運営 / 更新 2026-10-14
認知症高齢者の日常生活自立度の確認順(主治医意見書・認定調査票)
認知症高齢者の日常生活自立度は、まず医師の判定結果または主治医意見書で確認します。複数の判定があるときは最も新しいものを使い、医師の判定がない場合に限って認定調査票の基本調査7を使います。訪問介護の事業所が独自にランクを決めず、医師の判定を用いた場合は判定結果、医師名、判定日を計画へ記録します。
この記事で決めること
訪問介護の事業所が、認知症高齢者の日常生活自立度について、確認する資料の順番、複数の判定がある場合の選び方、計画に記載する項目、各ランクの意味を公式資料で確認するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、認知症高齢者の日常生活自立度の確認票(確認した資料、判定ランク、医師の判定を用いた場合の判定医師名・判定日、計画への記載日、共有日)を作成できる状態を目指します。
確認する資料の順番
厚生労働省の令和6年度介護報酬改定Q&A(Vol.1)問18は、認知症高齢者の日常生活自立度の確認順を示しています。最初に使うのは、医師の判定結果または主治医意見書です。複数の判定結果がある場合は、最も新しい判定を使います。
医師の判定がない場合に使うのが、要介護認定の認定調査票にある基本調査7です。主治医意見書の利用について本人や家族の同意が得られていない場合も、留意事項通知では医師の判定がない場合に含めています。
| 順番 | 確認する資料 | 選び方 |
|---|---|---|
| 1 | 医師の判定結果または主治医意見書 | 複数あるときは最も新しい判定を使う |
| 2 | 認定調査票の基本調査7 | 医師の判定がない場合に使う |
| 共有 | 介護支援専門員からの情報 | サービス担当者会議などを通じて共有してもらう |
訪問介護計画に残す項目
留意事項通知は、医師の判定結果または主治医意見書を用いた場合、その判定結果を、判定した医師名、判定日とともに、居宅サービス計画または各サービスのサービス計画へ記載するとしています。訪問介護の事業所では、この3項目を訪問介護計画へ反映します。確認した資料の種類も事業所内の確認票へ残しておくと、次の見直しで出典をたどりやすくなりますが、これは通知に列挙された必須記載項目とは分けて扱います。
資料の写しが手元にないときは、担当の介護支援専門員へ確認します。Q&Aは、介護支援専門員がサービス担当者会議などを通じて情報を共有することを示しています。事業所の担当者が利用者の様子だけから新しいランクを決める手順ではありません。
ランクⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Mの意味
主治医意見書記入の手引きは、認知症高齢者の日常生活自立度を次のように区分しています。ランクは医療上の認知症の重症度そのものではなく、日常生活の自立の程度を表す区分です。
ランクMは、ⅠからⅣの単純な延長として最も大きい数字を表す欄ではありません。著しい精神症状・周辺症状または重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする状態として区分されています。
| ランク | 判断基準の要点 |
|---|---|
| Ⅰ | 認知症はあるが、家庭内・社会での日常生活はほぼ自立している |
| Ⅱ | 支障となる症状や意思疎通の難しさが多少あっても、注意があれば自立できる |
| Ⅱa/Ⅱb | Ⅱの状態が家庭外で見られるのがⅡa、家庭内でも見られるのがⅡb |
| Ⅲ | 日常生活に支障となる症状や意思疎通の難しさがあり、介護を必要とする |
| Ⅲa/Ⅲb | Ⅲの状態が主に日中に見られるのがⅢa、主に夜間に見られるのがⅢb |
| Ⅳ | 日常生活に支障となる症状や意思疎通の難しさが頻繁に見られ、常に介護を必要とする |
| M | 著しい精神症状・周辺症状または重篤な身体疾患があり、専門医療を必要とする |
認知症専門ケア加算の要件とは分けて確認する
この記事で整理したのは、日常生活自立度をどの資料から確認するかです。認知症専門ケア加算では、確認したランクを利用者割合や職員の研修要件と組み合わせて算定可否を判断します。
加算ごとの対象ランク、利用者割合の数え方、研修要件は、訪問介護の認知症専門ケア加算(Ⅰ・Ⅱ)の算定要件と単位数で確認してください。資料の確認と加算の計算を同じ欄で済ませず、判定の出典と算定チェックを分けて残すと、見直しやすくなります。
確認票を更新する場面
新しい主治医意見書や医師の判定結果が共有されたときは、以前の判定と日付を比べ、最も新しい判定へ確認票を更新します。固定の有効期間や、診療科による優先順位は、今回確認したQ&Aと通知には示されていません。独自の期限を制度上の要件として扱わないようにします。
計画の見直しとサービス担当者会議の関係は、訪問介護のサービス担当者会議とモニタリングで確認できます。月ごとの加算の確認作業に組み込む場合は、訪問介護の加算算定セルフチェックもあわせて使えます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 医師の判定結果または主治医意見書で、認知症高齢者の日常生活自立度を確認する
- 複数の判定結果がある場合は最も新しいものを選び、医師の判定がない場合に限って認定調査票の基本調査7を確認する
- 医師の判定結果または主治医意見書を用いた場合は、判定ランク、判定した医師名、判定日を居宅サービス計画または訪問介護計画へ記載する
- 介護支援専門員からサービス担当者会議などで情報を共有してもらい、加算の対象確認は別の記事の算定要件と照合する
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月15日)」(確認日 2026-10-14)
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(老企第36号)」(確認日 2026-10-14)
- 厚生労働省「要介護認定における認定調査票記入の手引き・主治医意見書記入の手引き等について(老老発0930第2号)」(確認日 2026-10-14)