運営 / 更新 2026-10-13
訪問介護事業所の住民税の特別徴収:給与支払報告書、毎月の天引きと納入、納期の特例
職員の住民税には、事業所が給与から天引きして市区町村に納める特別徴収という方法があります。市町村から特別徴収義務者に指定された事業所は、毎年1月に給与支払報告書を出し、6月から翌年5月まで毎月天引きして納めます。このページは、地方税法の条文で、事業所の提出期限、徴収と納入の期限、職員が10人未満の場合の納期の特例を整理します。
この記事で決めること
訪問介護事業所の経営者や経理担当者が、職員の個人住民税を給与から天引きして納める特別徴収について、給与支払報告書の提出期限、税額通知の時期、毎月の徴収と納入の期限、職員が退職したときの届出、納期の特例の対象を、地方税法で確認するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、住民税の特別徴収の管理表(職員ごとの住所地の市区町村、1月末の給与支払報告書の提出、5月末までの税額通知の受取、毎月の徴収額と納入期限、退職時の届出、納期の特例の承認の有無)を作成できる状態を目指します。
1月31日までの給与支払報告書の提出
地方税法第317条の6は、1月1日現在で給与を支払う者で、所得税を徴収する義務があるものは、同月31日までに、給与の支払を受けている人の前年中の給与所得の金額などを記載した給与支払報告書を、その人の1月1日現在の住所地の市町村長に提出しなければならないと定めています。提出先は、事業所の所在地ではなく、職員の住所地の市区町村です。
給与支払報告書を提出した人のうち、4月1日現在で給与の支払を受けなくなった人がいる場合は、同月15日までに、その旨を記載した届出書を、当該市町村長に提出しなければなりません。
特別徴収義務者の指定と税額の通知(5月31日まで)
第321条の4は、市町村が特別徴収の方法で個人の市町村民税を徴収する場合に、その年度の初日に給与を支払う者のうち、所得税を徴収して納付する義務がある者を、条例により特別徴収義務者として指定すると定めています。指定を受けた事業所は、特別徴収義務者として天引きと納入を行います。
市町村長が特別徴収義務者と、特別徴収義務者を経由して納税義務者にする税額の通知は、その年度の初日の属する年の5月31日までにしなければならないとされています。事業所は、通知で示された税額に基づいて、職員の給与から天引きします。
毎月の徴収と、翌月10日までの納入
第321条の5は、特別徴収義務者に、通知に係る特別徴収税額の12分の1の額を、6月から翌年5月まで、給与を支払う際に毎月徴収し、徴収した月の翌月の10日までに市町村へ納入する義務を課しています。通知が5月31日より後に届いた場合は、通知のあった月の翌月から翌年5月までの月数で割った額を、その期間の毎月徴収します。
職員が退職するなどして給与の支払を受けないこととなった場合、第321条の5第2項は、原則として、その事由が発生した月の翌月以降の月割額を徴収して納入する義務を負わないと定めています。ただし、6月1日から12月31日までに事由が発生して本人から特別徴収で徴収されたい旨の申出があった場合と、翌年1月1日から4月30日までに事由が発生した場合は、5月31日までに支払われる給与または退職手当等が月割額の全額を超えるときに限り、その支払の際に月割額の全額を徴収して納入します。いずれの場合も、第3項により、氏名、すでに徴収した月割額の合計額などを記載した届出書を、納入先の市町村長に提出します。
| 時期 | 事業所がすること | 条文 |
|---|---|---|
| 1月31日まで | 給与支払報告書を、職員の1月1日現在の住所地の市町村長へ提出する | 第317条の6 |
| 4月15日まで | 4月1日現在で給与の支払を受けなくなった人がいれば、届出書を提出する | 第317条の6第2項 |
| 5月31日まで(市町村の通知期限) | 市町村長から届く特別徴収税額の通知を受け取る | 第321条の4第2項 |
| 6月から翌年5月まで | 税額の12分の1を毎月の給与から徴収する | 第321条の5第1項 |
| 徴収した月の翌月10日まで | 徴収した額を市町村へ納入する | 第321条の5第1項 |
職員が常時10人未満の事業所の納期の特例
第321条の5の2は、給与の支払事務を取り扱う事務所などで、給与の支払を受ける者が常時10人未満のものについて、納入金を納入すべき市町村の長の承認を受けた場合に、納期の特例を受けられると定めています。特例を受けると、6月から11月まで及び12月から翌年5月までの各期間に徴収した特別徴収税額を、各期間の最終月の翌月10日(12月10日と6月10日)までにまとめて納入できます。承認を受けた日の属する期間は、その日の属する月から期間の最終月までの分が対象です。
承認の取消しなどの詳細は政令で定められています。承認の申請方法や様式は、納入先の市区町村に確認してください。
このページの範囲と、あわせて確認するページ
このページが確認したのは、地方税法第317条の6、第321条の4、第321条の5、第321条の5の2です。個々の職員の税額や、特別徴収の対象になるかどうかは判断せず、給与支払報告書の電子提出の定めも扱いません。具体的な手続は、納入先の市区町村か税理士に確認してください。
源泉所得税の納期の特例や年末調整は労務・税務の年間カレンダーで、給与から控除できる項目は賃金の支払いの原則で、社会保険の加入は社会保険の加入で確認できます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 職員ごとに、1月1日現在の住所地の市区町村を一覧にする。給与支払報告書を1月31日までに、それぞれの市区町村へ提出する予定日を管理表に書く
- 5月31日までに市区町村から届く特別徴収税額通知(事業主用)を受け取り、職員ごとの月割額を確認する。6月から翌年5月まで、毎月の給与から月割額を天引きする額を給与計算に反映する
- 天引きした月の翌月10日までに、市区町村へ納入する日程を決める。給与の支払を受ける者が常時10人未満の事務所などで納期の特例を使う場合は、市区町村長の承認を受けているか、6月から11月まで・12月から翌年5月までの区切りで納入する日を確認する
- 職員が退職するなど給与を支払わなくなったときは、退職の時期に応じて、翌月以降の月割額を徴収しないのか、残額を一括して徴収するのか(本人の申出の有無を含む)を条文で確認し、届出書の提出を管理表に書く。個々の税額の扱いは、納入先の市区町村か税理士に確認する
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。