運営 / 更新 2026-10-14

訪問介護の償却資産税:1月31日までの申告・免税点150万円・税率1.4%

訪問介護の事業所が持つパソコン、コピー機、賃借した事務所に取り付けた内装などは、市町村に毎年申告する固定資産税(償却資産)の対象になることがあります。このページは、東京都主税局の案内と地方税法の条文をもとに、対象になる資産、申告の期限と先、免税点、税率、申告が要らない少額資産を整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護の事業所を運営する代表者が、パソコン・コピー機・賃借した事務所の内装などに課される固定資産税(償却資産)について、対象になる資産、申告の期限と先、免税点、税率、申告が要らない少額資産の範囲を、東京都主税局の案内と地方税法の条文で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、償却資産の申告準備表(1月1日現在で持つ資産の名称・取得年月・取得価額・耐用年数、少額資産に当たるかどうか、申告先の市町村、1月31日までの提出予定日)を作成できる状態を目指します。

償却資産は、土地と家屋以外で事業に使える減価償却資産

地方税法第341条第4号は、償却資産を、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産で、減価償却額や減価償却費が法人税法・所得税法の所得の計算上、損金や必要な経費に算入されるものとしています。特許権などの無形の資産は除かれ、取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産も対象から外れます。

東京都主税局のページは、業種を問わない共通の例として、パソコン、コピー機、ルームエアコン、応接セット、内装・内部造作等(賃借人が取り付けた場合)、看板、LAN設備を挙げています。賃借した事務所に借り主(テナント)が内装を取り付けた場合の内装も、対象の例に入ります。

同じページのQ&Aは、古い資産で減価償却が済んでいても、事業に使える資産なら申告の対象になり、使っていない遊休資産でも現に事業に使える資産であれば申告が必要だとしています。自動車税や軽自動車税の対象になる自動車は、条文で償却資産から除かれています。

申告は毎年1月1日現在の資産を、1月31日までに

地方税法第383条は、償却資産の所有者に、毎年1月1日現在の償却資産について、所在、種類、数量、取得時期、取得価額、耐用年数などを、1月31日までに資産の所在地の市町村長へ申告するよう定めています。

東京23区の場合、申告先は資産の所在する区にある都税事務所の償却資産の担当で、提出は電子申告(eLTAX)、郵送、窓口のいずれかです。法人は固定資産台帳や法人税申告書の別表16などをもとに、個人事業主は所得税の減価償却明細などをもとに申告するよう案内されています。23区以外は各市町村の案内を確認してください。

免税点は150万円、税率は標準で1.4%

地方税法第350条第1項は、固定資産税の標準税率を100分の1.4としています。第351条は、同じ人が同じ市町村内に持つ償却資産の課税標準額が150万円に満たない場合は、固定資産税を課すことができないと定めています(市町村が条例で特別の必要を認める場合を除く)。東京都のページも、課税標準額が150万円(免税点)未満なら納税通知書を交付しないとしています。

税額は、課税標準額に1.4%を掛けた額です。たとえば課税標準額が200万円なら、200万円×1.4%=2万8,000円です(当サイトの試算です)。課税標準額は市町村が申告をもとに決めるので、実際の額は納税通知書で確認してください。

免税点は、令和9年度以後の年度分の固定資産税から償却資産で180万円に引き上げられます。さいたま市は施行日を令和9年4月1日と案内しており、総務省の資料にも同じ内容の記載があります。それまでの年度分は、150万円のままです。

償却資産の固定資産税のあらまし(東京都主税局と地方税法から整理)
項目内容
課税の基準日毎年1月1日現在に持っている資産
申告の期限1月31日まで
標準税率課税標準額の100分の1.4
免税点同じ市町村内の課税標準額の合計が150万円未満なら課税されない(令和9年度から180万円)

申告が要らない少額資産と、申告が要る少額資産

東京都のQ&Aによると、申告が要らない少額資産は次の3つです。10万円未満の資産で一時に損金算入したもの、20万円未満の資産で3年間で一括償却したもの、20万円未満のリース資産です。

一方、租税特別措置法の中小企業特例で取得価額の全額を損金にした資産と、少額でも個別に減価償却することを選んだ資産は、申告の対象のままです。法人税では経費にできても、償却資産の申告では対象から外れない点に注意が必要です。東京都のQ&Aは、この中小企業特例の適用対象を令和8年3月31日までに取得した資産としているため、それ以降に取得した資産の扱いは資産の所在地の市町村に確認してください。

40万円未満の備品を取得した年度に経費にする特例そのものは「訪問介護の開業時の備品の経費化:少額減価償却資産の特例(40万円未満)」で確認できます。

支払いは納税通知書で、東京23区の納期は年4回

東京都のページによると、課税標準額が免税点以上なら、6月上旬に納税通知書が交付されます。納期は通常4回に分けることができ、東京23区では6月、9月、12月、翌年の2月です。ほかの市町村の納期は、納税通知書で確認してください。

運転資金の面では、毎年の納付月に現金が足りるよう、「訪問介護の運転資金と資金繰り」の資金繰り表に納付の月を入れておきます。1月の申告から6月の通知まで間があるため、納付を忘れにくい反面、課税は1月1日現在の資産で決まるため、設備を買い足したときは次の年の通知で税額が変わる可能性を見込んでおきます。

毎年の労務・税務の手続きを月ごとに並べた表は「訪問介護事業所が毎年行う労務・税務手続きの月別期限(年度更新・算定基礎届・法定調書)」にあります。

このページの範囲

このページが確認したのは、東京都主税局「固定資産税(償却資産)」のページ、e-Gov法令検索の地方税法(第341条・第350条・第351条・第383条)、免税点の改正についてのさいたま市の案内です(2026-10-14に確認)。評価額の計算方法、課税標準の特例、東京都以外の市町村ごとの申告書の様式は確認していません。

個別の資産が申告対象になるか、税額がいくらになるかは判断しません。資産の所在地の市町村(東京23区は都税事務所)か税理士に確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 固定資産台帳か法人税申告書の別表16などから、パソコン、コピー機、エアコン、賃借した事務所に自社で取り付けた内装、看板、LAN設備を拾い出し、取得年月・取得価額・耐用年数を表に写す
  2. 10万円未満で一時に損金にした資産、20万円未満で3年間の一括償却をした資産、20万円未満のリース資産は、申告が要らない少額資産として別欄に分ける
  3. 40万円未満の特例で損金にした資産や、少額でも個別に減価償却した資産は申告対象のままなので、表に残す
  4. 資産の所在する市町村(東京23区は都税事務所)の申告方法を確認し、毎年1月1日現在の内容を1月31日までに提出する予定日を表に書く

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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