運営 / 更新 2026-10-13

令和9年度(2027年度)介護報酬改定の検討状況と、訪問介護事業所が今から整える準備

令和6年度の介護報酬改定の次の改定が、令和9年度(2027年度)に予定されています。厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会は、令和8年4月から検討を進めています。このページは、令和8年10月13日に確認できた分科会の資料で、検討の進み方、基本的な視点(案)、訪問介護の論点を整理し、改定率や報酬の単位数がまだ確認できていないことを前提に、事業所が今から整える準備をまとめます。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

令和9年度の介護報酬改定に備える訪問介護事業所の経営者や管理者が、審議会での検討の進み方、基本的な視点(案)、訪問介護の論点と、確認できていない点を、厚生労働省の公開資料で確認し、今から整える準備を決めるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、令和9年度改定への準備メモ(審議会で出た論点と自事業所の現状の対応表、公表を確かめる日付、改定後に見直す書類の一覧)を作成できる状態を目指します。

分科会の検討は、令和8年4月から始まっている

分科会の開催状況のページでは、令和8年4月27日の第256回から10月9日の第269回まで、議題に令和9年度介護報酬改定に向けた検討が続いています。第256回の資料の検討の進め方(案)は、令和8年4月から夏頃に主な論点の議論と事業者団体等のヒアリング、10月から12月頃に具体的な方向性の議論、12月中に報酬・基準に関する基本的な考え方のとりまとめを行うスケジュール案を示しています。基準は、地方自治体の条例の制定・改正に要する期間を踏まえて、先行してとりまとめるとも書かれています。

令和8年度には、令和9年度の改定を待たずに期中改定が行われ、介護分野の職員の処遇改善の措置などが実施されたと、同じ資料に書かれています。その処遇改善の内容は介護職員等処遇改善加算で確認できます。

基本的な視点(案)の5点

令和8年9月30日の第268回に、基本的な視点(案)が出されました。案なので、確定した内容ではありません。5点は、物価・賃金の上昇等への対応と処遇改善、人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築、地域包括ケアシステムの深化、職場環境の改善と生産性の向上を通じたサービスの質の向上及び介護人材の確保、制度の安定性・持続可能性の確保です。

訪問介護の事業所に関わりそうな記載の例を3つ挙げます。1つ目は、第2の視点に、中山間地域の加算のあり方の見直しが書かれていることです。

中山間地域等の加算に該当する可能性がある事業所は、この点の検討を追っておくと安心です。

資料は、どの加算を指すかまでは書いていません。2つ目は、第3の視点に、看取りへの対応を含めた医療と介護の連携が書かれていることです。3つ目は、第5の視点に、報酬の評価の適正化・重点化と、報酬体系の整理・簡素化が書かれていることです。

訪問介護の論点

訪問介護は、令和8年6月29日の第259回で議論されました。資料の論点は2つです。1つ目は、訪問介護事業所は立地、規模、事業形態によって経営状況が様々なので、全国平均の多寡だけを見ず、こうした特性を踏まえて検討を進めること、そして訪問介護員の不足を踏まえ、必要なサービスを地域で安定的に提供する方策です。

2つ目は、令和6年度改定の審議報告を踏まえ、利用者のわかりやすさと事務負担軽減の観点から、算定率が低い加算や算定率の高い加算をどう考えるかです。

現状として、資料は、訪問介護の収支差率を令和4年度7.8%、令和5年度11.1%、令和6年度9.6%(税引前・物価高騰対策関連補助金を含まない)と示し、特定事業所加算は前回改定で新設した加算Ⅴなど、算定が低調な区分もあるとしています。特定事業所加算の算定状況は、この論点と重なる部分です。

確認できていない点と、今から整える準備

このページを書いた時点で、改定率、報酬の単位数、加算の要件は、分科会の資料では確認できていません。基本的な視点は案の段階で、各サービスの資料は論点の整理です。今の資料から、改定後の報酬や要件を推測して、運営規程や料金表を先に直すことはできません。

今から整えられるのは、現行の算定状況を月ごとに同じ表で控えること、算定している加算がどの視点に関わりそうかを書き込むこと、告示・通知が出たときに見直す書類(運営規程、重要事項説明書、契約書、料金表、届出の期限表)を一覧にしておくことです。年間の予定は運営カレンダーに入れておくと、確認の日を忘れません。

看取り期の対応の現行の扱いは看取り期の利用者への対応で確認できます。改定の内容が確定したら、告示・通知を確認して、このページと関連する記事を更新します。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 分科会の開催状況のページを開き、直近の回の議題と、基本的な視点(案)が案から確定に進んだかを確かめた日付をメモに書く。改定率、報酬の単位数、加算の要件は、公表された告示・通知で確認するまで、この時点では書かない
  2. 自事業所が算定している加算を一覧にし、基本的な視点(案)の5点のうち、どの視点に関わりそうかを書き込む。たとえば中山間地域の加算、特定事業所加算、処遇改善に関わる加算は、審議会の資料で触れられているので、算定状況と件数を月ごとに控えておく
  3. 訪問介護の論点にある、事業所の立地・規模・事業形態による経営状況の違いを、自事業所の直近の収支と利用者の構成で整理する。改定後に算定の要件や報酬が変わっても比べられるよう、現行の算定状況を同じ表で控えておく
  4. 改定の告示・通知が出たときに見直す書類(運営規程、重要事項説明書、契約書、料金表、届出の期限表)を一覧にし、年間の予定表(運営カレンダー)に確認の予定を入れる。変更の届出が必要な加算は、届出の期限を指定権者の案内で確かめる

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問介護の開業後の義務カレンダー(研修・訓練・処遇改善の実績報告) →