参入判断 / 更新 2026-10-15
訪問介護の事業所数・利用者数・費用額の全国推移(令和6年)
訪問介護の全国の規模は、事業所数が37,264事業所(令和6年10月1日)、年間の実受給者数が約161万人、費用額が約1兆2,142億円(令和6年度)です。前年と比べて事業所数は1.0%、費用額は5.1%増えました。参入や事業計画の前提として、厚生労働省の2つの統計の数字を、出典の範囲つきで整理します。
この記事で決めること
訪問介護の参入を考える人が、事業計画の前提として、全国の事業所数・開設主体・従事者数・受給者数・費用額と前年からの増減を、公的統計の数字で確かめるための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、全国の規模と自分の地域の比較表(全国と対象地域の事業所数・受給者数・費用額、前年比、出典と確認日)を作成できる状態を目指します。
このページで使う2つの統計と、数字の読み方
事業所数と従事者数、開設主体は、厚生労働省の「介護サービス施設・事業所調査」(令和6(2024)年の概況、調査日は10月1日)の数字です。受給者数と費用額は、同省の「介護給付費等実態統計」(令和6年度の概況、令和6年5月審査分〜令和7年4月審査分)の数字です。
費用額は、審査月に原審査で決定された額で、保険給付額、公費負担額、利用者負担額の合計です。市区町村が直接支払う費用(償還払い)は含みません。また、令和6年度は令和6年4月1日、6月1日に介護報酬改定(改定率+1.59%)があった年度で、前年度との増減には改定の影響が入っています。
地域ごとの数字は、このページの全国の数字とは別に、訪問介護の商圏・需要・競合の調べ方で調べます。
事業所数:訪問介護は37,264事業所で、前年から1.0%増
令和6年10月1日の訪問介護の事業所数は37,264事業所で、前年(36,905事業所)より359事業所、1.0%増えました。複数のサービスを提供する事業所は、サービスごとに数えています。
同じ居宅サービスの訪問看護ステーションは18,042事業所(前年比9.9%増)、通所介護は24,585事業所(同0.0%増)、居宅介護支援事業所は37,258事業所(同1.4%減)です。
| サービス | 令和6年 | 令和5年 | 対前年増減率 |
|---|---|---|---|
| 訪問介護 | 37,264 | 36,905 | 1.0%増 |
| 訪問看護ステーション | 18,042 | 16,423 | 9.9%増 |
| 通所介護 | 24,585 | 24,577 | 0.0%増 |
| 居宅介護支援事業所 | 37,258 | 37,784 | 1.4%減 |
| 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 1,441 | 1,357 | 6.2%増 |
開設主体:営利法人(会社)が73.2%
訪問介護の事業所を開設主体別に見ると、営利法人(会社)が73.2%で最も多く、社会福祉法人が14.0%、医療法人が5.4%、特定非営利活動法人(NPO)が3.8%です。社団・財団法人と協同組合は各1.5%、地方公共団体とその他は各0.3%です(詳細票の構成割合)。
従事者数は、令和6年10月1日現在で、訪問介護の訪問介護員が520,612人です。この従事者数は詳細票からの推計値です。
受給者数と費用額:実受給者は約161万人、費用額は1兆2,142億円
令和6年度の訪問介護の年間実受給者数は1,612.7千人で、前年度(1,592.4千人)より1.3%増えました。年間実受給者数は、4月から翌年3月の1年間に一度でも受給した人の数で、同じ人が何度受給しても1人と数えます。年間累計受給者数(各審査月の受給者数の合計)は13,322.2千人で、前年度比1.4%増です。
訪問介護の費用額累計は1,214,189百万円で、前年度(1,154,797百万円)より59,392百万円、5.1%増えました。介護サービス全体の費用額累計は11,617,866百万円(前年度比3.6%増)なので、訪問介護は全体の約10.5%にあたります(このページでの単純計算)。
| 項目 | 令和6年度 | 令和5年度 | 対前年度増減率 |
|---|---|---|---|
| 年間実受給者数 | 1,612.7千人 | 1,592.4千人 | 1.3%増 |
| 年間累計受給者数 | 13,322.2千人 | 13,142.5千人 | 1.4%増 |
| 費用額累計 | 1,214,189百万円 | 1,154,797百万円 | 5.1%増 |
事業計画の前提に使うときの見方と、使えない範囲
全国の数字から読めるのは、事業所数の伸びが1.0%、受給者数の伸びが1.3%なのに対し、費用額の伸びは5.1%と大きいという点です。ただし、令和6年度の費用額には報酬改定の影響が入るため、費用額の伸びをそのまま需要の伸びとして読むのは避けてください。
費用額を年間実受給者数で割ると、令和6年度は1人あたり約75.3万円(前年度は約72.5万円)になります。これは、このページでの単純な割り算で、1人が実際に受給した月数の違いを反映していないため、事業所の1人あたりの売上の目安にはなりません。
このページが確認していないのは、市区町村ごとの事業所数・利用者数、事業所の廃止・休止の件数、事業所あたりの収支です。自分が開く地域の需要と競合は訪問介護の商圏・需要・競合の調べ方、事業所の収益構造は訪問介護の事業モデルと参入前の確認事項、計画の下振れの確認は訪問介護の倒産件数と原因(2025年・東京商工リサーチ)を開業計画の下振れ確認に使うで進めます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 全国の事業所数、年間実受給者数、費用額と前年比を、このページの表から計画書の表に写し、出典名と確認日を付ける
- 対象の市区町村について、同じ項目の数字を自治体や都道府県の公表資料から集め、全国の表の隣に並べる
- 費用額の伸びに報酬改定の影響が入っていることを注記し、需要の伸びとして使わないことを計画書に書く
- 事業所数の伸びと受給者数の伸びの差を、対象地域の競合の状況と合わせて読み、参入の可否の判断材料に加える
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況」(確認日 2026-10-15)
- 厚生労働省「令和6年度 介護給付費等実態統計の概況(令和6年5月審査分〜令和7年4月審査分)」(確認日 2026-10-15)