運営 / 更新 2026-10-24
訪問入浴介護のサービス提供体制強化加算:介護福祉士60%・40%・30%と勤続年数
訪問入浴介護のサービス提供体制強化加算は、1回につき(Ⅰ)44単位、(Ⅱ)36単位、(Ⅲ)12単位です。3区分とも、従業者ごとの研修計画、会議の定期開催、健康診断等の定期実施が共通の要件で、そのうえで介護職員に占める介護福祉士の割合が区分ごとに変わり、(Ⅰ)と(Ⅲ)では勤続年数の割合も要件に入ります。この記事では、厚生労働省の告示で単位数と要件を確認します。
単位数は1回につき(Ⅰ)44・(Ⅱ)36・(Ⅲ)12で、どれか1つだけ
平成12年厚生省告示第19号の別表で、訪問入浴介護費のサービス提供体制強化加算は、(Ⅰ)が1回につき44単位、(Ⅱ)が36単位、(Ⅲ)が12単位です。厚生労働大臣が定める基準に適合するものとして、電子情報処理組織を使用する方法で都道府県知事に届出を行った事業所が、利用者に訪問入浴介護を行った場合に算定します。
告示は、(Ⅰ)から(Ⅲ)のいずれかを算定している場合は、そのほかの区分を算定しないと定めています。事業所が算定できるのは、3区分のうち1つです。基本の単位数や、ほかの加算・減算の割合は訪問入浴介護費の単位数で確かめられます。
この記事で決めること
訪問入浴介護を併設・展開する訪問介護の事業者が、サービス提供体制強化加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)の単位数と、3区分に共通する要件、介護福祉士や勤続年数の割合の違いを告示の原文で確かめるための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、サービス提供体制強化加算の自己点検表(1枚):共通の3要件の実施状況、介護職員の総数と資格・勤続年数別の人数、(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)ごとの割合と判定を作成できる状態を目指します。
3区分に共通する要件:研修計画・会議・健康診断
厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)の第五号は、どの区分にも次の3つを求めています。1つ目は、事業所の全ての訪問入浴介護従業者に対し、従業者ごとに研修計画を作成し、その計画に従って研修(外部の研修を含む)を実施または実施を予定していることです。
2つ目は、利用者に関する情報やサービス提供に当たっての留意事項の伝達、または訪問入浴介護従業者の技術指導を目的とした会議を、定期的に開くことです。3つ目は、全ての訪問入浴介護従業者に対し、健康診断等を定期的に実施することです。
条文は、会議を開く頻度や、研修計画に書く項目を数値では示していません。頻度や記録の形は、届出先の都道府県の案内で確かめます。
区分ごとの違い:介護福祉士の割合と勤続年数
区分の違いは、介護職員の総数に占める介護福祉士などの割合と、勤続年数の割合です。(Ⅰ)は、介護福祉士が介護職員の総数の100分の60以上であるか、勤続10年以上の介護福祉士が100分の25以上であることが要件です。(Ⅱ)は、介護福祉士が100分の40以上か、介護福祉士・実務者研修修了者・介護職員基礎研修課程修了者を合わせて100分の60以上です。
(Ⅲ)は、2つの要件のうちいずれかを満たせば足ります。1つは、介護職員の総数のうち、介護福祉士が100分の30以上か、介護福祉士・実務者研修修了者・介護職員基礎研修課程修了者を合わせて100分の50以上であることです。もう1つは、訪問入浴介護従業者の総数のうち、勤続年数7年以上の者が100分の30以上であることです。
分母が違う点に注意します。介護福祉士などの割合は「介護職員の総数」が分母で、(Ⅲ)の勤続年数7年以上の割合は「訪問入浴介護従業者の総数」が分母です。従業者全体で数えるのは、(Ⅲ)の勤続年数7年以上の割合だけです。
| 区分 | 単位数(1回につき) | 資格の割合(介護職員の総数が分母) | 勤続年数の割合 |
|---|---|---|---|
| (Ⅰ) | 44単位 | 介護福祉士が100分の60以上 | 勤続10年以上の介護福祉士が100分の25以上でもよい |
| (Ⅱ) | 36単位 | 介護福祉士が100分の40以上、または介護福祉士・実務者研修修了者・介護職員基礎研修課程修了者が100分の60以上 | 定めなし |
| (Ⅲ) | 12単位 | 介護福祉士が100分の30以上、または介護福祉士・実務者研修修了者・介護職員基礎研修課程修了者が100分の50以上 | 訪問入浴介護従業者の総数のうち、勤続7年以上が100分の30以上でもよい |
自事業所の人数で区分の候補を確かめる手順
区分を決めるときは、介護職員の総数を数えたうえで、介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員基礎研修課程修了者、勤続10年以上の介護福祉士の人数を資格別に書き出します。次に、訪問入浴介護従業者の総数と、そのうち勤続7年以上の人数を書きます。
たとえば介護職員が10人で、うち介護福祉士が4人なら、介護福祉士の割合は100分の40です。表の(Ⅱ)の介護福祉士の要件は満たしますが、(Ⅰ)の100分の60には届きません。この例は割合の見方を示すための数字の例で、実在の事業所の人数ではありません。
割合をどの期間の実績で数えるか、常勤換算にするか、届出の様式に何を書くかは、告示ではなく留意事項通知や都道府県の案内で決まります。この記事ではその部分を読んでいないため、算定できるかどうかの最終確認は、届出先の指定権者に行ってください。
この記事で確認した範囲と、次に知りたいこと
2026年10月24日に、平成12年厚生省告示第19号の別表(訪問入浴介護費)と、平成27年厚生労働省告示第95号の第五号を、厚生労働省の掲載ページで確認しました。掲載ページには施行日の明示がなく、改定後の版かどうかは本文から断定できません。留意事項通知の訪問入浴介護の部分は確認していません。
員数や設備の基準は訪問入浴介護の指定基準にあります。介護福祉士の割合が効く訪問介護側の加算は、介護福祉士の配置・割合が効く加算の早見表で見比べられます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 全ての訪問入浴介護従業者について、従業者ごとの研修計画を作成して研修を実施または予定している状況、利用者情報や留意事項を伝える会議の開催日、健康診断等の実施日を書く
- 介護職員の総数を数え、そのうち介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員基礎研修課程修了者、勤続年数10年以上の介護福祉士の人数を資格別に書く
- 訪問入浴介護従業者の総数のうち勤続年数7年以上の人数を書き、(Ⅰ)は60%と25%、(Ⅱ)は40%と60%、(Ⅲ)は30%・50%・30%の各割合と照らして、満たす区分の候補を書く
- 割合の算出期間や届出の様式は留意事項通知と都道府県の案内で確かめ、確かめた日を書いたうえで、届出の前に指定権者へ問い合わせる事項を一覧にする
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 2 訪問入浴介護費」(別表 2 訪問入浴介護費 注1(看護職員1人・介護職員2人)、注2・注3(減算100分の1)、注4(介護職員3人・100分の95)、注5(清拭・部分浴・100分の90)、注6(同一建物・100分の90/100分の85)、注7〜注9、初回加算、看取り連携体制加算)(確認日 2026-10-19)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第五号 訪問入浴介護費におけるサービス提供体制強化加算の基準」(第五号 イ(サービス提供体制強化加算(Ⅰ))・ロ((Ⅱ))・ハ((Ⅲ)))(確認日 2026-10-24)