運営 / 更新 2026-10-17

訪問入浴介護の指定基準:看護職員・介護職員の員数・管理者・設備(基準第45条〜第47条)

訪問入浴介護の指定基準は、従業者の員数、管理者、設備及び備品等の3つに分けて確かめられます。この記事は、訪問介護の事業者が訪問入浴介護への事業の広がりを考えるときに、指定居宅サービス等の基準第45条〜第47条を読み、訪問介護の基準(第5条〜第7条)との違いを表で比べるための整理です。指定の申請手順や、個別の事業所が基準を満たすかの判断は扱いません。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

従業者の員数:看護職員1以上・介護職員2以上、1人以上は常勤

基準第45条第1項は、指定訪問入浴介護事業所ごとに置く従業者の員数を、看護師または准看護師(看護職員)1以上、介護職員2以上と定めています。第2項は、これらの従業者のうち1人以上は常勤でなければならないとしています。

訪問介護は、訪問介護員等を常勤換算方法で2.5以上置き、利用者の数に応じたサービス提供責任者を常勤の訪問介護員等から置くと定めています(基準第5条第1項・第2項)。訪問入浴介護には、サービス提供責任者に当たる職種も、常勤換算で数える員数の定めも、第45条にはありません。看護職員を置く点が、訪問介護の基準との大きな違いです。

第3項は、介護予防訪問入浴介護の指定を併せて受け、同一の事業所で一体的に運営している場合は、介護予防サービス等基準第47条第1項・第2項の人員基準を満たすことに加え、介護職員を1人置くことで、第1項・第2項の基準を満たしているとみなすことができると定めています。

この記事で決めること

訪問介護の事業者が訪問入浴介護への広がりを考えるときに、看護職員と介護職員の員数、管理者、設備の基準を条文で確かめ、訪問介護の基準との違いと自社で足りない点を洗い出すための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、訪問入浴介護の基準チェック表(看護職員の候補と資格・介護職員の候補と常勤の有無・管理者候補・浴槽等の設備と提供ごとの消毒の手順・事業用の区画・都道府県の担当窓口に確かめた日と回答)を作成できる状態を目指します。

管理者:専らその職務に従事する常勤

基準第46条は、指定訪問入浴介護事業所ごとに、専らその職務に従事する常勤の管理者を置くと定めています。ただし、事業所の管理上支障がない場合は、その事業所の他の職務に従事し、または他の事業所、施設等の職務に従事できます。

この書き方は、訪問介護の管理者(基準第6条)と同じです。条文は管理者に特定の資格を求めていません。兼務してよいかどうかは、条文が「管理上支障がない場合」とだけ書いているため、候補者の勤務の見込みを持って都道府県の担当窓口に確かめます。

設備及び備品等:専用の区画と浴槽等

基準第47条第1項は、事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の区画を設けるほか、指定訪問入浴介護の提供に必要な浴槽等の設備及び備品等を備えると定めています。訪問介護の設備の基準(基準第7条)は、専用の区画と「必要な設備及び備品等」を求める形で、訪問入浴介護はこれに「浴槽等」が加わる点が違います。

第2項は、介護予防訪問入浴介護の指定を併せて受け、同一の事業所で一体的に運営している場合は、介護予防サービス等基準第49条第1項の設備の基準を満たすことで、第1項の基準を満たしているとみなすことができると定めています。

サービス提供に用いる設備や器具、用品の扱いは、運営の基準にも定めがあります。基準第50条第7号は、特に利用者の身体に接触する設備、器具その他の用品については、サービスの提供ごとに消毒したものを使用するとしています。浴槽等を備えるだけでなく、提供ごとに消毒したものを使う必要があり、その段取りは事業所で整えます。

「必要な広さ」や「必要な浴槽等」の具体的な数字は条文に示されていません。区画の広さと備品の見込みは、窓口に図面や一覧を示して確かめます。

訪問介護の基準との比較

条文を並べると、人員の枠組みが大きく異なり、管理者と設備の書き方はよく似ています。

訪問入浴介護と訪問介護の人員・管理者・設備の基準(基準第45条〜第47条、第5条〜第7条)
項目訪問入浴介護訪問介護
従業者の員数看護職員1以上、介護職員2以上。1人以上は常勤(第45条第1項・第2項)訪問介護員等を常勤換算方法で2.5以上(第5条第1項)
責任者に当たる職種第45条に定めなし(1回の訪問の責任者は第50条第6号)利用者の数に応じたサービス提供責任者(第5条第2項)
管理者専らその職務に従事する常勤。管理上支障がなければ兼務可(第46条)専らその職務に従事する常勤。管理上支障がなければ兼務可(第6条)
設備及び備品等必要な広さの専用の区画、浴槽等の設備及び備品等(第47条第1項)必要な広さの専用の区画、必要な設備及び備品等(第7条第1項)

訪問介護の事業者が確かめる順番

以下は条文の定めではなく、事業所内の進め方の例です。まず看護職員の候補者を書き出し、看護師または准看護師の資格と、勤務の見込みを確かめます。訪問介護の事業所に看護職員がいない場合は、新しく確保する必要があります。

次に、看護職員と介護職員を合わせた従業者のうち1人以上を常勤にできるか、管理者の候補を誰にするか、浴槽等の設備と、利用者の身体に接触する用品を提供ごとに消毒したものを使うための段取りをどう整えるかを整理します。これらをチェック表にまとめ、都道府県の担当窓口に相談する内容にします。

併設を考える5つのサービスの指定の主体と人員の比較は訪問介護から広げる5サービスの比較:指定の主体・人員・管理者の兼務で、入浴の相談を受けたときの訪問介護と訪問入浴介護の違いは訪問介護の入浴介助と訪問入浴介護の違い:老計10号1-2・介護保険法第8条・基準第45条で整理しています。

同じく併設を考えやすい訪問看護の基準は訪問看護ステーションの指定基準:看護職員の員数・管理者・設備(基準第60条〜第62条)で、訪問介護自体の人員基準は訪問介護の人員基準(必要人数・常勤換算2.5以上・サービス提供責任者・管理者の兼務)で確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 看護職員として置く候補者の氏名と、看護師または准看護師の資格の有無、勤務の見込みをチェック表に書き、1以上を確保できるかを確かめる
  2. 介護職員として置く候補者を2以上書き、看護職員と介護職員を合わせた従業者のうち1人以上が常勤になるかを確かめる
  3. 訪問入浴介護の管理者に置く候補を決め、専らその職務に従事する常勤にできるか、兼務するなら管理上支障がないと説明できる勤務の見込みかをチェック表に書く
  4. 浴槽等の設備と備品の見込み、提供ごとに利用者の身体に接触する用品を消毒する手順、事業用の区画の広さを整理し、チェック表を持って都道府県の担当窓口に相談して、確かめた日と回答を記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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