運営 / 更新 2026-10-23

介護予防支援の指定基準:市町村長が指定・申請できる者・人員・管理者

介護予防支援は、要支援1・2の人の介護予防サービス計画(ケアプラン)を作り、サービス事業者との調整や、その後の状況の把握を行うサービスです。指定は市町村長が行い、申請できるのは地域包括支援センターの設置者と、指定居宅介護支援事業者です。居宅介護支援事業所を運営している、または併設を考える事業者が、指定を受けられる者、人員、管理者、訪問と面接の頻度を確かめられるよう、基準の第2条・第3条・第12条・第30条と、介護保険法第58条・第115条の22を読んで整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

指定するのは市町村長:申請できるのは地域包括支援センターの設置者と居宅介護支援事業者

介護保険法第58条第1項は、介護予防サービス計画費の対象を、市町村長が指定する者(指定介護予防支援事業者)から受けた介護予防支援と定めています。訪問介護のような都道府県知事の指定ではなく、事業所を置く市町村が指定します。

同法第115条の22第1項は、指定は、地域包括支援センターの設置者又は指定居宅介護支援事業者の申請により、事業所ごとに行うと定めています。居宅介護支援の指定を受けていない事業者は、条文のうえでは、この申請ができる者に入っていません。

この記事で決めること

居宅介護支援事業所を運営する、または併設を考える事業者が、介護予防支援の指定を受けられる者、事業所の人員と管理者、設備、アセスメントとモニタリングの訪問・面接の頻度を条文で確かめ、居宅介護支援の基準との違いと自社で足りない点を洗い出すための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、介護予防支援の基準チェック表(事業所を置く市町村と担当窓口・申請する者が地域包括支援センターの設置者か指定居宅介護支援事業者か・介護支援専門員の候補と人数・管理者の候補と主任介護支援専門員の資格の有無・必要な広さの区画と設備及び備品等の見込み・アセスメントの訪問とモニタリングの面接の頻度と記録の流れ・市町村に確かめた日と回答)を作成できる状態を目指します。

人員は担当職員または介護支援専門員を1以上

基準第2条第1項は、地域包括支援センターの設置者である指定介護予防支援事業者に、事業所ごとに保健師その他の指定介護予防支援に関する知識を有する職員(担当職員)を、必要な数で1以上置くことを求めています。第2項は、指定居宅介護支援事業者である指定介護予防支援事業者に、介護支援専門員を必要な数で1以上置くことを求めています。

居宅介護支援事業者が申請する場合の人員は、介護支援専門員です。居宅介護支援の人員は居宅介護支援事業所の人員基準:介護支援専門員は利用者44人ごとに1人・管理者の要件と兼務で整理しています。

管理者:居宅介護支援事業者は主任介護支援専門員が原則

基準第3条第1項は、事業所ごとに常勤の管理者を置くと定めています。指定居宅介護支援事業者である場合は、第3項により、管理者は主任介護支援専門員でなければなりません。ただし、確保が著しく困難であるなどのやむを得ない理由がある場合は、主任介護支援専門員以外の介護支援専門員を管理者にできます。

第4項は、この管理者が専らその職務に従事する者であることを求めています。ただし、管理する事業所の介護支援専門員の職務に従事する場合と、管理に支障がない場合に他の事業所の職務に従事する場合は、この限りではありません。設備は、第19条が、必要な広さの区画と、提供に必要な設備及び備品等を求めています。

業務の委託:地域包括支援センターから居宅介護支援事業者へ

基準第12条は、地域包括支援センターの設置者が、指定介護予防支援の一部を居宅介護支援事業者に委託する場合の遵守事項を定めています。委託には地域包括支援センター運営協議会の議を経ること、委託する業務の範囲や業務量に配慮すること、委託先が業務に関する知識と能力を持つ介護支援専門員が従事する居宅介護支援事業者であることなどが挙げられています。

委託を受けて介護予防の業務を行う場合と、自社が指定介護予防支援事業者になる場合では、事業者としての立場が異なります。報酬の違いは「介護予防支援費の単位数:442単位と472単位の違い・初回加算300・委託連携加算300」で扱っています。

アセスメントは居宅を訪問して面接、モニタリングは3月に1回以上

基準第30条の条文の主語は「担当職員」です。居宅介護支援事業者の場合の担当職員と介護支援専門員の関係は、この記事では読んでいません。

第7号は、アセスメント(解決すべき課題の把握)を、利用者の居宅を訪問し、利用者及び家族に面接して行うと定めています。面接の趣旨は利用者と家族に説明し、理解を得ます。

第16号は、モニタリング(実施状況の把握)を、特段の事情のない限り、少なくとも、サービスの提供を開始する月の翌月から数えて3月に1回、利用者に面接して行うと定めています。面接は居宅の訪問が原則で、一定の要件を満たし、連続する2期間に1回は居宅を訪問するときは、訪問しない期間にテレビ電話装置等を活用できます。

サービスの評価期間が終了する月と、利用者の状況に著しい変化があったときは、居宅を訪問して面接します。訪問しない月は、可能な限り面接に努め、できない場合は電話等で連絡します。

モニタリングの結果は、少なくとも1月に1回記録します。居宅介護支援のモニタリングは「居宅介護支援の運営基準:契約の説明・アセスメント・ケアプラン作成・月1回のモニタリング記録」で確認できます。

条文の内容の一覧

ここまでの条文を、項目ごとにまとめます。市町村の条例の内容は、この記事では読んでいません。

介護予防支援の指定・人員・管理者・モニタリングの基準(介護予防支援基準第2条・第3条・第30条、法第58条・第115条の22)
項目条文の内容根拠
指定する者市町村長。事業所ごとに指定法第58条第1項、第115条の22第1項
申請できる者地域包括支援センターの設置者、指定居宅介護支援事業者法第115条の22第1項
人員担当職員(地域包括支援センター)または介護支援専門員(居宅介護支援事業者)を1以上基準第2条
管理者常勤。居宅介護支援事業者は主任介護支援専門員が原則で、専らその職務に従事基準第3条
アセスメント居宅を訪問し、利用者と家族に面接基準第30条第7号
モニタリング3月に1回以上の面接。評価期間終了月と著しい変化があったときは訪問。結果は少なくとも1月に1回記録基準第30条第16号

居宅介護支援の事業者が確かめる順番

まず、自社が指定居宅介護支援事業者か、地域包括支援センターの設置者かを確かめます。どちらでもない場合は、法第115条の22第1項の申請ができる者に入らないため、条文のうえでは自社で指定を受けられません。

該当する場合は、事業所を置く市町村の担当窓口に、指定の手続きと、市町村の条例で定める基準を相談します。介護支援専門員の人数、管理者の資格、訪問と面接の頻度を、現在の居宅介護支援の運営と合わせて、チェック表に書いて確認します。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 事業所を置く予定の市町村を決め、担当窓口に、介護予防支援の指定の手続きと、市町村の条例で定める基準の確認の進め方を確かめ、確かめた日と回答をチェック表の最初の行に書く
  2. 申請する者が、地域包括支援センターの設置者か、指定居宅介護支援事業者かを書き、居宅介護支援事業者の場合は、現在の居宅介護支援事業所の指定の状況を書く
  3. 介護支援専門員の候補と人数(1以上)を書き、管理者の候補が主任介護支援専門員か、確保が著しく困難などのやむを得ない理由があるかを確かめて、専らその職務に従事できる範囲を整理する
  4. アセスメントで居宅を訪問し面接する流れと、モニタリングで3月に1回以上面接し、毎月記録する流れを、居宅介護支援の運営と合わせて書き、市町村に相談して、確かめた日と回答を記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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