とみなせないかを聞いています。答えは、指導者養成研修の受講要件と、平成20年度までのカリキュラムに実践リーダー研修の内容が全て含まれていたことを踏まえ、未受講でも修了したものとみなす、です。

答えは続けて、加算(Ⅱ)で加算対象となる者が20名未満の場合は、平成20年度以前の指導者養成研修を修了した者(実践リーダー研修の未受講者)1名の配置で算定できるとしています。この問は、通所介護の認知症加算なども含めた書き方です。訪問介護の事業所に当てはまる範囲は、指定権者に確認してください。

実践リーダー研修の研修対象者の「同等以上の能力」(Vol.3 問4)

問4が前提にしているのは、実践リーダー研修の研修対象者の取扱いです。問の文によると、介護福祉士の資格を取得した日から起算して10年以上、かつ1,800日以上の実務経験を持つ者、またはそれと同等以上の能力を持つと実施主体の長が認めた者は、令和9年3月31日までの間、本文の規定に関わらず研修対象者になります。

問は、この「同等以上の能力を有する者であると実施主体の長が認めた者」とは具体的にどのような者かを聞いています。答えは、例えば、訪問介護事業所で介護福祉士として7年以上サービスを利用者に直接提供し、そのうち3年以上はサービス提供責任者としても従事する者を、研修対象者として認めていただくことは差し支えない、です。

これは例であり、認めるかどうかを決めるのは実施主体の長です。この答えは研修を受けられる対象者の話で、研修修了者として加算の要件を満たすかどうかとは別の話です。

記録で確かめること

次の表の項目は、Q&Aの答えに合わせた事業所の運用の例で、Q&Aが定めた様式ではありません。

研修修了者の確認で決めておく事項(事業所の運用の例)
確認することQ&Aの根拠
研修修了者の氏名・所属事業所・修了した研修・修了日の一覧と、修了証の写し問19・問21:誰がどの研修の修了者として配置されているかを示す
修了者が加算対象事業所の職員で、ほかの事業所を主たる勤務先にしていないこと問19:加算の対象となる事業所は主たる事業所1か所のみ
認知症介護指導者が事業所全体の認知症ケアの実施等を行っていることを示す記録問20:適切に実施等を行っている場合であれば職務や資格等は問わない
実践リーダー研修の対象者について、経験年数とサービス提供責任者としての従事年数、実施主体への確認の結果Vol.3 問4:同等以上の能力は実施主体の長が認める

確かめた資料と確認できていないこと

この記事は、2026年10月20日に2つの本文を読んで書きました。厚生労働省老健局の事務連絡「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)」(令和6年3月15日)の認知症専門ケア加算の問19から問21と、「同Q&A(Vol.3)」(令和6年3月29日)の問4です。

後続のQ&AのうちVol.2、4〜10、12、14〜18では、これらの問を改めたり削除したりする記載は見つかりませんでした。Vol.11とVol.13は文字が取り出せず、確認できていません。

この記事は、個別の事業所が加算の要件を満たすかどうかを判断するものではありません。算定や届出の可否は、事業所を指定した都道府県・市町村に確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 加算の区分((Ⅰ)か(Ⅱ))ごとに必要な研修の修了者を決め、氏名・所属事業所・修了した研修と修了日を一覧にして、修了証の写しを保管する
  2. 修了者が加算対象事業所の職員であること、ほかの事業所を主たる勤務先にしていないことを確かめる(常勤かどうかの条件はQ&Aにない)
  3. 認知症介護指導者を置く場合は、事業所全体の認知症ケアの実施等を適切に行っていることを、日常の記録で確かめる
  4. 実践リーダー研修の修了者を養成する場合は、対象者の経験年数とサービス提供責任者の従事年数を記録し、「同等以上の能力」として認められるかを実施主体に確認して日付とともに残す

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

認知症専門ケア加算の研修修了者は、常勤でなければいけませんか?

令和6年度介護報酬改定のQ&A(Vol.1)問19は、専門的な研修を修了した者の配置について、常勤等の条件は無いと答えています。ただし、加算の要件を満たすには事業所内での業務が必要なため、加算対象事業所の職員であることが必要です。加算の対象となる事業所は、研修修了者が勤務する主たる事業所1か所のみです。

認知症介護実践リーダー研修を受けていなくても、指導者養成研修の修了者を研修修了者として数えられますか?

Q&A(Vol.1)問21は、平成20年度までに行われたカリキュラムの認知症介護指導者養成研修を修了した者は、実践リーダー研修が未受講でも修了したものとみなすと答えています。加算(Ⅱ)で加算対象となる者が20名未満の場合は、この者1名の配置で算定できるとしています。この問は通所介護などの加算も含めた書き方で、訪問介護に当てはまる範囲は指定権者に確認してください。

介護福祉士として7年、サービス提供責任者として3年の経験があれば、実践リーダー研修の対象者になりますか?

Q&A(Vol.3)問4は、訪問介護事業所で介護福祉士として7年以上サービスを直接提供し、そのうち3年以上サービス提供責任者としても従事した者を、研修対象者として認めて差し支えないと答えています。これは「同等以上の能力を有する者」の例で、令和9年3月31日までの取扱いが前提の問です。実際に認められるかは実施主体に確認してください。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問介護の認知症専門ケア加算(Ⅰ)(Ⅱ) 1日3単位・4単位の要件と対象者の割合 →