運営 / 更新 2026-10-13

訪問介護の研修費用に使える人材開発支援助成金:助成率・計画届・対象外

訪問介護事業所が職員に実務者研修などを受けさせるとき、受講料の一部を国の助成金でまかなえることがあります。厚生労働省の人材開発支援助成金(人材育成支援コース)は、事前に計画を届け出て職務に関連した訓練を実施した事業主に、経費の一部を助成する制度です。このページは、令和8年度版の公式資料で、事業所の準備、計画届の時期、助成率と限度額、対象外になる訓練を整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

職員に実務者研修などを受けさせたい訪問介護事業所の経営者が、人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の事前の準備、計画届の提出時期、経費助成率と限度額、対象外になる訓練を、令和8年度版の公式資料で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、研修助成の申請準備票(受講させる研修と職員、職業能力開発推進者の選任、事業内計画の周知、計画届の期限、対象外に当たらないかの確認結果)を作成できる状態を目指します。

訓練の前に届け出る助成金で、終わってからでは申請できない

厚生労働省の令和8年度版の案内(R8.8.3版)は、申請事業主に、研修や人事の担当課長等を職業能力開発推進者として選任すること、事業内職業能力開発計画を策定して雇用する労働者に周知することを求めています。まだ整えていない場合は、計画届を提出する日までに選任・策定・周知をすればよいとされています。

計画届の提出は、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間です。提出先は事業所の所在地を管轄する労働局で、郵送は書類が労働局に到達した日が提出日になり、消印は有効になりません。訓練が終わってから出す仕組みではないため、受講を決める前に日程を確認します。

人材育成訓練の手続きの時期(厚生労働省 人材育成支援コースのご案内 R8.8.3版、2026-10-13確認)
時期事業主がすること資料の定め
計画届を出すまで職業能力開発推進者の選任、事業内職業能力開発計画の策定と労働者への周知計画届を提出する日までに整備
訓練開始日の6か月前から1か月前まで職業訓練実施計画届を労働局へ提出する郵送は労働局への到達日が提出日
訓練の期間中訓練中も賃金を適正に支払い、訓練経費を負担する。通学制・同時双方向型は、受講が計画時間の8割以上必要支給申請日までに経費を全額負担
訓練終了日の翌日から2か月以内支給申請を、事業所を管轄する労働局へ出す6か月を超える訓練は分割申請ができる場合がある

対象になる訓練は、職務に関連した10時間以上のもの

対象は、職務に関連した10時間以上の訓練(OFF-JT)です。通学制や同時双方向型の訓練は実訓練時間が10時間以上、eラーニングや通信制の訓練は標準学習時間が10時間以上、または標準学習期間が1か月以上であることが条件とされています。

案内には、福祉分野の職務関連訓練の例として、介護福祉士の受験資格を取得させるための介護福祉士実務者研修が載っています。職員に受けさせたい研修が対象に当たるかは、計画届を出す前に労働局へ確認してください。

助成率と限度額は、事業所の規模と訓練の時間で決まる

支給要領(R8.8.3)の中小企業の欄では、経費助成率は、正規雇用労働者等が45%、有期契約労働者等が70%です。訓練後の賃金が5%以上上昇した場合などは15ポイントが加わり、資格等手当を支給して3%以上上昇した場合も同じ割増の条件とされています。

経費助成の限度額は1人1訓練あたりで、訓練時間によって決まり、1人につき年度内に3回まで、1事業所の年度あたりの限度額は1,000万円とされています。賃金助成は、中小企業で1人1時間あたり800円(賃金を増額した場合は200円が加わる)で、eラーニング・通信制の訓練は対象外とされています。算定の対象は所定労働時間内の訓練時間だけで、最新の取り扱いは労働局で確認します。

経費助成の限度額(1人1訓練あたり、中小企業。案内R8.8.3版、2026-10-13確認)
訓練の時間中小企業中小企業以外
10時間以上100時間未満15万円10万円
100時間以上200時間未満30万円20万円
200時間以上50万円30万円

対象外になる訓練と、介護事業所が確認すること

案内は、法令等で事業主に実施が義務づけられている講習を対象外としています。例は労働安全衛生法の特別教育などで、労働者が資格を取るための法定講習は除くとされています。運営基準で実施が求められている研修が、この対象外に当たるかは資料からは判断できないため、労働局に確認します。

意識改革研修やモラール向上研修も対象外です。そのほか、通信制で教材を渡すだけで設問回答や質疑応答がないもの、通常業務と区別できない現場実習や営業同行、年次有給休暇で受講させるものも、対象外の例に挙げられています。

このページの範囲と、あわせて確認するページ

このページが確認したのは、厚生労働省の令和8年度版「人材育成支援コースのご案内」(R8.8.3版)と支給要領です。個々の事業所や訓練が助成の対象になるか、受給できる額がいくらかは判断しません。制度は年度ごとに見直されるため、申請の前に最新の案内と管轄の労働局で確認してください。

費用を事業所が負担するときの返還の取り決めは資格取得費用の返還特約で、国の助成金全体の確認先は開業で確認する助成金・補助金で整理しています。研修の内容は処遇改善加算のキャリアパス要件と合わせて計画します。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 受講させたい研修と対象の職員を決め、研修の時間(通学制・同時双方向型は10時間以上、eラーニング・通信制は標準学習時間10時間以上または標準学習期間1か月以上)を満たすかを、案内の条件と照らして書く
  2. 職業能力開発推進者を誰にするかを決め、事業内職業能力開発計画を作って職員へ周知する。計画届を出す日までに終わらせる日付を、準備票に書く
  3. 訓練開始日の6か月前から1か月前までの提出期間から逆算して、計画届を出す日を決める。研修が法令等で義務づけられた講習や、意識改革研修、年次有給休暇での受講などの対象外の例に当たらないかを、管轄の労働局に確認して結果を残す
  4. 受講の記録(出席が計画時間の8割以上か)と、訓練経費を負担した証拠を保管する。訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請を出す日を、準備票の最後に書く

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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