事業計画 / 更新 2026-10-30

介護医療院の事業計画書と収支:Ⅰ型の要介護1は721単位・看護職員は入所者6人に1以上

介護医療院の事業計画書の収支は、療養床のⅠ型とⅡ型の区別、員数と設備、月の収入、自社の費用の4つに分けると書けます。員数と設備は基準、月の収入は告示の1日あたりの単位数で決まり、Ⅰ型とⅡ型のどちらで計画するかが人件費と収入の両方を左右します。この記事は、原文を2026年10月30日に確かめ、収入の式と数値例を整理し、建物の費用や給与の平均値は扱いません。

事業計画書の収支に入れる項目と、数字の根拠

下の表は、収支に入れる項目ごとに、数字の根拠と、自社で確かめる点を並べたものです。基準や告示で決まる項目と、自社の数字を入れる項目を分けています。

介護医療院は、入所者に対し、1日ごとに区分と要介護度で決まる単位数を算定します。医師と薬剤師を置く分、看護職員と介護職員の人件費に加えて、これらの職種の人件費が固定費になります。

介護医療院の収支に入れる項目(2026年10月30日確認)
項目根拠の数字自社で確かめる点
医師常勤換算で、Ⅰ型入所者の数を48で除した数にⅡ型入所者の数を100で除した数を加えた数以上。3に満たないときは3(基準 第4条第1項第1号)Ⅰ型とⅡ型の入所者数の見込みと、採用の見込み
薬剤師常勤換算で、Ⅰ型入所者の数を150で、Ⅱ型入所者の数を300で除した数の合計以上(同項第2号)常勤換算の人数
看護職員看護師または准看護師は、常勤換算で入所者の数を6で除した数以上(同項第3号)勤務表と、前年度の平均の入所者数(新規は推定数)
介護職員常勤換算で、Ⅰ型入所者の数を5で、Ⅱ型入所者の数を6で除した数の合計以上(同項第4号)勤務表
そのほかの職種介護支援専門員は1以上、栄養士または管理栄養士は入所定員100以上で1以上(同項第6号・第7号)兼務できる職員と、定員の規模
療養室定員は4人以下で、入所者1人当たりの床面積は8平方メートル以上。地階には設けない(基準 第5条第2項第1号)図面の床面積
基本の収入Ⅰ型介護医療院サービス費(Ⅰ)の(i)は要介護1が721、2が832、3が1,070、4が1,172、5が1,263単位(1日につき。告示 別表4 イ)区分と要介護度ごとの入所者数の見込み
賃料・食材・給与ほかこの記事は数字を示さない見積書と求人条件で確かめた自社の数字

この記事で決めること

介護医療院の開設を考える事業者が、事業計画書の収支に何を入れるのかを、Ⅰ型・Ⅱ型の療養床の区別、基準の員数と設備、告示の1日あたりの単位数から知り、入所者数から月の収入を見積もる式を確かめる。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、介護医療院の収支計画の入力表(Ⅰ型入所者とⅡ型入所者の数、療養室数と床面積、医師・薬剤師・看護職員・介護職員・介護支援専門員の人数、区分と要介護度別の入所者数と月の日数、1単位の単価、人件費と固定費)を作成できる状態を目指します。

Ⅰ型とⅡ型の区別が決める計画:療養床の分け方

療養床は、Ⅰ型とⅡ型の2種類に分かれます。基準の第3条は、Ⅰ型療養床を、主として長期にわたり療養が必要である者のうち、重篤な身体疾患を有する者や身体合併症を有する認知症高齢者等を入所させるための療養床とし、Ⅱ型療養床をそれ以外の療養床としています。員数の式は、Ⅰ型入所者とⅡ型入所者の数を分けて当てはめます。

告示の1日の単位数もⅠ型とⅡ型で異なるため、療養床をどちらで何床計画するかが、人件費と月の収入の両方を変えます。開設の許可の手順と開設者の要件は、この記事では確認していません。基準の全体は介護医療院の基準にまとめています。

員数から決まる固定費:看護職員は入所者6人に1以上

員数は、職種ごとに入所者の数から計算します。基準の第4条第1項は、医師を、常勤換算方法で、Ⅰ型入所者の数を48で除した数にⅡ型入所者の数を100で除した数を加えて得た数以上とし、その数が3に満たないときは3、1に満たない端数は1として計算するとしています。薬剤師は、Ⅰ型入所者の数を150で、Ⅱ型入所者の数を300で除した数の合計以上です。

看護師または准看護師は、入所者の数を6で除した数以上、介護職員は、Ⅰ型入所者の数を5で、Ⅱ型入所者の数を6で除した数の合計以上です。介護支援専門員は1以上で、入所者が100またはその端数を増すごとに1を標準とします。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は、施設の実情に応じた適当数です。

入所者の数は前年度の平均値で、新規に許可を受ける場合は推定数によります(同条第2項)。医療機関併設型と併設型小規模には員数の特例があり、この記事では扱いません。

設備から決まる固定費:療養室は1人8平方メートル以上

基準の第5条第2項は、療養室の定員を4人以下とし、入所者1人当たりの床面積を8平方メートル以上としています。入所者が48人なら、療養室の床面積の合計は384平方メートル以上です。療養室は地階に設けられません。

療養室のほか、診察室、処置室、機能訓練室、談話室、食堂、浴室、レクリエーション・ルーム、洗面所、便所、サービス・ステーション、調理室、洗濯室または洗濯場、汚物処理室を設けます。診察室と処置室が備える施設の細目、機能訓練室と食堂の面積、構造の基準、ユニット型の設備の基準は、この記事では確認していません。

月の収入の式:区分・要介護度別の入所者数×単位数×日数×1単位の単価

収入の基本は、告示の1日あたりの単位数です。告示の介護医療院サービスのイは、Ⅰ型介護医療院サービス費(Ⅰ)を、(i)で要介護1が721、要介護2が832、要介護3が1,070、要介護4が1,172、要介護5が1,263単位(1日につき)、(ii)で833・943・1,182・1,283・1,375単位としています。(Ⅱ)以降とⅡ型は単位数が異なります。

月の収入は、区分と要介護度ごとの入所者数に単位数を掛けて足し、月の日数と1単位の単価を掛けた額です。1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で決まります。減算の細目と加算の単位数はこの記事で扱わず、介護医療院の単位数にまとめています。

数値例:Ⅰ型(Ⅰ)の(i)でⅠ型入所者48人の場合の月の収入

式を確かめるための仮の数字を置きます。(i)は、厚生労働省の算定構造では従来型個室にあたる区分です。Ⅰ型(Ⅰ)の(i)で、Ⅰ型入所者が48人、Ⅱ型入所者は0人、内訳は要介護1が2人、要介護2が4人、要介護3が12人、要介護4が18人、要介護5が12人、月の日数は30日、1単位は仮に10円とします。

1日の単位数は、2人×721+4人×832+12人×1,070+18人×1,172+12人×1,263=1,442+3,328+12,840+21,096+15,156=53,862単位です。月は53,862×30日=1,615,860単位で、月の収入は16,158,600円で、加算、減算、地域の割合は入れていません。

この規模で、看護職員は48÷6で8以上、介護職員は48÷5で9.6以上、医師は48÷48で1ですが3に満たないため3です。入所が定員に届かない月は、入所者数を少なくして見積もり、入所が進むまでの月に、収入が人件費と賃料を下回る期間を、月ごとの表で見積もります。

費用側で自社の数字を入れる項目

費用は、医師・薬剤師・看護職員・介護職員・リハビリ職・介護支援専門員・栄養士などの給与と社会保険料、建物の償却または賃料、食材費、医薬品と介護用品、記録や請求のシステム、研修費に分けて書きます。この記事は、給与や建物の費用の平均値を示しません。求人条件、見積書、契約条件で確かめた自社の数字を入れます。

同じ施設サービスの介護老人保健施設は介護老人保健施設の事業計画書と収支で、組み立てを比べられます。

この記事で確認した範囲

確認したのは、従業者の員数と療養室の設備の基準の原文と、Ⅰ型介護医療院サービス費(Ⅰ)の基本の単位数で、2026年10月30日に読んだ内容です。員数と設備は介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準の第3条から第5条をe-Gov法令検索で、単位数は厚生労働省の告示で確かめました。

各減算の細目、各加算の届出基準、処遇改善加算の率、開設者の要件、医療機関併設型などの特例、ユニット型の設備の基準、都道府県の条例の個別の定め、地域区分ごとの単価の値、給与や建物の費用の平均値は確認しておらず、扱っていません。個別の施設の収支は、自社の数字と、施設を置く都道府県への確認で決めてください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 開設許可を受ける都道府県の窓口に、開設者の要件と許可の手順を確かめる。療養床をⅠ型とⅡ型に分けて仮置きし、療養室の定員が4人以下か、入所者1人当たりの床面積が8平方メートル以上か、地階に設けていないかを、図面で確かめる
  2. Ⅰ型入所者とⅡ型入所者の見込みの数から、医師はⅠ型入所者の数を48で除した数にⅡ型入所者の数を100で除した数を加えた数以上(3に満たないときは3)、看護職員は入所者の数を6で除した数以上、介護職員はⅠ型を5、Ⅱ型を6で除した数の合計以上となる常勤換算の人数を、勤務表で確かめる
  3. 月の収入は、区分と要介護度ごとに、入所者数に1日の単位数を掛けて足し、月の日数を掛ける。入所が定員に届かない月は、入所者数を少なくして見積もる。加算は、届出の見込みがあるものだけを足す
  4. 1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で告示の表から確かめる。医師、薬剤師、看護職員、介護職員の給与、建物の償却または賃料、食材費、医薬品や介護用品は、見積書と求人条件の自社の数字を入れ、入所者が少ない開設直後の月に収入が人件費を下回る期間を月ごとの表で見積もる

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

介護医療院の事業計画書の収入は、何で決まりますか?

Ⅰ型・Ⅱ型などの区分と要介護度で決まる1日の単位数です。Ⅰ型介護医療院サービス費(Ⅰ)の(i)は、要介護1から5まで721・832・1,070・1,172・1,263単位です。月の収入は、区分と要介護度ごとの入所者数に単位数を掛けて足し、月の日数と1単位の単価を掛けて出します。

介護医療院のⅠ型とⅡ型は、事業計画書の何に影響しますか?

基準の第4条第1項は、医師と薬剤師と介護職員の員数を、Ⅰ型入所者とⅡ型入所者の数で別々の式にしています。告示の1日の単位数もⅠ型とⅡ型で異なります。療養床をどちらで何床計画するかで、人件費と収入の両方が変わります。

介護医療院に必要な看護職員は、何人ですか?

基準の第4条第1項は、看護師または准看護師を、常勤換算で入所者の数を6で除した数以上としています。入所者が48人なら8以上です。介護職員はⅠ型入所者の数を5で、Ⅱ型入所者の数を6で除した数の合計以上です。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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