運営 / 更新 2026-10-10

訪問介護の受給資格の確認手順:被保険者証・認定有効期間・負担割合証・給付制限

訪問介護の提供を求められたとき、事業者は利用者が提示する被保険者証で、被保険者資格、要介護認定の有無、要介護認定の有効期間を確かめます。根拠は指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準の第11条第1項です。負担割合証は第11条の文言には無く、介護保険法施行規則が、利用者は被保険者証と負担割合証をその都度提示すると定めています。この記事は、初回・認定更新時・負担割合の切替時に何を確かめて記録するかを表にし、給付が制限される場合の条文は、事業者が該当を判断するものではなく市町村の判断である点とあわせて整理します。確認日は2026年10月10日です。

この記事で決めること

訪問介護事業者が利用開始時・認定更新時・負担割合の切替時に、被保険者証と負担割合証で何を確かめるかと、給付が制限される場合の条文を、基準第11条・施行規則・介護保険法の範囲で確認できるようにするための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、受給資格の確認記録(確認日・被保険者証の認定有効期間・負担割合と有効期限・支払方法変更の記載の有無・次回確認日)を作成できる状態を目指します。

結論:被保険者証で3点、負担割合証で1点を確かめて記録する

基準第11条第1項は、指定訪問介護事業者は、提供を求められた場合、その者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認定の有無及び要介護認定の有効期間を確かめるものとすると定めています。確かめる3点は、この順に並びます。

第2項は、被保険者証に認定審査会意見(介護保険法第73条第2項)が記載されているときは、その意見に配慮して指定訪問介護を提供するよう努めなければならないと定めています。意見の内容は、サービスの提供方法を決める担当者と共有します。

負担割合は、施行規則第28条の2第1項により市町村が有効期限を定めて交付する負担割合証に記載されます。被保険者証を事業者に提示するときは負担割合証を添えなければならず(同規則第28条の3)、居宅要介護被保険者は指定居宅サービスを受けるその都度、被保険者証と負担割合証を提示しなければならないとされています(同規則第63条)。

初回・認定更新時・負担割合の切替時の確認表

次の表は、確認の場面ごとに、見る書類と記録する内容を並べたものです。記録の様式や保存期間は、この記事では扱いません。

負担割合証は有効期限つきで交付されます。負担割合が変更されたとき、または有効期限に至ったとき、利用者は負担割合証を市町村に返還し(施行規則第28条の2第2項)、新しい証が交付されます。切替時期にサービスを続けている利用者は、新しい証の提示を受けるまで古い負担割合のまま請求や受領をしないよう、有効期限を予定表に入れておくと確認漏れを防げます。

受給資格の確認の場面別の確認表(基準第11条・介護保険法施行規則第28条の2・第28条の3・第63条。2026年10月10日確認)
確認の場面見る書類確かめて記録する内容根拠
初回(利用開始時)被保険者証・負担割合証被保険者資格、要介護認定の有無、認定の有効期間、認定審査会意見の記載、負担割合と有効期限基準第11条第1項・第2項、規則第28条の3・第63条
要介護認定の更新・区分変更の後新しい被保険者証認定の有効期間の更新、要介護度の変更、認定審査会意見の変更基準第11条第1項・第2項
負担割合の切替時(負担割合証の有効期限)新しい負担割合証負担割合と新しい有効期限。利用料の請求書や領収書の計算に反映する前に確認日を記録規則第28条の2第1項・第2項、第63条
支払方法変更の記載がある場合被保険者証記載の有無と内容。記載の間の利用料の受け取り方は市町村・居宅介護支援事業所に確認介護保険法第66条第4項

給付が制限される場合に条文で確認できること

介護保険法には、保険給付が行われない、または制限される場合の定めがあります。いずれも判断するのは市町村で、事業者が利用者の事情を調べて決めるものではありません。

第63条は、刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁された者について、その期間に係る介護給付等は行わないと定めます。第64条は、自己の故意の犯罪行為や重大な過失などで要介護状態等を生じさせ、または程度を増進させた被保険者について、市町村が給付の全部または一部を行わないことができると定めます。第65条は、正当な理由なく認定調査などの求めに応じない者についても、同様に市町村が給付の全部または一部を行わないことができるとします。

保険料を滞納している第一号被保険者については、第66条で、市町村が被保険者証の提出を求めて「支払方法変更の記載」をします。記載がある間に受けた指定居宅サービスには、利用者が費用の全額を事業者に支払い、後から市町村に請求する形の支給が適用されます(第66条第4項の、現物給付の規定を適用しないという定めによる)。第67条は、保険料の滞納者に対する保険給付の支払の全部または一部の一時差止を定めています。

被保険者証にこれらの記載があるかどうかは、確認時に必ず見ます。該当するかどうか、期間、保険料の納付状況は、条文だけでは分からず、利用者の保険者である市町村に確認する事項です。

条文で確認できない点

支払方法変更の記載や一時差止の具体的な期間は、介護保険法第66条・第67条が厚生労働省令に委ねており、この記事では確認していません。利用料の受け取り方、請求の方法、居宅介護支援事業所への連絡の取り決めは、利用者の保険者である市町村と担当の居宅介護支援事業所に確認してください。

確認結果の記録の様式と保存期間は、事業所ごとの運用と指定権者の案内で確かめます。個別の利用者が給付の対象になるか、負担割合が何割になるかの判断は、この記事の範囲外です。

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実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 利用開始時に被保険者証と負担割合証の提示を受け、被保険者資格、要介護認定の有無、認定の有効期間、負担割合と有効期限を確認日つきで記録する
  2. 被保険者証に認定審査会意見や支払方法変更の記載があるときは、その内容を記録し、サービス内容の配慮と利用料の受け取り方を担当者で共有する
  3. 認定の有効期間と負担割合証の有効期限の終了日を、次回の確認日として予定表に入れる
  4. 新しい被保険者証・負担割合証の提示を受けたら、内容を更新して記録し、居宅介護支援事業所へ変更を連絡する

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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