運営 / 更新 2026-10-09
訪問介護の加算 月次自己点検チェックリスト(6加算の記録の確認項目)
加算の算定漏れと誤算定は、請求の前に利用者ごとの記録で要件を確かめると減らせます。この記事は、初回加算・緊急時訪問介護加算・口腔連携強化加算・認知症専門ケア加算・2人訪問・生活機能向上連携加算の6つについて、すでに公開している個別記事の要件を、月次の点検項目として横並びにしたものです。新しい要件は足していません。個別の請求が算定できるかは、指定権者と国保連の審査が判断します。
この記事で決めること
訪問介護の事業者が、月次の請求前に初回加算・緊急時訪問介護加算・口腔連携強化加算・認知症専門ケア加算・2人訪問・生活機能向上連携加算の算定記録で確認する項目を、横並びで見て算定漏れと誤算定を防ぐための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、月次の加算算定前チェック表(加算ごとの記録の有無を利用者単位で確認)を作成できる状態を目指します。
月次の点検の進め方
請求の前に、その月に算定する加算を利用者ごとに一覧にします。次に、下の表の「記録で確かめる項目」が、その利用者の記録にそろっているかを確かめます。
そろっていない加算は、請求から外すか、記録を補えるかを確かめてから請求します。要件の解釈に迷うものは、請求の前に指定権者へ確認します。
運営指導で見られる書類の全体は訪問介護の運営指導の確認項目と確認文書にあります。この記事は、その手前の、月ごとの請求前の点検です。
6つの加算の月次点検表
表の単位数と要件は、各加算の個別記事が告示と留意事項通知で確かめた内容です。単位数の比較は主な加算の比較表にあります。
| 加算 | 算定の単位 | 記録で確かめる項目 | 算定できない典型 |
|---|---|---|---|
| 初回加算 | 1月につき200単位(新規計画の初回の月) | 訪問介護計画の作成日、初回の訪問日、サービス提供責任者の訪問または同行、当該事業所の提供が過去2暦月にないこと | 訪問介護員等だけで初回を済ませた。前月か前々月に同じ事業所の提供があった |
| 緊急時訪問介護加算 | 1回につき100単位 | 利用者または家族等の要請、介護支援専門員が必要と認めたこと、居宅サービス計画にない訪問であること | 生活援助中心や通院等乗降介助の訪問(注の対象は身体介護が中心のもの) |
| 口腔連携強化加算 | 1月に1回に限り50単位 | 届出、歯科医療機関との相談体制の取り決め、口腔の評価の記録、利用者の同意、歯科医療機関と介護支援専門員への情報提供 | 同じ利用者について、他の事業所が口腔連携強化加算などを算定している |
| 認知症専門ケア加算 | 1日につき(Ⅰ)3単位・(Ⅱ)4単位 | 届出、対象者の割合、研修修了者の配置、定期的な会議の記録 | (Ⅰ)と(Ⅱ)を同時に算定している。対象者の割合や配置の基準を下回った月 |
| 二人の訪問介護員等による訪問 | 所定単位数の100分の200 | 利用者または家族等の同意、イ・ロ・ハのどれに当たるかとその理由、訪問した2人の職員 | 同意がない。要件のいずれにも当たらない2人訪問 |
| 生活機能向上連携加算 | (Ⅰ)は初回の月に100単位、(Ⅱ)は初回の月以降3か月の間、月200単位 | 連携先の種類、助言または共同評価の記録、その内容に基づく訪問介護計画 | (Ⅰ)を算定している月に(Ⅱ)を算定している |
他の事業所や居宅サービス計画と照らす項目
口腔連携強化加算は、同じ利用者について他の事業所が算定していないことが条件の一つです。算定する前に、介護支援専門員へ他のサービスの算定状況を確認します。
緊急時訪問介護加算は、介護支援専門員が必要と認めたことが要件です。電話の受付時刻、要請した人、介護支援専門員への連絡の記録を、その日のうちに残します。
初回加算は、当該事業所の提供だけを見ます。他の事業所の利用歴があっても、この条件の判定には入りません。
緊急時の対応体制そのものは緊急時の対応体制で整理しています。
届出と算定開始月の確認
口腔連携強化加算と認知症専門ケア加算は、届出を行った事業所だけが算定できます。届出の締切と算定開始月は加算の届出の締切と算定開始月で確かめます。
届出をした加算でも、基準を満たさなくなった月は算定できません。認知症専門ケア加算は、対象者の割合と研修修了者の配置を毎月見直します。
確認した出典と確認日
この表は、次の出典を確認した各個別記事の内容を組み直したものです。各出典の確認日は下の表のとおりで、改正があった場合は算定の前に最新の告示と通知で確かめてください。
| 出典 | 確認日 | 主に使った点検項目 |
|---|---|---|
| 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(告示) | 2026年9月28日 | 各加算の単位数と算定の単位 |
| 厚生労働大臣が定める基準(訪問介護費における特定事業所加算の基準) | 2026年10月7日 | 口腔連携強化加算・認知症専門ケア加算の基準 |
| 留意事項通知の新旧対照表 | 2026年9月26日 | 口腔連携強化加算の評価と情報提供の手順 |
| 厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(告示第94号) | 2026年9月27日 | 2人訪問の要件 |
| 介護保険最新情報Vol.1213(留意事項通知の改正) | 2026年9月27日 | 緊急時訪問介護加算と生活援助の関係 |
| 介護報酬の算定構造 | 2026年10月3日 | 初回加算の過去2暦月の判定、加算の適用要件 |
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 請求の前に、その月に算定する加算を利用者ごとに一覧にする
- 加算ごとの確認項目の表で、必要な記録(計画の作成日、サービス提供責任者の訪問・同行、同意、連携先との取り決め)が残っているかを確かめる
- 他の事業所の算定や居宅サービス計画との関係が要件になる加算(口腔連携強化加算、緊急時訪問介護加算)は、介護支援専門員に算定状況を確認する
- 記録が足りない加算は請求から外し、要件の解釈に迷うものは請求前に指定権者へ確認する
一次資料
制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(確認日 2026-09-28)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準(訪問介護費における特定事業所加算の基準)」(確認日 2026-10-07)
- 厚生労働省老健局「別紙1 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成12年3月1日老企第36号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)(抄)(新旧対照表)」(確認日 2026-09-26)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(平成27年3月23日厚生労働省告示第94号)」(確認日 2026-09-27)
- 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1213(令和6年3月15日)留意事項通知の改正(新旧対照)」(確認日 2026-09-27)
- 厚生労働省老健局「介護報酬の算定構造(訪問介護費の加算・減算の適用要件とQ&A。PDF冒頭は「101 訪問介護費」。PDF本文にタイトル表記なし)」(確認日 2026-10-03)