運営 / 更新 2026-10-20

訪問介護員の出生後休業支援給付金:13%上乗せ(給付率80%)の条件と事業主の手続き

子の出生後に育児休業や産後パパ育休を取るヘルパーは、育児休業給付金などに加えて、出生後休業支援給付金が上乗せされる場合があります。上乗せの額は休業開始時賃金日額の13%で、もとの給付と合わせて給付率は80%になります(賃金日額の上限額の範囲内です)。厚生労働省のパンフレットで、支給の条件、給付額、事業主が行う申請の流れを確認します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

出生後休業支援給付金とは。単独では支給されない

出生後休業支援給付金は、出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給を受ける人が一定の要件を満たしたときに、上乗せで支給される給付金です。2025年4月1日に創設されました。

もとの給付金が就労や賃金の支払いのために支給されない場合は、出生後休業支援給付金も支給されません。母親の産前産後の休みに支給される出産手当金は、ハローワークではなく、加入している健康保険の運営機関に問い合わせます(訪問介護員の産前産後休業:労働基準法第65条の期間と、社会保険料の免除・出産手当金)。

この記事で決めること

訪問介護事業所の経営者や、子の出生後に育児休業を取るヘルパーが、育児休業給付金や出生時育児休業給付金に上乗せされる出生後休業支援給付金の対象になる条件(14日以上の休業・配偶者の要件)、給付額(賃金の13%)、事業主の申請の流れを、厚生労働省のパンフレットで確認するため。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、出生後休業支援給付金の確認記録(休業の日数・配偶者の育児休業の取得状況または配偶者の育児休業を要件としない場合の区分・申請の期限)を作成できる状態を目指します。

支給の条件。14日以上の休業と、配偶者の要件

1つ目の条件は、対象期間に、給付金が支給される育児休業を通算して14日以上取得することです。対象期間は、父親(または養子の場合)は子の出生日または出産予定日の早い日から、遅い日から数えて8週間を経過する日の翌日までです。母親で産後休業をした場合は、16週間を経過する日の翌日までです。

出生時育児休業給付金が支給される産後パパ育休の日数も、14日の通算に入ります。

2つ目の条件は、配偶者についてです。配偶者が、出生日または出産予定日の早い日から8週間を経過する日の翌日までの期間に通算14日以上の育児休業を取るか、子の出生日の翌日に「配偶者の育児休業を要件としない場合」のいずれかに当たる必要があります。配偶者が公務員のときは、法律に基づく請求による育児休業が対象です。

配偶者の育児休業を要件としない場合(厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」)
番号内容
1配偶者がいない(行方不明の場合は、勤務先で3か月以上無断欠勤が続いている場合などに限る)
2配偶者が被保険者の子と法律上の親子関係がない
3被保険者が配偶者から暴力を受け別居中
4配偶者が無業者
5配偶者が自営業者やフリーランスなど、雇用される労働者でない
6配偶者が産後休業中
71〜6以外の理由で、配偶者が育児休業をすることができない

給付額は賃金日額の13%。賃金を払ったときの扱い

支給額は、休業開始時賃金日額に休業期間の日数(28日が上限)を掛け、13%を乗じた額です。出生時育児休業給付金や育児休業給付金は67%で、合わせて80%になります。休業開始時賃金日額の上限は16,540円で、令和9年7月31日までの額です。

パンフレットは、休業開始時賃金日額が10,000円で14日間の産後パパ育休を取り、賃金が払われない場合の例を示しています。出生時育児休業給付金が93,800円、出生後休業支援給付金が18,200円です。この数字は計算式に仮の金額を当てはめた例で、実在の人の計算ではありません。

出生時育児休業の期間に事業主が賃金を払ったときの扱い(パンフレットの整理)
払われた賃金(休業開始時賃金日額×休業日数に対して)出生時育児休業給付金出生後休業支援給付金
13%以下減額されない減額されない
13%超〜80%未満80%に満たない分の差額が支給(賃金の分だけ減る)減額されない
80%以上支給されない支給されない

事業主の申請の流れ

出生時育児休業給付金と出生後休業支援給付金は、被保険者を雇用する事業主が、事業所を管轄するハローワークに一体的に申請するのが原則です。やむを得ない理由があるときや本人が希望するときは、本人が申請することもできます。

出生時育児休業の場合の申請期限は、申請開始日から2か月を経過する日の属する月の末日です。申請開始日は、子の出生日(出産予定日前の出生は出産予定日)から8週間を経過する日の翌日で、休業が28日に達したときは達した日の翌日、2回目の休業をしたときはその終了日の翌日です。

育児休業給付金の2回目以降の支給申請は、原則として2か月に一度行います。受給資格の確認の時点で、配偶者の育児休業の取得状況や、配偶者の育児休業を要件としない場合に当たることを確認できなかったときは、出生後休業支援給付金の支給申請書を別に出し、確認書類を添えます。

確かめた資料と確認できていないこと

この記事は、2026年10月20日に、厚生労働省の「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(2026年8月1日改訂版)を読んで書きました。育児休業給付金・出生時育児休業給付金そのものの要件、個人ごとの給付額の試算、受給できるかどうかの判断は扱っていません。

給付の可否や金額は、個人の雇用保険の加入状況や賃金、配偶者の状況によって変わります。迷う点は、事業所を管轄するハローワークや社会保険労務士に確認してください。復職後に時短で働くときの給付は育児で時短勤務するヘルパーの育児時短就業給付金:賃金の10%・2歳未満・申請の期限、育児休業の申出は訪問介護事業所の育児休業・介護休業・看護休暇:申出を拒めない場面と労使協定で除外できる範囲で確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 子の出生後に育児休業や産後パパ育休を取りたい職員から申出があったとき、出生日または出産予定日と、取得予定の休業日数を記録する。育児休業給付金または出生時育児休業給付金の対象の休業であることも確認する
  2. 対象期間(父親は出生日または出産予定日の早い日から8週間を経過する日の翌日まで、母親は16週間を経過する日の翌日まで)に、休業が通算14日以上になるかを確かめる
  3. 配偶者が14日以上の育児休業を取るか、配偶者の育児休業を要件としない場合に当たるかを、職員に確認して記録する。該当する場合の確認書類は、パンフレットの案内に沿って揃える
  4. 申請書の提出時期と、給付金の支給額に関わる賃金の支払いの有無を記録に書き、金額は職員の個別の試算を事業所では判断せず、ハローワークの案内を伝える

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

出生後休業支援給付金は、育児休業給付金とは別に申請するのですか?

出生後休業支援給付金は、出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給を受ける人に上乗せで支給される給付金で、単独では支給されません。原則として、受給資格の確認や支給申請の書類で一体的に申請します(厚生労働省のパンフレット)。

配偶者が育児休業を取らなくても、支給されますか?

子の出生日の翌日に、配偶者がいない、配偶者が無業者、自営業者やフリーランスなど雇用される労働者でない、配偶者が産後休業中などの場合は、配偶者が育児休業を取っていなくても要件を満たします。該当するかどうかは、申告書と確認書類で確かめます。

休業中に事業所から賃金を払うと、給付金は減りますか?

出生時育児休業期間に払われた賃金が、休業開始時賃金日額×休業日数の13%以下なら減額されません。13%を超えると育児休業の給付は減りますが、出生後休業支援給付金は減額されません。賃金が80%以上になると、どちらも支給されません。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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