運営 / 更新 2026-10-27

令和8年度介護報酬の期中改定:訪問介護の確認事項(処遇改善加算・6月施行)

令和8年度の介護報酬は、令和9年度改定を待たずに行う期中改定として見直されました。厚生労働省の資料はこの改定を「期中改定」と書いており、改定率は+2.03%(処遇改善分+1.95%、基準費用額(食費)の引上げ分+0.09%)で、訪問介護事業所に直接関わるのは主に介護職員等処遇改善加算の拡充と令和8年6月からの適用です。この記事は、社会保障審議会介護給付費分科会の資料、処遇改善加算の加算率の資料、事務処理手順の通知、算定基準の告示の掲載ページを取得して確認した範囲(2026年10月27日確認)で、改定の中身と確認の順番を整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

令和8年度は期中改定:改定率の内訳と施行時期

第253回分科会(令和8年1月16日)の資料は、令和9年度介護報酬改定を待たずに期中改定を実施し、改定率を+2.03%と書いています。内訳は、処遇改善分が+1.95%、基準費用額(食費)の引上げ分が+0.09%です。この改定は、令和7年12月24日の大臣折衝事項を踏まえたものと資料に書かれています。

訪問介護費を含む指定居宅サービスの費用の額の算定に関する基準は、令和8年3月13日の厚生労働省告示第87号で改正され、令和8年6月1日に施行されています。処遇改善の加算率は令和8年6月以降の算定分から変わるため、4月・5月分と6月分で扱いが分かれる事業所があります。

基準費用額(食費)は、同じ資料で、令和8年8月に1日あたり100円引き上げるとされています。この引上げが関わるサービスと利用者負担段階の詳細は、この記事では確認していません。

令和8年度の期中改定の概要(厚生労働省の資料、確認2026-10-27)
項目資料に書かれていること訪問介護事業所の確認先
改定率+2.03%(処遇改善分+1.95%、基準費用額(食費)の引上げ分+0.09%)処遇改善分が加算としてどう算定されるかを自事業所の加算の区分で確認する
処遇改善加算の拡充介護職員のみならず介護従事者を対象とした月1.0万円(3.3%)の賃上げ措置と、生産性向上や協働化に取り組む事業者への月0.7万円(2.4%)の上乗せ措置取得している区分と加算率、特例要件を確認する
施行算定基準の告示は令和8年6月1日施行。加算率は令和8年6月以降の算定分6月分の請求から加算の単位数が合っているかを確認する
食費の基準費用額令和8年8月に100円/日引き上げこの記事では対象サービスを確認していない

この記事で決めること

訪問介護事業所の運営者が、令和9年度改定を待たずに行われた令和8年度の介護報酬の期中改定について、改定率の内訳、訪問介護に関わる処遇改善加算の拡充の中身、令和8年6月の施行と届出の期日を厚生労働省の資料で確かめ、自事業所が何を確認するかの順番を整理するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、令和8年度の期中改定に対する自事業所の確認表(処遇改善加算・届出・賃金改善の順)を作成できる状態を目指します。

訪問介護に関わる処遇改善加算の拡充:対象の広がりと加算率

資料は、処遇改善加算の対象を、介護職員のみから介護従事者に拡大すると書いています。賃金改善の対象になる職種が広がるため、事業所内で配分の対象にする職種を見直す必要があるかを確認します。

上乗せ措置は、生産性向上や協働化に取り組む事業者に対して、加算Ⅰ・Ⅱの加算率を上乗せする区分を設ける形で示されています。上乗せ区分の具体的な要件は、この記事では確認していません。取得を考えるときは、事務処理手順の通知と最新のQ&Aで要件を確かめてください。

拡充後の加算率表の訪問介護の欄は、加算Ⅰイ27.0%、Ⅰロ28.7%、Ⅱイ24.9%、Ⅱロ26.6%、Ⅲ20.7%、Ⅳ17.0%です。区分ごとの要件と計算は訪問介護の介護職員等処遇改善加算 区分・算定要件・加算率と計画書・実績報告で確認できます。

令和8年度特例要件と届出・報告の期日

令和8年度特例要件は、資料の注に、ア〜ウのいずれかを満たすこととして示されています。確認できたのは、訪問・通所サービス等はケアプランデータ連携システムに加入して実績の報告を行うこと、施設サービス等は生産性向上推進体制加算ⅠまたはⅡを取得して実績の報告を行うことです。

上乗せ区分は加算Ⅰ・Ⅱを取得した事業者の加算率を上乗せするもので、資料には、キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳと職場環境等要件は令和8年度中の対応の誓約で可と書かれています。新たに加算の対象になる訪問看護や居宅介護支援などには、加算Ⅳに準ずる要件という別の要件があり、既に加算を取得している訪問介護の要件ではありません。

事務処理手順の通知(老発0313第6号)は、加算を算定しない事業者が令和8年6月以降に処遇改善加算を算定する場合、処遇改善計画書の提出期日を令和8年6月15日とすると書いています。令和8年度の実績報告書の提出期日は、通常の場合、令和9年7月31日です。体制届の期日は、居宅系は算定開始月の前月15日です。

体制届の一般的な期限の考え方は訪問介護の加算届出(体制等状況一覧表)の提出期限で確認できます。提出先と手順は、都道府県知事等(指定権者)の案内で確認してください。

事業所が確認する順番(算定の有無から実績報告まで)

最初に、令和8年6月以降に処遇改善加算を算定しているかを確かめます。算定していない事業所は、算定を始める月に合わせて、体制届と計画書の期日を通知で確認します。算定している事業所は、請求ソフトの加算率の設定と、請求明細の加算の単位数が合っているかを確認します。

次に、令和8年度特例要件(訪問系はケアプランデータ連携システムへの加入と実績の報告)をどう満たすか、上乗せ区分を取る場合は誓約した要件を令和8年度中に整えられるかを記録し、実績報告の予定を決めます。最後に、賃金改善の対象が介護従事者へ広がった点を踏まえて事業所内の配分方針を見直し、実績報告書の期日をカレンダーに入れます。

この記事は、訪問介護の基本報酬の単位数の変更の有無と、特例要件の3つ目の類型、上乗せ区分の要件は確認していません。判断がつかない点は、指定権者へ相談してください。

令和9年度改定との関係と次に知りたいこと

令和9年度の介護報酬改定に向けた検討は、第256回分科会(令和8年4月27日)の資料で、令和8年10〜12月頃に具体的な方向性、12月中に報酬・基準に関する基本的な考え方の整理を行うスケジュール案が示されています。この資料にも、令和9年度改定を待たずに期中改定を実施したことが書かれています。

次に知りたいことは、令和9年度改定の検討状況と準備は令和9年度(2027年度)介護報酬改定の検討状況と、訪問介護事業所が今から整える準備に、加算の区分と要件は訪問介護の介護職員等処遇改善加算 区分・算定要件・加算率と計画書・実績報告に、届出の期限は訪問介護の加算届出(体制等状況一覧表)の提出期限にあります。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 自事業所が令和8年6月以降に処遇改善加算を算定しているかを確認する。算定していない事業所は、算定開始月の前月15日(居宅系)という体制届の期日と、計画書の提出期日を、厚生労働省の事務処理手順の通知で確かめる
  2. 訪問介護の加算率の表(令和8年度の拡充後)で、自事業所が取得している区分の加算率を確かめ、請求ソフトの設定と請求明細の加算の単位数が合っているかを確認する
  3. 令和8年度特例要件(訪問系はケアプランデータ連携システムへの加入と実績の報告)をどう満たすか、上乗せ区分を取る場合は誓約した要件を令和8年度中に整えられるかを記録し、実績報告の予定を決める
  4. 賃金改善の対象が介護職員から介護従事者へ広がった点を踏まえ、事業所内の配分方針を見直す必要があるかを確かめ、実績報告書の期日(通常は令和9年7月31日)をカレンダーに入れる。判断がつかない点は指定権者に相談する

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

令和8年度の介護報酬の改定は、令和9年度改定を待たずに行われたのですか?

はい。厚生労働省の資料(社会保障審議会介護給付費分科会 第253回 資料1)は、令和9年度介護報酬改定を待たずに期中改定を実施し、改定率は+2.03%(処遇改善分+1.95%、基準費用額(食費)の引上げ分+0.09%)と書いています。訪問介護費の算定基準の告示(令和8年厚生労働省告示第87号)は令和8年6月1日の施行です。

令和8年度の期中改定で、訪問介護事業所の処遇改善加算はどう変わりましたか?

同じ資料は、介護職員のみならず介護従事者を対象に月1.0万円(3.3%)の賃上げを実現する措置と、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員を対象にした月0.7万円(2.4%)の上乗せ措置を実施すると書いています。加算率は区分とサービスごとの表で定められ、訪問介護は加算Ⅰイ27.0%、Ⅰロ28.7%、Ⅱイ24.9%、Ⅱロ26.6%、Ⅲ20.7%、Ⅳ17.0%です。区分ごとの要件は処遇改善加算の記事で確認してください。

令和8年6月以降に初めて処遇改善加算を算定する事業所の届出期日はいつですか?

厚生労働省の事務処理手順の通知(老発0313第6号)は、加算を算定しない事業者が令和8年6月以降に処遇改善加算を算定する場合、処遇改善計画書の提出期日を令和8年6月15日とすると書いています。体制届は、居宅系のサービスでは算定開始月の前月15日とされています。実際の提出先と手順は都道府県知事等(指定権者)の案内で確認してください。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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