運営 / 更新 2026-10-26
特養の看取り介護加算:死亡日までの日数別の単位数とⅠ・Ⅱの違い
特別養護老人ホームの看取り介護加算は、死亡日以前45日から、死亡日に近づくほど1日の単位数が大きくなる加算です。加算Ⅰは72・144・680・1,280単位、施設内で死亡した場合に限るⅡは72・144・780・1,580単位です。この記事では、告示にある日数別の単位数、施設基準の5項目、対象になる入所者の3条件を整理します。
この記事の要点
- 日数別の単位数
- 加算Ⅰは死亡日以前31〜45日が72、4〜30日が144、前日・前々日が680、死亡日が1,280単位(1日につき。告示第21号 介護福祉施設サービス ヨ 注1)
- 加算Ⅱ
- 施設内で死亡した場合に限り、前日・前々日が780、死亡日が1,580単位(72・144単位の期間はⅠと同じ)。配置医師緊急時対応加算の施設基準も必要
- 対象の入所者
- 医師が回復の見込みがないと診断し、介護の計画と看取りの指針に基づく説明を受けて同意している入所者(告示第94号 第四十八号)
告示のヨが定める日数別の単位数
指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)別表の介護福祉施設サービスのヨが、この加算を定めています。届出を行った特別養護老人ホームが、対象の入所者に看取り介護を行った場合に、死亡月にまとめて加算します。2026年10月26日に、厚生労働省が掲載する告示の本文で確かめました。
加算Ⅱは、その入所者が施設内で死亡した場合に限って算定できる区分です。加算Ⅰには、退所した日の翌日から死亡日までの間は算定しないというただし書きがあります。
| 死亡日からの日数 | 加算Ⅰ(1日) | 加算Ⅱ(1日、施設内での死亡に限る) |
|---|---|---|
| 死亡日以前31日以上45日以下 | 72単位 | 72単位 |
| 死亡日以前4日以上30日以下 | 144単位 | 144単位 |
| 死亡日の前日及び前々日 | 680単位 | 780単位 |
| 死亡日 | 1,280単位 | 1,580単位 |
この記事で決めること
特別養護老人ホームの事業者が、看取り介護加算の死亡日までの日数別の単位数、加算ⅠとⅡの違い、届出の施設基準、対象となる入所者の条件を告示の原文で確かめたい人向け。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、特別養護老人ホームの看取り介護加算の確認表(1枚):入所者ごとの医師の診断の日付、計画への同意の日付、死亡日と施設内での死亡かどうか、日数別の算定日の一覧、施設基準5項目の整備状況、確認日を作成できる状態を目指します。
45日分をすべて算定した場合の単位数の目安
日数別の単位数を足すと、加算Ⅰは7,608単位、加算Ⅱは8,108単位になります。45日前から31日前の15日間で1,080単位、30日前から4日前の27日間で3,888単位は、ⅠもⅡも同じです。残りは、前日と前々日の2日間と死亡日の分で、Ⅰが2,640単位、Ⅱが3,140単位です。
この数字は、告示の単位数を日数に掛けて足しただけの目安です。実際には、算定する日の数、入院や外泊の有無、地域区分の単価で変わります。
施設基準の5項目と、加算Ⅱの追加条件
届出に必要な施設基準は、厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年厚生労働省告示第96号)の第五十四号が、第四十五号を準用して定めています。加算Ⅰは5項目です。常勤の看護師を1名以上配置し、24時間連絡できる体制を確保すること、看取りの指針を定めて入所の際に入所者または家族へ説明し同意を得ること、医師などの協議で指針を適宜見直すこと、看取りに関する職員研修を行うこと、看取りを行う際に個室または静養室を使えるよう配慮することです。
加算Ⅱは、この5項目のすべてに加えて、配置医師緊急時対応加算の施設基準に当てはまることが条件です。その基準では、配置医師と施設の間の具体的な取決めと、複数名の配置医師などによる24時間対応の体制が求められています。配置医師緊急時対応加算の単位数は特別養護老人ホームの単位数にあります。
| 項目 | 内容 | 加算Ⅰ | 加算Ⅱ |
|---|---|---|---|
| (1) | 常勤の看護師を1名以上配置し、24時間連絡できる体制を確保する | 必要 | 必要 |
| (2) | 看取りの指針を定め、入所の際に入所者または家族へ説明して同意を得る | 必要 | 必要 |
| (3) | 医師、生活相談員、看護職員、介護職員、管理栄養士、介護支援専門員などの協議で、実績を踏まえ指針を適宜見直す | 必要 | 必要 |
| (4) | 看取りに関する職員研修を行う | 必要 | 必要 |
| (5) | 看取りを行う際に個室または静養室を使えるよう配慮する | 必要 | 必要 |
| 追加 | 配置医師緊急時対応加算の施設基準に当てはまる | 不要 | 必要 |
対象になる入所者の3条件
対象の入所者は、告示第94号(厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等)の第六十一号で、第四十八号の入所者と定められています。条件は3つで、すべてに当てはまる必要があります。
1つ目は、医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがないと診断したこと、2つ目は、医師、生活相談員、看護職員、管理栄養士、介護支援専門員などが共同で作った介護の計画について、説明を受けて同意していることです。3つ目は、看取りの指針に基づく介護について、状態や家族の求めに応じて随時説明を受け、同意したうえで介護を受けていることです。2つ目と3つ目は、家族が説明を受けて同意する場合も含みます。
事業所で確かめる順番:施設基準、入所者の同意、死亡日からの数え方
最初に、常勤の看護師、24時間の連絡体制、看取りの指針、見直しの記録、職員研修、個室または静養室の配慮が、届出の前にそろっているかを確かめます。次に、入所者ごとに、医師の診断の日付、計画への同意、指針に基づく説明と同意の記録を並べ、死亡日から数えた日数別の算定日を書き出します。
施設内で死亡したかどうかで、加算ⅠとⅡのどちらに当たるかが分かれます。届出の様式と時期、記録の書式は都道府県などの指定権者に確かめてください。夜勤の配置の加算は特養の夜勤職員配置加算に、運営規程は特別養護老人ホームの運営規程にまとめています。
この記事で確認した範囲
2026年10月26日に、厚生労働省が掲載する告示(平成12年厚生省告示第21号の介護福祉施設サービスのヨ、同第96号の第五十四号と第五十四号の二、同第94号の第六十一号)と、それらが準用する条文の本文を確認しました。単位数、施設基準、入所者の条件を写しています。
留意事項通知の細かな運用や、看取りの指針・同意書・記録の書式は、この記事では扱っていません。特定施設の看取り介護加算は別の告示の区分です。実際の算定は指定権者の判断によるため、算定を保証する記事ではありません。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 入所者ごとに、医師が回復の見込みがないと診断した日付と、医師等が共同で作成した介護の計画への本人または家族の同意の日付を書く
- 死亡日から数えて、45日前から31日前、30日前から4日前、前々日と前日、死亡日の4つの期間に日付を分け、期間ごとの単位数を並べる
- 施設内で死亡したかを確かめ、加算Ⅱの対象になるか、Ⅰにとどまるかを分ける
- 常勤の看護師の配置、看取りの指針、指針の見直し、職員研修、個室または静養室の配慮を確かめ、届出の様式と時期は都道府県へ確かめる
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)別表 1 介護福祉施設サービス イ〜マと注」(別表 1 介護福祉施設サービス イ 介護福祉施設サービス費、ロ ユニット型介護福祉施設サービス費、注1〜注23、ハ 初期加算〜ヤ サービス提供体制強化加算(ナ 褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)3単位・(Ⅱ)13単位、ラ 排せつ支援加算(Ⅰ)10単位・(Ⅱ)15単位・(Ⅲ)20単位を含む。いずれも1月につき)、マ 介護職員等処遇改善加算(1ページ目))(確認日 2026-10-19)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年厚生労働省告示第96号)第五十四号(指定介護福祉施設サービスにおける看取り介護加算)・第四十五号・第四十四号の二」(第五十四号(第四十五号の規定を準用)イ(1)〜(5)(看取り介護加算Ⅰ)・ロ(看取り介護加算Ⅱ)、第五十四の二号(配置医師緊急時対応加算。第四十四号の二を準用))(確認日 2026-10-26)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(平成27年厚生労働省告示第94号)第六十一号(介護福祉施設サービスのヨの注1・注2)・第四十八号」(第六十一号(介護福祉施設サービスのヨの注1及び注2の入所者は第四十八号に規定する入所者)、第四十八号 イ・ロ・ハ)(確認日 2026-10-26)