運営 / 更新 2026-09-28

中山間地域等における小規模事業所加算(訪問介護・10%)の算定要件と令和7年5月の弾力化

中山間地域等における小規模事業所加算は、厚生労働大臣が定める地域に所在し、1月当たりの延べ訪問回数が200回以下という施設基準に適合するとして都道府県知事に届け出た訪問介護事業所が、1回につき所定単位数の100分の10を加算する制度です。令和7年5月の算定分から、訪問介護に限り当分の間、訪問回数と所在地の要件が弾力化されています。

この記事で決めること

訪問介護の中山間地域等における小規模事業所加算について、対象地域・延訪問回数200回以下の判定方法・令和7年5月からの弾力化・届出と併算定の可否を一次資料で確認し、自事業所が届出を検討できるか判断するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、中山間地域等における小規模事業所加算の届出前確認表(所在地・月別延訪問回数・弾力化の該当・併算定)を作成できる状態を目指します。

告示が定める算定要件と加算率(所定単位数の100分の10)

算定の根拠は、指定居宅サービス介護給付費単位数表の訪問介護費の注14です。別に厚生労働大臣が定める地域に所在し、かつ別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして、電子情報処理組織を使用する方法により都道府県知事に老健局長が定める様式で届出を行った事業所の訪問介護員等が指定訪問介護を行った場合に、1回につき所定単位数の100分の10に相当する単位数を加算します。事業所の一部として使用される事務所が当該地域に所在しない場合は、その事務所は対象から除かれます。

施設基準は「厚生労働大臣が定める施設基準」(平成27年厚生労働省告示第96号)の第一号で、1月当たり延べ訪問回数が200回以下の指定訪問介護事業所であることと定められています。

注14にはただし書があり、特定事業所加算(Ⅴ)(注10(5))を算定している場合はこの加算を算定できません。特定事業所加算の区分ごとの要件は「訪問介護の特定事業所加算の区分と要件」で確認できます。

対象地域は5類型から特別地域加算の地域を除いた地域

対象地域は「厚生労働大臣が定める中山間地域等の地域」(平成21年厚生労働省告示第83号)の第一号に定められています。一単位の単価の告示(平成27年厚生労働省告示第93号)第二号の「その他の地域」であって、豪雪地帯・特別豪雪地帯、辺地、半島振興対策実施地域、特定農山村地域、過疎地域のいずれかに該当する地域から、特別地域訪問介護加算の対象地域(平成24年厚生労働省告示第120号)を除いた地域です。

ただし令和7年5月の算定分からは、訪問介護費に限り当分の間、「その他の地域」以外の地域に所在する事業所でも算定できる取扱いが加わりました(次の節)。自事業所の所在地が5類型のどれに当たるかは、都道府県が公表している対象地域の一覧で確認します。

延訪問回数200回以下の判定方法と令和7年5月からの弾力化

留意事項通知(平成12年老企第36号)は、延訪問回数を前年度(3月を除く)の1月当たりの平均延訪問回数と定めています。前年度の実績が6月に満たない事業所(新たに事業を開始し、又は再開した事業所を含む)は、直近の3月における1月当たりの平均延訪問回数を用います。このため、新たに事業を開始し又は再開した事業者は、4月目以降に届出が可能になります。

令和7年5月2日の介護保険最新情報Vol.1382で留意事項通知が改正され、訪問介護費については、当分の間、前年度のいずれかの月における総訪問回数が概ね200回以下である場合も算定できることになりました。通知は「概ね200回」を400回程度と想定し、例として前年度の平均延訪問回数が600回以下の事業所等も対象となり得ると示しています。あわせて、当分の間、一単位の単価告示の第2号「その他の地域」以外の地域に所在する事業所でも算定できるとされました。改正後の取扱いは令和7年5月の算定分から適用されています。

これらの弾力化は「当分の間」の取扱いで、令和8年度の報酬改定で変更されたかどうかは当サイトでは一次資料で確認できていません。届出前に指定権者の最新の案内で確認してください。

訪問介護の小規模事業所の判定(告示と留意事項通知)
項目内容根拠
施設基準1月当たり延べ訪問回数が200回以下平成27年厚生労働省告示第96号 第一号
平均の取り方前年度(3月を除く)の1月当たりの平均延訪問回数老企第36号
前年度の実績が6月未満直近3月の1月当たりの平均延訪問回数(4月目以降に届出可能)老企第36号
令和7年5月からの弾力化(当分の間)前年度のいずれかの月の総訪問回数が概ね200回以下(400回程度を想定)でも算定可介護保険最新情報Vol.1382
所在地の弾力化(当分の間)「その他の地域」以外に所在する事業所でも算定可介護保険最新情報Vol.1382

中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算・特別地域加算との違い

名前の似た加算が2つあります。特別地域訪問介護加算(注13)は、別の告示で定める特別地域に所在する事業所に所定単位数の100分の15を加算するものです。中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算(注15)は、厚生労働大臣が定める地域に居住する利用者に通常の事業の実施地域を越えて提供した場合に100分の5を加算するもので、事業所の所在地ではなく利用者の居住地で判断します。どちらも特定事業所加算(Ⅴ)を算定している場合は算定できません。

厚生労働省の平成21年4月改定関係Q&A(Vol.1)問11は、小規模事業所加算の対象地域にある事業所が、通常の事業の実施地域を越えて別の中山間地域等に居住する利用者にサービスを提供する場合は、小規模事業所加算(10%)とサービス提供加算(5%)を併せて算定できると回答しています。3つの加算の対象地域と併算定の整理は「訪問介護のシミュレーターが計算しない加算・減算の範囲」にもまとめています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 事業所の所在地が都道府県の対象地域一覧で中山間地域等の5類型に当たるか、特別地域加算の対象地域でないかを確認する
  2. 前年度(3月を除く)の月別延訪問回数を記録し、1月当たりの平均が200回以下か、弾力化の条件(いずれかの月の総訪問回数が概ね200回以下)に当たるかを確認する
  3. 特定事業所加算(Ⅴ)を算定していないか、中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算と併せて算定する利用者がいるかを整理する
  4. 令和8年度改定後も弾力化の取扱いが続いているかと届出の様式・締切りを指定権者の案内で確認し、回答を記録する

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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