運営 / 更新 2026-10-15

訪問介護から広げる5サービスの比較:指定の主体・人員・管理者の兼務

訪問介護の事業者が事業を広げるとき、候補に上がりやすいのは居宅介護支援、通所介護、訪問看護、福祉用具貸与、障害福祉サービスの居宅介護です。このページは、介護保険法、指定居宅サービス等の基準、指定居宅介護支援等の基準、障害福祉サービスの基準の条文で、指定をする主体、置く職員の員数、管理者の兼務の定めを横に並べます。報酬と収支は扱いません。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護の事業者が、居宅介護支援・通所介護・訪問看護・福祉用具貸与・障害福祉サービスへの展開を考えるときに、指定の主体と人員、管理者の兼務の定めを法令で横並びに確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、併設・展開先の比較メモ(候補サービス、指定をする主体、必要な職種と員数、管理者の兼務の可否、指定権者に確認した日)を作成できる状態を目指します。

5つのサービスの比較表:指定をする主体と人員

指定をする主体は、介護保険法で決まっています。居宅サービス事業者の指定は都道府県知事、居宅介護支援事業者の指定は市町村長です。障害福祉サービス事業は、障害者総合支援法で、都道府県知事が指定すると定められています。

人員の定めは、サービスごとに職種が違います。次の表は、基準の条文から、事業所ごとに置く主な職員と、管理者の定めを抜き出したものです。

訪問介護から広げる5つのサービスの比較(各法令・基準の条文、2026-10-15確認)
サービス指定をする主体事業所ごとに置く主な職員管理者
居宅介護支援市町村長常勤の介護支援専門員を1以上。利用者44人またはその端数を増すごとに1常勤で、主任介護支援専門員(やむを得ない理由がある場合は例外あり)
通所介護都道府県知事(利用定員が小さい地域密着型通所介護は市町村長)生活相談員、看護職員、介護職員、機能訓練指導員専らその職務に従事する常勤
訪問看護(訪問看護ステーション)都道府県知事看護職員が常勤換算で2.5以上(1人は常勤)。理学療法士等は実情に応じた適当数専らその職務に従事する常勤の保健師または看護師(やむを得ない理由がある場合は例外あり)
福祉用具貸与都道府県知事福祉用具専門相談員が常勤換算で2以上専らその職務に従事する常勤
障害福祉サービス(居宅介護)都道府県知事従業者と、事業の規模に応じて1人以上のサービス提供責任者(規模ごとの細目は別の定めで確認)専らその職務に従事する常勤

居宅介護支援:利用者数で員数が決まり、管理者は主任介護支援専門員

居宅介護支援は、事業所ごとに常勤の介護支援専門員を1以上置きます。員数の基準は、利用者の数が44またはその端数を増すごとに1です。情報処理システムを利用し、事務職員を配置している場合は、49またはその端数を増すごとに1になります。

管理者は常勤で、主任介護支援専門員でなければなりません。ただし、主任介護支援専門員の確保が著しく困難である等のやむを得ない理由がある場合は、主任でない介護支援専門員を管理者にできます。

管理者は専らその職務に従事しますが、同じ事業所の介護支援専門員の職務に従事する場合と、管理に支障がない場合に他の事業所の職務に従事する場合は例外です。ケアマネジャーとの連携の実務は、ケアマネジャーとの連携で確認できます。

通所介護:4つの職種と、管理者の兼務

通所介護は、生活相談員、看護職員、介護職員、機能訓練指導員を置きます。生活相談員と介護職員は、提供時間帯の勤務時間数や利用者の数に応じた員数で、生活相談員または介護職員のうち1人以上は常勤です。機能訓練指導員は、その事業所の他の職務に従事できます。

管理者は、専らその職務に従事する常勤です。ただし、管理上支障がない場合は、同じ事業所の他の職務や、他の事業所、施設等の職務に従事できます。

通所介護のうち、利用定員が小さいものは地域密着型通所介護にあたり、指定は市町村長が行います。どこからが地域密着型通所介護かは厚生労働省令で定められているため、自社の計画が当てはまるかは、指定を受ける窓口で確認してください。

訪問看護と福祉用具貸与:看護職員の確保と、専門相談員の2人

訪問看護ステーションは、保健師、看護師または准看護師を常勤換算で2.5以上置き、そのうち1人は常勤です。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は、実情に応じた適当数を置きます。管理者は、専らその職務に従事する常勤の保健師または看護師で、やむを得ない理由がある場合だけ例外が認められます。

福祉用具貸与は、福祉用具専門相談員を常勤換算で2以上置きます。管理者は専らその職務に従事する常勤です。

両方とも、管理者は、管理上支障がない場合に、同じ事業所の他の職務や他の事業所、施設等の職務に従事できると定められています。訪問看護との連携の仕組みは、訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護の違いの連携型でも確認できます。

障害福祉サービスの居宅介護:指定の主体は都道府県、基準は別の省令

障害福祉サービスの居宅介護は、介護保険の訪問介護とは別の制度で、基準も別の省令に定められています。指定をする主体は都道府県知事です。

指定居宅介護事業所ごとに従業者を置き、事業の規模に応じて、常勤で専ら居宅介護の職務に従事する従業者のうちからサービス提供責任者を選びます。条文は事業の規模に応じて1人以上と定めています。規模ごとの細目は別の定めにあり、このページでは確認していないため数を書きません。

管理者は、専らその職務に従事する常勤で、管理上支障がない場合は、同じ事業所の他の職務や他の事業所、施設等の職務に従事できます。

このページの範囲と、次に確認すること

このページが確認したのは、介護保険法、指定居宅サービス等の基準、指定居宅介護支援等の基準、障害者総合支援法と障害福祉サービスの基準の条文です。報酬、設備の基準、運営の基準、都道府県と市町村ごとの運用は確認していません。

個々の事業所が人員や兼務の条件を満たすかは、このページでは判断しません。指定を受ける窓口で確認してください。

訪問介護自身の人員は訪問介護の人員基準と配置の計画で、常勤と専ら従事の意味は常勤・専ら従事・勤務延時間数の定義で、サービスを広げる時期の考え方はサービスの段階で確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 展開を考える理由(利用者の紹介元、ケアマネジャーとの関係、既存の職員の資格など)を書き、候補を居宅介護支援、通所介護、訪問看護、福祉用具貸与、障害福祉サービスから2つ以内に絞る
  2. 候補ごとに、指定をする主体(都道府県知事か市町村長か)を比較表で確かめ、指定を受ける窓口と担当者名を控える
  3. 候補ごとに、必要な職種と員数、常勤の定めを、自社の職員で満たせるかを職員名つきで書く。足りない職種は採用の見込みを書く
  4. 管理者を訪問介護の職務と兼ねる場合は、管理上支障がない場合に他の事業所の職務に従事できる定めの範囲に入るかを、指定権者に確認した日と回答とともに控える

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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