運営 / 更新 2026-10-13

訪問介護員の育児時間と生理休暇:請求できる時間、賃金の扱い、日数の制限

女性の訪問介護員から、育児時間や生理休暇を請求されることがあります。どちらも労働基準法に定めがあり、育児時間は請求があれば与える必要があり、生理休暇は就業が著しく困難な場合に請求できます。このページは、請求できる時間、賃金を支払う義務の有無、証明の求め方、日数の制限の可否を、条文と厚生労働省の資料で整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護事業所の経営者や管理者が、女性の訪問介護員から育児時間や生理休暇を請求されたときに、請求できる時間、賃金を支払う義務の有無、証明の求め方、日数の制限の可否を、労働基準法と厚生労働省の資料で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、育児時間・生理休暇の対応票(請求の受け方、育児時間を与える時間帯の決め方、賃金の扱い、証明の求め方、就業規則の記載の確認結果)を作成できる状態を目指します。

育児時間の長さと与え方(1日2回各30分以上)

労働基準法第67条は、生後満1年に達しない生児を育てる女性は、休憩時間のほかに、1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てるための時間を請求できると定めています。使用者は、育児時間中はその女性を使用してはなりません。

厚生労働省の資料によると、生児には実子のほか養子を含み、育児時間をいつ与えるかは当事者間にまかされています。育児時間は勤務の途中に限らず、勤務時間の始めや終わりに請求することもできます。第67条の違反は、第119条第1号により、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象に含まれます。

育児時間と生理休暇の賃金の扱い(有給の義務の有無)

育児時間中の賃金について、厚生労働省のQ&Aは、労基法上は有給にすることが義務づけられていないため、就業規則などで定めるところによるとしています。生理休暇の賃金も、有給でも無給でも差し支えないとされています。

賃金の扱いが法律で決まっていないため、事業所の就業規則や賃金規程にどう書くかが、トラブルを防ぐ点になります。書かれていない場合は、請求があったときに困らないよう、あらかじめ定めておくことを検討します。

育児時間と生理休暇の比べ方(労働基準法、厚生労働省の資料、2026-10-13確認)
項目育児時間(第67条)生理休暇(第68条)
対象生後満1年に達しない生児を育てる女性生理日の就業が著しく困難な女性
請求できる量1日2回、各々少なくとも30分法律に日数の定めはなく、半日や時間単位の請求もあり得る
賃金労基法上は有給にする義務がなく、就業規則などで定める有給でも無給でも差し支えない

生理休暇の証明の求め方と日数の制限

第68条は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならないと定めています。厚生労働省の資料は、単に生理であることだけで請求できるのではなく、現実に就業が著しく困難な状態にある場合の休暇だと説明しています。第68条の違反は、第120条第1号により30万円以下の罰金の対象に含まれます。

証明については、医師の診断書のような厳格な証明を求めず、事実であることが推断できれば足りるとされ、例として同僚の証言程度の簡単な証明が挙げられています。日数は、就業規則その他で限定することが許されていません。ただし、有給とする日数を限定する趣旨であり、生理休暇自体は有給の日数以上に与えることが明らかであれば差し支えないとされています。

訪問介護で請求を受けたときに決めておくこと

訪問介護の勤務は、利用者の訪問時刻に合わせて勤務表が組まれます。育児時間は始めや終わりにも請求できるため、請求を受けたら、本人と話し合って時間帯を決め、勤務表に反映します。法令の範囲内で、どの時間帯に与えるかは当事者間で決めます。

生理休暇の請求を受けたときは、半日や時間単位の請求もあり得ることを前提に、請求の受け方を決めておきます。就業規則に日数の制限が書かれていないかを点検し、個別の判断は社会保険労務士や労働基準監督署に確認してください。

このページの範囲と、あわせて確認するページ

このページが確認したのは、労働基準法第67条・第68条・第119条・第120条と、厚生労働省のQ&Aおよび生理休暇についての資料です。個々の請求が要件に当たるかや、賃金をどう定めるかは判断しません。

産前産後の休業は訪問介護員の産前産後休業で、育児休業などの制度は育児・介護休業の義務で、年次有給休暇は年次有給休暇の管理で確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 就業規則に、育児時間と生理休暇の定めがあるかを確認する。ない場合は、請求があったときの受付先と受け方を決めて対応票に書く。賃金の扱い(有給か無給か)は労基法上の義務がないため、事業所の定めとして書く
  2. 育児時間の請求があったとき、生後1年に満たない子を育てる女性か、1日2回各30分以上の時間をいつ与えるかを本人と話し合って決める。勤務の途中だけでなく、始めや終わりに請求できることを踏まえて、勤務表への反映方法を書く
  3. 生理休暇の請求があったとき、暦日単位に限らず半日や時間単位の請求もあり得ることを前提に、請求の受け方を決める。証明を求める場合でも、診断書のような厳格な証明は求めず、同僚の証言程度で足りるとされていることを確認する
  4. 生理休暇の日数を就業規則で限定していないかを点検する。有給とする日数だけを限定する書き方は差し支えないとされているため、有給の日数と休暇そのものの日数を分けて書けているかを、社会保険労務士に確認する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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