指定申請 / 更新 2026-10-25
軽費老人ホームの設備・運営の基準:居室21.6平方メートル・職員配置・居宅サービスの利用
軽費老人ホームは、60歳以上で、家族の援助を受けることが難しい人が、無料または低額な料金で入所する老人福祉法の施設です。入所者が要介護状態になったときは、施設が居宅サービス等を受けるための援助をする定めがあり、訪問介護の事業所が関わる場面があります。この記事は、軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成20年厚生労働省令第107号)の主な条文を、2026年10月25日にe-Govで確かめた範囲で整理したものです。
入所できるのは60歳以上で、家族の援助を受けることが難しい人(省令第2条・第13条)
軽費老人ホームは、無料または低額な料金で入所する施設です。省令第2条は、身体機能の低下等で自立した日常生活に不安があり、家族の援助を受けることが困難な人を入所させ、食事の提供、入浴等の準備、相談及び援助などの便宜を提供する施設と定めています。
入所者の要件は第13条にあり、基本方針に当たる人のうち、60歳以上の人です。配偶者、三親等内の親族、特別な事情で共に入所させる必要があると認められる人は、60歳未満でも入所できます。
条例で定める基準は、都道府県(指定都市と中核市はその市)が定めます。省令の第1条は、職員配置(第11条・第37条)と居室の床面積(第10条第4項第1号ハ・第5項第1号ハ、第36条第4項第1号ハ)などを条例が従うべき基準、都市型の入所定員(第35条)を標準とすべき基準、それ以外を参酌すべき基準と分けています。実際の基準は、施設のある自治体の条例で確かめてください。
この記事で決めること
軽費老人ホームの入所者に関わる訪問介護の事業者が、入所の対象、居室の広さ、職員配置、居宅サービスを受けるための援助を省令で確かめる記事。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、軽費老人ホームの入所者を担当するときの確認メモ(1枚):施設の種類と入所定員、居宅サービスを受けるための施設側の窓口、退所時の情報提供先を作成できる状態を目指します。
設備は居室の床面積21.6平方メートル以上など(省令第10条)
建物は耐火建築物または準耐火建築物とします。都道府県知事等が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する人の意見を聴き、初期消火、早期発見と通報、円滑な避難のいずれかの要件を満たして安全性が確保されていると認めた木造平屋の建物は例外です(第1項・第2項)。
設ける設備は、居室、談話室・娯楽室・集会室、食堂、浴室、洗面所、便所、調理室、面談室、洗濯室または洗濯場、宿直室、事務室などの運営上必要な設備です。他の社会福祉施設等の設備を使うことで効果的な運営を期待でき、サービスに支障がないときは、一部を設けないことができます(第3項)。
居室は、定員1人(サービス提供上必要と認められるときは2人)で、地階には設けません。床面積は21.6平方メートル以上(洗面所、便所、収納設備、簡易な調理設備を除いた有効面積は14.85平方メートル以上)で、2人の居室は31.9平方メートル以上です。居室には、洗面所、便所、収納設備、簡易な調理設備と、緊急の連絡のためのブザーまたはこれに代わる設備を設けます(第4項)。
約10の居室と共同生活室で構成する区画では、居室は15.63平方メートル以上(有効面積13.2平方メートル以上、2人の居室は23.45平方メートル以上)になります(第5項)。施設内に一斉に放送できる設備を置き、居室が2階以上にあるときはエレベーターを設けます(第6項)。
職員は施設長・生活相談員・介護職員・栄養士・事務員・調理員など(省令第11条)
置くべき職員は、下の表のとおりです。入所者の数は前年度の平均値で、新規設置と再開のときは推定数です(第2項)。介護職員の人数は、特定施設入居者生活介護などの提供を受けていない入所者(一般入所者)の数で決まります。
入所定員が40人以下などの施設は栄養士または管理栄養士を、調理を全部委託する施設は調理員を、置かないことができます(第1項ただし書)。生活相談員または介護職員は、例外を使うときでも、いずれか1人は置きます(第9項)。
夜間と深夜の時間帯を通じて、1人以上の職員に宿直または夜間の勤務を行わせます。職員が緊急時に迅速に対応できる体制が整備されている場合は例外です(第13項)。事務員は、入所定員が60人以下か他の社会福祉施設等を併設する施設で、サービスに支障がないときは置かないことができます(第11項)。
| 職種 | 員数 |
|---|---|
| 施設長 | 1(専らその職務に従事する常勤。管理上支障がないときは他の施設の職務も可) |
| 生活相談員 | 入所者120人またはその端数ごとに1以上(うち1人以上は常勤) |
| 介護職員 | 一般入所者が30人以下で常勤換算1以上、30人超80人以下で2以上、80人超で2に実情に応じた適当数を加えた数 |
| 栄養士または管理栄養士 | 1以上 |
| 事務員 | 1以上 |
| 調理員その他の職員 | 施設の実情に応じた適当数 |
入所者が居宅サービス等を受けるための援助と、退所時の情報提供(省令第20条・第14条)
第20条は、入所者が要介護状態等になったとき、心身の状況や置かれている環境等に応じて、適切に居宅サービス等(介護保険法第23条の居宅サービス等)を受けられるよう、施設が必要な援助を行うと定めています。訪問介護の事業所が入所者に関わるときは、まず施設の生活相談員や介護職員に、援助の窓口を確かめます。
入所者が退所するときは、居宅サービス計画や施設サービス計画の作成等の援助に資するため、居宅介護支援事業者や介護保険施設に情報提供するよう、施設が努めます。保健医療サービスや福祉サービスを提供する人とも、密接に連携するよう努めます(第14条第3項)。
軽費老人ホームの職員配置は、特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設の基準とは別に定められています。指定を受ける場合の基準は、特定施設入居者生活介護の指定基準にあります。
小規模な都市型軽費老人ホームは入所定員20人以下(省令第34条〜第37条)
都市型軽費老人ホームは、小規模な軽費老人ホームで、原則として既成市街地等に設置され、都道府県知事が地域の実情を勘案して指定するものです(第34条)。入所定員は20人以下です(第35条)。
居室は、入所者1人当たり7.43平方メートル(収納設備を除く)以上で、定員は1人(必要と認められるときは2人)です(第36条第4項)。職員は、施設長1、生活相談員1以上(常勤)、介護職員が常勤換算で1以上、栄養士または管理栄養士1以上、事務員1以上、調理員その他の職員です(第37条)。夜間と深夜の時間帯の勤務の定めと、緊急時に対応できる体制があるときの例外は、都市型にもあります(第7項)。
確かめた範囲と、次に読む記事
老人福祉法の施設として、有料老人ホームを開設するときの届出は有料老人ホームの設置届出の記事で整理しています。訪問介護の「居宅」に軽費老人ホームの居室が含まれることは、訪問介護を利用できる人の記事で確かめられます。
この記事は、省令の第1条、第2条、第10条、第11条、第13条、第14条、第20条、第34条から第37条を2026年10月25日にe-Govで確かめた内容です。附則の経過措置の施設、費用と利用料、設置の認可と届出の手続き、都道府県の条例の中身、記録・苦情・事故・虐待防止などの運営の条は確かめておらず、書いていません。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 担当する入所者の施設が、都市型軽費老人ホーム(入所定員20人以下)か、それ以外の軽費老人ホームかを、施設の運営事業者に尋ねて記録する。特定施設入居者生活介護の指定を受けているかも、あわせて確かめる
- 施設の生活相談員と介護職員の配置を尋ね、入所者が居宅サービスを受けるときの施設側の窓口と連絡の方法を、利用者ごとの連絡メモに書き込む
- 居室や共用部分で訪問介護を行う場所(居室、共同生活室など)と、調理設備・浴室の使い方を、施設の担当者と事前に打ち合わせて記録する
- 入所者が退所する場合に備え、情報提供を受ける居宅介護支援事業者または介護保険施設の窓口を、施設の担当者に尋ねて連絡メモに残す
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準 第1条・第2条・第10条・第11条・第13条・第14条・第20条・第34条〜第37条」(第1条、第2条第1項、第10条第1項・第3項〜第6項、第11条第1項・第2項・第9項・第13項、第13条、第14条第3項、第20条、第34条〜第37条)(確認日 2026-10-25)