運営 / 更新 2026-10-01
訪問介護と他の介護サービスの算定関係(短期入所中・通所と同一時間帯・退所日・同一時間帯の訪問看護)
訪問介護は、利用者が短期入所生活介護・短期入所療養介護を受けている間や、通所サービスと同じ時間帯には、原則として算定できません(同じ時間帯の訪問看護との利用や入退所日には例外・別の扱いがあります)。この記事は、平成27年度改正版の厚生労働省の留意事項通知(老企第36号)の「サービス種類相互の算定関係」「入所日及び退所日等」「同一時間帯に複数種類の訪問サービスを利用した場合」「複数の要介護者がいる世帯」から、算定できる場合とできない場合を整理します。
この記事で決めること
利用者が短期入所・特定施設・通所サービスを使っている間や同じ時間帯に、訪問介護を算定できるかどうかの考え方と、訪問看護・訪問リハビリとの同一時間帯利用、複数の要介護者がいる世帯の扱いを区別して理解するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、他サービスとの算定関係の確認表を作成できる状態を目指します。
短期入所中・特定施設の入居中は算定しない(通知 第2の1(2))
留意事項通知は、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護を受けている間は、その他の指定居宅サービスや指定地域密着型サービスの介護給付費(居宅療養管理指導費を除く)は算定しないとしています。ただし、特定施設入居者生活介護または認知症対応型共同生活介護の提供に必要がある場合に、その事業者の費用負担で他の居宅サービスや地域密着型サービスを利用させることは差し支えないとしています。
短期入所生活介護または短期入所療養介護を受けている間は、訪問介護費、訪問入浴介護費、訪問看護費、訪問リハビリテーション費、通所介護費、通所リハビリテーション費などを算定しないとされています。ただし福祉用具貸与費は、短期入所を受けている者についても算定できます。事業計画では、利用者が月のうち短期入所を使う日は訪問介護の件数に入れない前提で、利用者ごとの訪問日数を組みます。
通所サービスと同じ時間帯は訪問を算定できない
同じ時間帯に通所サービスと訪問サービスを利用した場合、通知は、訪問サービスの所定単位数は算定できないとしています。例として、利用者が通所サービスを受けている時間帯に、本人が不在の居宅を訪問して掃除等を行うことは、訪問介護の生活援助として行う場合に本人の安否確認・健康チェック等もあわせて行うべきものであることから、訪問介護(生活援助が中心の場合)の所定単位数は算定できないとしています。利用者不在時の訪問サービスの取扱いは、その時間帯に通所サービスを利用するかどうかにかかわらず、同様としています。
訪問の開始・終了時刻は、通所サービスの送迎や利用時間とぶつからないように、居宅サービス計画と訪問介護計画で確認します。生活援助の内容は訪問介護の生活援助中心型を算定できる利用者の要件、できることとできないことの境界は訪問介護でできること・できないこと一覧で整理しています。
入所日・退所日・外泊のときの扱い(通知 第2の1(3))
介護老人保健施設と介護療養型医療施設の退所(退院)日、または短期入所療養介護のサービス終了日(退所・退院日)については、通知は、訪問看護費、訪問リハビリテーション費、居宅療養管理指導費、通所リハビリテーション費は算定できないとしています。その一方で、訪問介護などの福祉系サービスは別に算定できるとしています。入所(入院)当日であっても、その入所(入院)前に利用する訪問・通所サービスは別に算定できます。
施設入所(入院)者が外泊または試行的退所を行っている場合は、外泊時または試行的退所時に居宅サービスは算定できないとされています。退所日に通所介護を機械的に組み込むような居宅サービス計画は適正でないとも書かれています。これは通知の平成27年度改正版の記載で、施設の種類の書き方は現行の通知と異なる可能性があります(例えば介護医療院が加わっているかは、現行の通知全文を未取得のため確認できていません)。令和6年3月15日の改正通知の新旧対照(介護保険最新情報Vol.1213)では、この(2)と(3)は(略)とされ、この改正では変更されていないことだけを確認しています。平成27年度から令和6年までの間の変更は確認していないため、現行の通知の本文で施設の種類と算定の扱いを確認してください。
同じ時間帯の訪問看護・訪問リハビリとの利用(通知 第2の1(4))
通知は、利用者は同じ時間帯にひとつの訪問サービスを利用することを原則としています。例外は、訪問介護と訪問看護、または訪問介護と訪問リハビリテーションを同一利用者が同じ時間帯に利用する場合で、利用者の心身の状況や介護の内容に応じて、同じ時間帯に利用することが介護のために必要があると認められる場合に限り、それぞれのサービスについてそれぞれの所定単位数が算定されるとしています。
通知の例は、家庭の浴槽で全身入浴の介助をする場合に、適切なアセスメントを通じて、利用者の心身の状況や介護の内容から同じ時間帯に訪問看護を利用することが必要と判断されたときに、身体介護中心の30分以上1時間未満の訪問介護と訪問看護(指定訪問看護ステーションの場合)をそれぞれ算定するというものです。この例の単位数は改定のたびに変わるため、この記事には載せていません。令和6年3月15日の改正通知でも(4)の本文は新旧対照に載っていて、同じ時間帯に利用できる組み合わせの文言は同じであることを確認しています。
この例外は、事業所だけでは決められません。必要があると認められるかは、ケアマネジャーのアセスメントと居宅サービス計画に依存します。連携の記録は訪問介護のサービス提供・ケアマネ連携・月次報告で整理しています。
複数の要介護者がいる世帯(通知 第2の1(5))と事業計画での見込み
複数の要介護者がいる世帯で同じ時間帯に訪問サービスを利用する場合、通知は、それぞれに標準的な所要時間を見込んで居宅サービス計画に位置付けるとしています。例として、要介護高齢者の夫婦のみの世帯に100分間訪問し、夫に50分、妻に50分の身体介護中心の訪問介護を提供した場合は、夫と妻のそれぞれについて50分の区分の単位数を算定します。ただし生活援助については、要介護者の間で適宜所要時間を振り分けるとしています。
事業計画では、利用者ごとの月の訪問日数から、短期入所・入院・外泊の日、通所サービスと重なる時間帯の訪問、同じ時間帯に訪問看護が入る訪問を分けて数えます。算定できない訪問は売上に入れず、同じ時間帯に訪問看護が入る例外は必要が認められた場合に限って見込みます。個別の訪問が算定できるかの最終判断は、指定権者と国保連の審査によります。この記事は通知の平成27年度改正版の該当箇所と、令和6年の新旧対照を確認した内容で、条文の細部が現行と異なる場合があるため、迷う事例は請求前に指定権者へ確認してください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 利用者ごとに、ケアプランの通所サービス・短期入所・施設の入退所の日時と、訪問介護の開始・終了時刻を同じ日付の表に並べる
- 短期入所中、通所サービスと同一時間帯、特定施設等の入居中に当たる訪問は、算定できない訪問として別の行に分け、請求に含めない
- 同一時間帯に訪問看護や訪問リハビリと重なる訪問は、同一時間帯に利用する必要があると認められる場合に限り算定できるため、ケアマネジャーのアセスメントの記録を確認する
- 退所日・入所日・外泊・試行的退所の訪問は、福祉系サービスとして算定できる日とできない日を指定権者または国保連に確認してから請求する
一次資料
制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1213(令和6年3月15日)留意事項通知の改正(新旧対照)」(確認日 2026-09-27)
- 厚生労働省老健局「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成12年3月1日老企第36号)平成27年度改正版」(確認日 2026-09-28)