運営 / 更新 2026-10-26
老健の在宅復帰・在宅療養支援等指標:10項目の点数と、基本型20以上・在宅強化型60以上
介護老人保健施設(老健)の基本型と在宅強化型の区分は、告示が定める10項目(算式のA〜J)の合計点で決まります。基本型は合計20以上、在宅強化型は60以上で、10項目の最高点は90です。在宅復帰・在宅療養支援機能加算は、基本型の施設が合計40以上、在宅強化型の施設が70以上のときの加算で、このページは告示の原文で10項目の点数の付き方を整理します。
指標は何を決めるか:基本型・在宅強化型と在宅復帰・在宅療養支援機能加算
厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年厚生労働省告示第96号)の第五十五号は、介護保健施設サービス費(Ⅰ)の施設基準を定めます。(i)または(iii)は基本型にあたり、算式(A+B+C+D+E+F+G+H+I+J)の合計が20以上であることが要件のひとつです。(ii)または(iv)は在宅強化型にあたり、同じ算式の合計が60以上であることに加えて、地域に貢献する活動を行っていることと、入所者に少なくとも週3回程度のリハビリテーションを実施していることが要件です。
報酬の単位数は介護老人保健施設の単位数にあります。この記事は、その区分を決める指標の側を扱います。
| 区分 | 指標の合計点の基準 | 合計点のほかに告示が求めること |
|---|---|---|
| 基本型(介護保健施設サービス費(Ⅰ)の(i)(iii)) | 20以上 | 退所時の療養上の指導、退所後の居宅での生活継続の確認と記録、リハビリテーションの計画的な実施と評価、医師の指示 |
| 在宅強化型(同(ii)(iv)) | 60以上 | 基本型の4つに加えて、地域に貢献する活動、少なくとも週3回程度のリハビリテーション |
| 在宅復帰・在宅療養支援機能加算(Ⅰ) | 40以上 | 地域に貢献する活動。基本型の(i)(iii)を算定していること |
| 在宅復帰・在宅療養支援機能加算(Ⅱ) | 70以上 | 在宅強化型の(ii)(iv)を算定していること |
この記事で決めること
介護老人保健施設の報酬区分(基本型・在宅強化型)と在宅復帰・在宅療養支援機能加算を調べる事業者が、区分を決める指標の10項目の点数の付き方と合計点の基準を告示の原文で確かめるための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、老健の在宅復帰・在宅療養支援等指標の点検表(算定日の属する月ごとの10項目の実績の割合と点数、合計点、届け出ている区分との照合)を作成できる状態を目指します。
10項目の点数の付き方(算式のA〜J)
告示は項目に名前を付けず、記号A〜Jで定めます。次の表は、告示の文言を短くした表記です。AからDは施設の実績に関わる項目で、合計の中で点数が大きい部分です。
| 記号 | 見る内容 | 点数の付き方 |
|---|---|---|
| A | 算定日の属する月の前6月間の退所者のうち、居宅で介護を受けることになった人の割合(入所期間が1月間を超えた退所者に限る) | 50%超で20点、50%以下で30%超なら10点、30%以下は0点 |
| B | 30.4を平均在所日数で割った数 | 10%以上で20点、10%未満で5%以上なら10点、5%未満は0点 |
| C | 入所予定日前30日以内または入所後7日以内に、退所後に生活する居宅を訪問して、退所を目的とした施設サービス計画の策定などを行った人の割合 | 35%以上で10点、35%未満で15%以上なら5点、15%未満は0点 |
| D | 退所前30日以内または退所後30日以内に、居宅を訪問して退所後の療養上の指導を行った人の割合 | 35%以上で10点、35%未満で15%以上なら5点、15%未満は0点 |
| E | 訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション・短期入所療養介護を施設(併設の病院・診療所・老健・介護医療院を含む)で実施している数 | 3種類すべてで5点、2種類で訪問リハビリテーションありなら3点、2種類で訪問リハビリテーションなしなら1点、1種類以下は0点 |
| F | リハビリテーションを担当する理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の常勤換算数を入所者数で割って100を掛けた数 | 5以上で3職種のいずれも0.2以上なら5点、5以上なら3点、5未満で3以上なら2点、3未満は0点 |
| G | 支援相談員の常勤換算数を入所者数で割って100を掛けた数 | 3以上で社会福祉士の支援相談員を1名以上配置していれば5点、3以上なら3点、3未満で2以上なら1点、2未満は0点 |
| H | 算定日の属する月の前3月間の入所者のうち、要介護4または5の人の割合 | 50%以上で5点、50%未満で35%以上なら3点、35%未満は0点 |
| I | 同じ前3月間の入所者のうち、喀痰吸引が実施された人の割合 | 10%以上で5点、10%未満で5%以上なら3点、5%未満は0点 |
| J | 同じ前3月間の入所者のうち、経管栄養が実施された人の割合 | 10%以上で5点、10%未満で5%以上なら3点、5%未満は0点 |
表の読み方:どの項目で合計点が積み上がるか
最高点は、A20点、B20点、CとDが各10点、EからJの6項目が各5点で、合計90点です。基本型の20点は、AまたはBの1項目が最上位の区分に入るだけで届く水準です。在宅強化型の60点は、AからDの4項目の最高点の合計(60点)と同じ水準なので、AからDのどこかが満点に届かなければ、EからJの項目で補う必要があります。
AとBは「前6月間」、HからJは「前3月間」と、数える期間が違います。算定日の属する月が替わるたびに期間が動くので、一度区分に入った施設も、月ごとに点数を確かめる点検の表が必要です。
指標の分子と分母の数え方の細かな取扱いは、留意事項通知に定めがありますが、この記事では確認していません。
在宅復帰・在宅療養支援機能加算との関係
厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)の第九十は、在宅復帰・在宅療養支援機能加算の基準を定めます。(Ⅰ)は、同じ算式の合計が40以上で、地域に貢献する活動を行っていること、介護保健施設サービス費(Ⅰ)の(i)または(iii)を算定していることが基準です。(Ⅱ)は、合計が70以上で、(ii)または(iv)を算定していることが基準です。
加算の単位数は、介護老人保健施設の単位数で扱っています。告示の条文には「超強化型」という語は出てきません。一般にこの名前で呼ばれる区分は、条文では在宅強化型の(ii)(iv)で加算(Ⅱ)の70以上を満たす施設と読めます。
施設の種類との関係と、この記事で確認した範囲
老健の指定の基準は介護老人保健施設の指定基準に、介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院の3つの違いは介護保険施設3類型の比較にあります。
2026-10-26に、厚生労働省が掲載する告示第96号の第五十五号と告示第95号の第九十の本文を確認しました。ユニット型の区分、介護保健施設サービス費(Ⅱ)以降の区分、令和8年6月の改定後の条文の差、留意事項通知の細則は確認していません。算定できるかの最終判断は、指定権者に確認してください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 算定日の属する月ごとに、退所者のうち居宅に戻った人の割合(前6月間)と、平均在所日数から求めるベッド回転率を出し、AとBの点数を告示の区分に当てる
- 入所前後と退所前後の訪問指導を行った人の割合、3つの居宅サービスの実施数、リハビリテーション職員と支援相談員の常勤換算の配置割合を出し、CからGの点数を付ける
- 前3月間の要介護4・5の割合、喀痰吸引と経管栄養の実施割合を出し、HからJの点数を付けて10項目を合計する
- 合計点が、届け出ている区分(基本型20以上、在宅強化型60以上、加算(Ⅰ)40以上、加算(Ⅱ)70以上)の基準を下回っていないかを毎月確かめ、数え方の細則は留意事項通知の現行の本文を指定権者の案内で確かめて日付を残す
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年3月23日厚生労働省告示第96号)第五十五号 介護保健施設サービスの施設基準」(五十五 イ(1)(一)〜(七)(基本型。算式A+B+C+D+E+F+G+H+I+Jが20以上)、イ(2)(在宅強化型。算式が60以上、地域貢献、週3回程度のリハビリテーション))(確認日 2026-10-26)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準(平成27年3月23日厚生労働省告示第95号)第九十 介護保健施設サービスにおける在宅復帰・在宅療養支援機能加算の基準」(九十 イ(加算(Ⅰ)。算式が40以上、地域に貢献する活動、(i)(iii)等を算定)、ロ(加算(Ⅱ)。算式が70以上、(ii)(iv)等を算定))(確認日 2026-10-26)