運営 / 更新 2026-10-24

療養通所介護の指定基準:定員18人以下・専用の部屋は6.4平方メートル×定員以上

療養通所介護は、難病などの重度の人やがん末期の人で、サービスを受けている間も常に看護師による観察が必要な人が通う、地域密着型通所介護の一つです。この記事は、通所介護や訪問看護を調べる人が、療養通所介護の基準を確かめるときのために、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)の第38条から第40条の15までと介護保険法第78条の2を読み、対象者、従業者、管理者、利用定員、設備、連携と緊急時の決まりを整理したものです。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

指定するのは市町村長:対象は常時看護師による観察が必要な人

介護保険法第78条の2第1項は、地域密着型サービス事業者の指定を、事業所ごとに市町村長が行い、指定した市町村長がその長である市町村の被保険者への給付について効力を持つと定めています。療養通所介護は地域密着型通所介護の一つなので、指定をするのは原則として事業所のある市町村の長です。例外の扱いは、この記事では読んでいません。

基準第38条は、療養通所介護を、難病等を有する重度要介護者またはがん末期の人で、サービス提供に当たり常時看護師による観察が必要な人を対象に、療養通所介護計画に基づき、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話と機能訓練を行うものと定めています。一般の通所介護の基準とは別の節で定められています。

基準第39条は、基本方針を、要介護状態になっても、可能な限り居宅で自立した日常生活を営めるよう生活機能の維持または向上を目指し、利用者の社会的孤立感の解消、心身の機能の維持、家族の身体的・精神的負担の軽減を図ることとしています。主治の医師と、利用者が使っている訪問看護事業者等との密接な連携に努めることも求めています。

この記事で決めること

難病やがん末期などの重度の利用者が通う療養通所介護を調べる人向け。看護職員・介護職員の員数、管理者が看護師であること、利用定員、専用の部屋の広さ、主治の医師や訪問看護事業者との連携、緊急時対応医療機関の決まりを、条文で確かめる。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、療養通所介護の基準との比較表(利用定員18人以下の確認・利用者1.5人に対する従業者数と常勤の看護師1人以上の確認・管理者が看護師であることの確認・専用の部屋の面積と6.4平方メートルに利用定員を掛けた面積・主治の医師と訪問看護事業者との連携の相手・緊急時対応医療機関の候補・市町村の窓口に確かめた日と回答)を作成できる状態を目指します。

従業者と管理者:利用者1.5人に対し従業者1以上、うち常勤の看護師1人以上

基準第40条第1項は、看護職員または介護職員(療養通所介護従業者)の員数を、利用者の数が1.5に対し、提供時間帯を通じて専ら療養通所介護の提供に当たる従業者が1以上確保されるために必要と認められる数以上と定めています。

同条第2項は、その従業者のうち1人以上は、常勤の看護師で、専ら療養通所介護の職務に従事する者でなければならないとしています。

基準第40条の2は、事業所ごとに、専らその職務に従事する常勤の管理者を置くとしています。事業所の管理上支障がなければ、その事業所の他の職務や、他の事業所、施設等の職務に従事できます。管理者は看護師でなければならず、適切な療養通所介護に必要な知識と技能を持つ者です。

利用定員と設備:定員は18人以下、専用の部屋は6.4平方メートル×利用定員以上

基準第40条の3は、利用定員(同時にサービスを受けられる利用者の数の上限)を18人以下と定めています。

基準第40条の4は、療養通所介護を行うのにふさわしい専用の部屋と、消火設備その他の非常災害に必要な設備、サービスの提供に必要な設備と備品等を備えるとしています。専用の部屋の面積は、6.4平方メートルに利用定員を掛けた面積以上です。たとえば利用定員が9人なら57.6平方メートル以上です。

これらの設備は、利用者へのサービスに支障がなければ、療養通所介護以外にも使えます。夜間と深夜に療養通所介護以外のサービスを提供するときは、その内容を提供の開始前に、指定した市町村長へ届け出ます(同条第3項・第4項)。

連携と緊急時:主治の医師・訪問看護事業者・緊急時対応医療機関

基準第40条の8第6号は、利用者の体調の変化に応じたサービスを提供できるよう、利用者の主治の医師や、利用者が使っている訪問看護事業者等との密接な連携を図り、提供方法や手順の情報を十分に共有することを求めています。

基準第40条の9は、管理者が、目標とサービスの内容を書いた療養通所介護計画を作ることを求めています。居宅サービス計画が既にあればその内容に沿って作り、訪問看護計画書が既にあればその内容との整合を図ります。内容を利用者または家族に説明して同意を得て、計画を利用者に交付します。

基準第40条の10は、病状が急変した場合に備え、主治の医師とともに、緊急時等の対応策を利用者ごとにあらかじめ定め、利用者と家族に十分に説明することを求めています。基準第40条の13は、緊急時対応医療機関をあらかじめ定めることを求めています。その医療機関は、事業所と同一の敷地内にあるか、隣接または近接していなければならず、円滑な協力を得るために必要な事項を取り決めておきます。

基準第40条の14は、地域の医療関係団体に属する人や、保健・医療・福祉の専門家などで構成する安全・サービス提供管理委員会を置き、おおむね6月に1回以上開いて、事故事例などのデータを集め、安全に提供するための方策を検討し、結果を記録することを求めています。

基準第40条の15第2項は、療養通所介護計画、安全・サービス提供管理委員会の検討の結果の記録、提供したサービスの内容の記録、身体的拘束等の記録、苦情の記録、事故の状況と処置の記録などを、完結の日から2年間保存することを求めています。

条文の内容の一覧

ここまでの条文を、項目ごとにまとめます。報酬の単位数と、指定申請の手順は、この記事では読んでいません。

療養通所介護の主な基準(地域密着型サービス基準第38条〜第40条の4・第40条の13・第40条の14、介護保険法第78条の2)
項目基準の内容条文
指定する者事業所ごとに市町村長(原則として事業所のある市町村の長)。指定した市町村長の市町村の被保険者への給付について効力法第78条の2
対象者難病等を有する重度要介護者またはがん末期の人で、常時看護師による観察が必要な人基準第38条
従業者利用者1.5人に対し、提供時間帯を通じて専ら従事する看護職員または介護職員が1以上。うち1人以上は常勤の看護師基準第40条
管理者専らその職務に従事する常勤。看護師であること基準第40条の2
利用定員18人以下基準第40条の3
専用の部屋6.4平方メートル×利用定員以上基準第40条の4
緊急時対応医療機関あらかじめ定める。同一敷地内か隣接・近接基準第40条の13
安全・サービス提供管理委員会おおむね6月に1回以上開催し、結果を記録基準第40条の14

確かめる順番

訪問看護や通所介護の事業者が療養通所介護を考えるときは、看護師の確保と、緊急時対応医療機関の候補を先に確かめます。指定の手順と市町村独自の決まりは、この記事では読んでいません。事業所を置く市町村の担当窓口に確かめてください。

訪問看護の基準は「訪問看護ステーションの指定基準:看護職員の員数・管理者・設備(基準第60条〜第62条)」、通所介護の人員の決まりは「通所介護の人員基準:介護職員は利用者15人まで1以上、超える5人ごとに加算」、通所介護の単位数は「通所介護費の単位数:通常規模型7〜8時間は要介護1で658単位・入浴介助加算40単位」で読めます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 考える利用定員(18人以下)を書き、利用者1.5人に対して提供時間帯を通じて専ら提供に当たる看護職員または介護職員が1以上になる人数を計算し、そのうち1人以上が常勤の看護師で専ら従事できるかを書く
  2. 管理者の候補が看護師で、専らその職務に従事する常勤の者か、管理上支障がないときの兼務の予定があるかを書く
  3. 専用の部屋の面積を、6.4平方メートルに利用定員を掛けた面積と比べ、消火設備その他の非常災害に必要な設備と、提供に必要な備品を書く
  4. 主治の医師、利用者が使う訪問看護事業者、緊急時対応医療機関(同一敷地内か隣接・近接)の候補を書き、緊急時等の対応策を利用者ごとに主治の医師と決める流れ、安全・サービス提供管理委員会(おおむね6月に1回以上)の構成を決める。指定は市町村長が行うので、予定する所在地の市町村の窓口に確かめた日と回答を記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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