運営 / 更新 2026-10-17
訪問介護にLIFE(科学的介護情報システム)の提出は必要か:対象になる加算の範囲
LIFE(科学的介護情報システム)への提出は、特定の加算を算定するための要件として求められる仕組みです。この記事は、厚生労働省老健局老人保健課長通知(令和6年3月15日老老発0315第4号)と、令和6年3月の留意事項通知の改正の新旧対照表を読み、訪問介護の事業所に提出が必要な場面があるかを確かめるための整理です。個別の事業所の算定の可否や、LIFEの操作方法は扱いません。
LIFEとは:加算の算定要件として提出する仕組み
通知の第1は、LIFEを、介護施設・事業所が利用者の状態や行っているケアの計画・内容などを提出し、入力内容が集計されて、その施設などにフィードバックされる仕組みと説明しています。令和3年度に運用が始まり、令和6年度改定では入力の負担などの課題に対応するために、入力項目の見直しが行われました。
提出が義務になるのは、LIFEへのデータ提出が算定要件になっている加算を算定するときです。通知の第2は、そうした加算で提出する情報を、様式の各項目のうち記入者名や自由記載の箇所などを除いたものとしています。
提出が間に合わなかったときの扱いも通知にあります。たとえば科学的介護推進体制加算では、情報を提出すべき月に提出できない事実が生じたときは、直ちに届出を出し、その月のサービス提供分から提出が行われた月の前月までの間、利用者全員について加算を算定できないと書かれています。
この記事で決めること
訪問介護の事業者が、LIFEへの提出が必要になる加算の範囲を通知で確かめ、自事業所の算定する加算に提出の要件があるかを調べる手順を知るための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、LIFE提出の要否チェック表(算定中・算定予定の加算の一覧と、算定要件の「厚生労働省への情報の提出」「LIFEを用いて行う」の記載の有無・該当する通知の項・提出頻度・訪問リハビリテーション併設の有無)を作成できる状態を目指します。
通知が挙げる加算:訪問介護費の加算は出てこない
通知は、LIFEへの情報提出の頻度と提出情報を、加算ごとに定めています。挙げられている加算は、科学的介護推進体制加算、ADL維持等加算、個別機能訓練加算(Ⅱ)・(Ⅲ)、リハビリテーションマネジメント加算(ロ)・(ハ)、介護予防通所・訪問リハビリテーションの12月減算、リハビリテーションマネジメント計画書情報加算(Ⅰ)・(Ⅱ)と、理学療法・作業療法・言語聴覚療法の注に掲げる加算、短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)、栄養マネジメント強化加算、栄養アセスメント加算、口腔衛生管理加算(Ⅱ)、口腔機能向上加算(Ⅱ)のイとロ、褥瘡マネジメント加算、褥瘡対策指導管理(Ⅱ)、排せつ支援加算、自立支援促進加算、かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅱ)、薬剤管理指導の注2の加算です。
このなかに、訪問介護費の加算に当たる名前はありません。通知の本文に「訪問介護」の語も出てきません。
留意事項通知の令和6年3月の改正の新旧対照表でも、同じ傾向が確かめられます。「訪問介護費」の項にはLIFEへの情報提出を求める記載が出てこず、LIFEの記載が出てくるのは訪問リハビリテーションの項からです。
ただし、新旧対照表は改正された部分を中心に載せていて、改正のなかった部分は「(略)」で省かれます。この資料だけで、訪問介護費の加算にLIFE提出を要件とするものが一つもないと言い切ることはできません。
訪問リハビリテーションを併せて運営する場合
通知の第2の4は、通所リハビリテーションと訪問リハビリテーションでリハビリテーションマネジメント加算(ロ)を算定する場合は、リハビリテーション計画書の項目をLIFEへ提出するとしています。訪問リハビリテーションでは、これに加えて診療未実施減算の算定の有無と、情報提供を行った事業所外の医師の適切な研修の受講状況も提出します。
同じ第2の5は、介護予防訪問リハビリテーションの12月減算でも、リハビリテーションマネジメント加算(ロ)と同じ項目の提出を求めています。訪問介護の事業者が訪問リハビリテーションの指定も受ける場合は、この提出が加わります。
| サービス | 通知・新旧対照表で確かめられること | 提出が必要になる場面 |
|---|---|---|
| 訪問介護 | 通知に「訪問介護」の語はなく、新旧対照表の訪問介護費の項にもLIFEの記載が出てこない | 訪問介護費の加算では確認できない(算定する加算の要件で確かめる) |
| 訪問リハビリテーション | リハビリテーションマネジメント加算(ロ)と介護予防の12月減算で提出項目が定められている(第2の4・5) | それらを算定するとき |
自事業所で確かめる手順
以下は条文の定めではなく、事業所内の進め方の例です。算定している加算と算定を考えている加算を書き出し、その算定要件に「厚生労働省への情報の提出」「LIFEを用いて行う」といった記載があるかを、告示と留意事項通知で一つずつ確かめます。
記載がある加算は、通知のどの項に当たるかを確かめて、提出の頻度と提出情報を事業所の記録の手順に組み込みます。記載がない加算は、LIFEへの提出を理由に新しい作業を起こす必要はありません。
訪問介護の加算ごとの単位数と届出の要否は主な加算の比較表:単位数・算定の単位・届出の要否で、毎月の記録の確認項目は訪問介護の加算 月次自己点検チェックリスト(6加算の記録の確認項目)で整理しています。
他のサービスへ広げるときの指定の主体と人員の比べ方は訪問介護から広げる5サービスの比較:指定の主体・人員・管理者の兼務で確認できます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 事業所が算定している加算と、算定を考えている加算を、チェック表の行に書き出す
- 行ごとに、告示と留意事項通知の算定要件に、厚生労働省への情報の提出やLIFEを用いて行う旨の記載があるかを確かめて書く
- 記載がある加算は、老老発0315第4号のどの項に当たるかと、提出の頻度・提出情報を書き、提出を担当する人と記録の手順を決める
- 訪問リハビリテーションなど、ほかのサービスの指定を受ける予定があるなら、そのサービスの加算も行に加え、都道府県の担当窓口に確かめた日と回答を記録する
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。