運営 / 更新 2026-10-11
訪問介護のサービス提供票の月次手順:ケアマネから受け取り、実績と突き合わせて請求へ
訪問介護事業所には毎月、居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)から翌月の予定を載せた帳票が届き、月末には実績を突き合わせて請求につなぎます。この帳票は現場では「サービス提供票」と呼ばれますが、厚生労働省の標準様式の通知では、第6表「サービス利用票(兼居宅サービス計画)」と第7表「サービス利用票別表」として定められています。この記事は、通知の記載要領で確認できた範囲で、事業所が書く欄とケアマネジャーが書く欄、差異が出たときの連絡先を整理します。確認日は2026年10月11日です。
この記事で決めること
居宅介護支援事業所から毎月届く月間の予定(サービス利用票・別表)を受け取ってから、実績を記入し、予定との差異を連絡して、請求につなぐまでの月次手順と、誰が何を書くかを確認できるようにするための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、月次の予定・実績突き合わせ表(利用者別の予定回数・実績回数・差異の種類・連絡日・連絡先)を作成できる状態を目指します。
結論:予定はケアマネジャー、実績は提供した事業所が書く
記載要領によると、第6表は居宅サービス計画原案に位置付けられたサービスをもとに、居宅介護支援事業者が月単位で作成し、利用者に交付する様式です。各サービスの行には「予定」と「実績」の欄があり、予定は該当サービスの提供回数(通常は1)を記載します。実績は「サービスを提供した事業所が記載する」とされ、計画を作成する時点での記載は必要ないとされています。
つまり訪問介護事業所の月次の仕事は、届いた予定が自事業所の訪問介護計画と合っているかを月初に確認すること、月末に実績を整理して予定との差異を連絡すること、請求の前に実績を確定することの3つに分かれます。なお、「サービス提供票」という名称そのものは、確認した標準様式の通知にも運営基準の解釈通知にも出てきません。事業所に届く帳票の名称や、実績の返送方法は、居宅介護支援事業所や自治体により違うことがあります。
月次の流れ:受け取りから請求まで
次の表は、月次の手順を時期の順に並べたものです。「通知で確認できること」の列は標準様式の記載要領と運営基準の解釈通知の範囲で、「事業所の運用の例」の列は通知に定めがなく事業所が決める部分です。
| 時期 | やること | 通知で確認できること | 事業所の運用の例 |
|---|---|---|---|
| 月初(対象月の前) | 届いた予定の確認 | 第6表は居宅介護支援事業者が月単位で作成して利用者に交付する。サービス内容・サービス事業者事業所名・予定の回数を記載する | 訪問介護計画の曜日・時間帯・回数と照合し、食い違いを居宅介護支援事業所に連絡する |
| 月中 | 訪問ごとの記録 | 提供時間帯は、サービス提供開始から終了までの予定時刻を24時間制で記載する(第6表⑳) | 毎回の訪問の開始・終了時刻と内容を提供の記録に残し、予定の行と対応づける |
| 月末 | 実績の記入・整理 | 実績は、サービスを提供した事業所が記載する(第6表㉔) | 実績を返送する方法(紙・データ・システム)と期限は居宅介護支援事業所に確認する |
| 月末〜翌月初 | 予定と実績の差異の連絡 | 差異の連絡方法の定めは確認できていない | 差異の種類ごとに連絡先と記録を分ける(次の表) |
| 請求の前 | 実績と請求内容の最終確認 | 居宅介護支援事業者は、法定代理受領サービスの情報を記載した給付管理票を、市町村(国保連に委託している場合は国保連)に毎月提出する(基準第14条) | 自事業所の請求と、給付管理の内容が合うかを確認する。照合の方法は国保連に確認する |
事業所が書く欄とケアマネジャーが書く欄
第6表の欄ごとの書き手を、記載要領の範囲で分けます。保険者番号・被保険者番号・要介護状態区分などは、被保険者証から転記する欄で、居宅介護支援事業所が記載します。事業所の側で確認するのは、自事業所の名称、サービス内容、提供時間帯、予定の回数です。
| 欄 | 記載する人 | 記載要領で確認できる内容 |
|---|---|---|
| 保険者番号・被保険者番号・氏名・要介護状態区分・区分支給限度基準額 | 居宅介護支援事業者 | 被保険者証または資格者証の記載内容を転記する |
| 提供時間帯・サービス内容・サービス事業者事業所名・予定 | 居宅介護支援事業者 | サービス提供開始から終了までの予定時刻、サービスコード表の省略名称、事業所の名称、提供回数を記載する |
| 実績 | サービスを提供した事業所 | 実績を記載する。計画を作成する時点での記載は必要ない |
| 第7表(事業所番号・サービスコード・単位数ほか) | 居宅介護支援事業者 | 第6表の各行から支給限度管理の対象サービスを転記し、事業所番号とサービスコード、単位数を確認して記載する |
予定と実績に差異が出たときの連絡先
確認した通知には、差異が出たときの連絡の方法や期限を直接定めた記載は見つかっていません。次の表は、差異の種類ごとの連絡先と、通知から確認できる点・確認できない点を分けたものです。連絡の期限や様式は、居宅介護支援事業所と取り決めて記録しておきます。
| 差異の類型 | 連絡先 | 通知で確認できる点 | 確認できていない点 |
|---|---|---|---|
| 時間のずれ(予定より短い・長い) | 担当の居宅介護支援事業所のケアマネジャー | 算定する時間区分は計画上の標準的な時間で決まる。詳しくは下に挙げる関連記事で確認できる | ずれた時間を第6表にどう書くかの指定 |
| 日のずれ(予定日と別の日に提供した) | 担当の居宅介護支援事業所のケアマネジャー | 第6表は日付ごとに予定と実績を記載する形式である | 日をずらした場合の記載方法と、計画変更の要否の判断基準 |
| 加算の有無の違い(予定にない加算を算定、予定の加算を算定しなかった) | 担当の居宅介護支援事業所のケアマネジャー。算定要件は指定権者 | サービスコードごとに第7表へ転記される | 加算を追加・削除するときの連絡の期限 |
| 提供しなかった(中止・欠席) | 担当の居宅介護支援事業所のケアマネジャー | 実績は提供した事業所が記載する | 中止分の予定の消し方 |
自治体・国保連で違う運用は個別に確認する
実績の返送方法(紙・データ・システム)、返送の期限、国保連への請求の締め切り、給付管理票との突き合わせで差異が見つかったときの修正の手順は、確認した通知には書かれていません。このため、この記事は期限の日付や様式の名称を断定しません。
迷う個別の事例は、事業所の所在地の指定権者(市区町村または都道府県)、請求の運用は所属する国保連に確認し、回答日と内容を記録してから請求します。
この記事で扱わないこと
請求した後の入金・返戻の流れは訪問介護の国保連請求・入金・返戻の月次サイクル、ケアマネジャーとの日常の連絡と月次報告は訪問介護のサービス提供・ケアマネ連携・月次報告、時間のずれの算定は計画と実際の訪問時間がずれた日の訪問介護の算定と記録:短く終わった日・延びた日で整理しています。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 月初までに居宅介護支援事業所から届いた当月分の予定(サービス利用票・別表)を、自事業所の訪問介護計画と利用者別に突き合わせ、サービス内容・提供時間帯・回数の食い違いを連絡する
- 毎回の訪問の記録から、月末に自事業所分の実績(提供した回数)を予定の行に対応させて整理する
- 予定と実績に差異が出た利用者は、差異の種類(時間・日・加算の有無)を分けて、居宅介護支援事業所に連絡した日と内容を記録する
- 請求の前に、実績と居宅介護支援事業所の給付管理の内容が合っているかを確認し、自治体や国保連の運用で迷う点は所在地の指定権者または国保連に確認した回答日と内容を記録してから請求する
一次資料
制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「居宅サービス計画書標準様式及び記載要領(別紙1。第6表サービス利用票(兼居宅サービス計画)・第7表サービス利用票別表)」(確認日 2026-10-11)
- 厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(平成11年7月29日老企第22号)(抄)」(確認日 2026-10-11)