事業計画 / 更新 2026-08-24
稼働実績から見直す訪問介護の受入可能件数
売上を生む提供時間と、賃金が発生し得る移動・待機・記録等の時間を分けると、受入可能件数と人件費を同じ計画で確認できます。
この記事で決めること
提供・移動・待機時間の実績記録から、運営後に受入可能件数を再計算するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、提供時間と非提供時間を分けた職員別の稼働表を作成できる状態を目指します。
実務へ落とす
職員ごとに有給時間、提供時間、移動、記録、研修・同行、キャンセル対応を記録します。厚生労働省の通知を起点にしつつ、個別の労働時間該当性は事実関係で確認します。
労働時間に含めるかどうかの考え方
移動時間は、事業場から利用者宅への移動や利用者宅間の移動に通常要する時間程度であれば、使用者がその移動を命じ自由利用が保障されていない限り労働時間に該当します。待機時間も同様に、急な需要に備えて事業場等で待機を命じられ自由利用が保障されていなければ労働時間に該当します。
記録作成時間は、介護保険制度や業務規定で義務付けられ、使用者の指揮監督のもとで作成している場合に労働時間に該当します。研修・同行の時間も、使用者の明示的な指示がある場合や、不受講に不利益な扱いがある・業務との関連性が強く実質的に出席が強制されている場合は労働時間に該当します。
いずれも「使用者の指揮命令下にあるか」「自由利用が保障されているか」という共通の考え方で判断されます。急なキャンセルが生じた場合の待機や対応も同じ枠組みで判断されますが、通知に個別の記載はなく、業務内容や指示の実態から事業所ごとに確認します。
提供時間比率(productiveRate)の計算例
シミュレーターは、時給職員ごとの有給時間とうちサービス提供時間の合計から、提供時間比率=サービス提供時間の合計÷有給時間の合計で算出します。
例えば職員Aの有給時間が月160時間・うちサービス提供時間120時間、職員Bが有給時間140時間・うちサービス提供時間98時間だったとすると、有給時間の合計は300時間、サービス提供時間の合計は218時間となり、提供時間比率は218÷300で約72.7%になります。
確認と見直し
提供時間比率を高めることだけを目的にせず、緊急対応、記録、休憩、移動の安全を確保します。圏域や時間帯を変えた場合は保守シナリオを再計算します。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 職員別に有給時間を記録する
- 提供・移動・待機・記録等へ時間を分ける
- 圏域と時間帯ごとの空きを確認する
- 安全と記録時間を残した受入上限を決める
事業計画ツールで確かめる
記事で整理した前提を事業計画ツールへ入力し、基準ケースだけでなく保守ケースの結果も確認します。制度上の適否や請求額を自動判定するものではありません。
一次資料
制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」(確認日 2026-09-22)