指定申請 / 更新 2026-10-07

訪問介護の重度訪問介護・共生型との違い:指定主体・人員基準・併設の流れ

訪問介護の事業所が障害のある人にも訪問サービスを行う方法は、障害福祉サービスの指定を別に受ける方法と、共生型の特例を使う方法の2つがあります。この記事は、介護保険法と障害者総合支援法、指定障害福祉サービス基準の条文で確認できた範囲で、重度訪問介護との違い、人員の考え方、確認の順序を表にしました。報酬の単位数と重度訪問介護の従業者の資格要件は確認していないため書いていません。

この記事で決めること

訪問介護事業所が障害福祉サービス(重度訪問介護・居宅介護)を併せて行うとき、共生型の特例と通常の指定の違い、人員の考え方、申請の順序を確かめるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、訪問介護と障害福祉サービス(重度訪問介護・居宅介護)の併設可否を整理する確認表を作成できる状態を目指します。

訪問介護と重度訪問介護の違い(確認日2026年10月7日)

訪問介護は介護保険法の居宅サービス、重度訪問介護は障害者総合支援法の障害福祉サービスで、根拠の法律も、サービスを受ける人を決める窓口も違います。

訪問介護と重度訪問介護の比較(条文で確認した範囲)
項目訪問介護(介護保険)重度訪問介護(障害福祉)
根拠の法律介護保険法障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)
サービスの内容居宅での入浴・排せつ・食事の介護などの訪問介護重度の肢体不自由者その他の障害者で常時介護を要するものとして主務省令で定めるものに、居宅等での入浴・排せつ・食事の介護その他と、外出時の移動中の介護を総合的に行う(法第5条第3項)
事業者の指定都道府県知事(指定権者は別記事で確認)都道府県知事が指定する指定障害福祉サービス事業者(法第29条第1項)
従業者の員数別記事の人員基準による常勤換算で2.5以上(指定障害福祉サービス基準第5条第1項を第7条で準用)
サービス提供責任者・管理者別記事の人員基準によるサービス提供責任者と、専らその職務に従事する常勤の管理者を置く(同基準第5条第2項・第6条を第7条で準用)。管理上支障がなければ他の職務との兼務も認められる
確認していない内容-報酬の単位数・加算、従業者の資格・研修の要件、対象者の細かい基準(主務省令)

共生型の特例:訪問介護の事業所が障害福祉サービスを行う場合

共生型は、介護保険の指定を受けた事業所が、障害福祉サービスの指定でも特例を受けられる仕組みです。障害者総合支援法第41条の2は、介護保険法の居宅サービスの指定を受けている者が障害福祉サービスの指定を申請する場合の特例を定めています。

要件は、従業者の知識・技能・人員が都道府県の条例の基準を満たすこと、運営基準に従って適正に運営できると認められることです。申請者が別段の申出をしたときは、特例は適用されません。

指定障害福祉サービス基準は、訪問介護事業者が共生型居宅介護・共生型重度訪問介護を行う場合の基準を第43条の2・第43条の3に置いています。1つ目は、訪問介護の事業所の従業者の員数が、訪問介護の利用者数と共生型の利用者数を合計した人数で必要な数以上であること、2つ目は、指定居宅介護事業所・指定重度訪問介護事業所などから、適切なサービスを提供するための技術的支援を受けていることです。つまり、障害福祉の利用者が増えたら、その分も含めて訪問介護の人員を数え直します。

人員の数え方の詳細は訪問介護の人員基準で確認できます。

反対の方向:障害福祉の事業所が訪問介護の指定を受ける場合

介護保険法第72条の2は、障害福祉サービスの指定を受けている者が訪問介護などの指定を申請する場合の特例を定めています。要件と別段の申出の扱いは第41条の2と同じ構造です。訪問介護事業所が障害福祉の指定を受ける場合と、障害福祉の事業所が訪問介護の指定を受ける場合で、見る条文が違う点に注意します。

併設を考えるときの確認の順序

1つ目に、受け入れたい利用者が介護保険の対象か障害福祉サービスの対象かを、市町村の窓口で確認します。障害福祉サービスの費用は、市町村が支給決定した利用者に対して支給されます(法第29条)。

2つ目に、事業所の所在地を管轄する都道府県等の指定権者に、共生型の特例で足りるか、通常の指定が要るかを事前に相談します。条例で定める基準は都道府県ごとに異なる場合があるため、全国共通の扱いとは考えません。

3つ目に、障害福祉の利用者を足した人数で訪問介護の従業者の員数を再計算し、技術的支援を受ける指定事業所を決めます。指定申請の全体の流れは訪問介護の指定申請と開業ロードマップ、総合事業の訪問型サービスを併せて行う場合は総合事業の訪問型サービス(従前相当)の指定・単価・請求で確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 併せて受け入れたい利用者が、介護保険の対象か障害福祉サービスの対象かを市町村の窓口で確認する
  2. 指定権者(都道府県等)に、共生型の特例の対象にできるか、通常の指定が要るかを事前相談する
  3. 訪問介護の従業者の員数を、障害福祉の利用者を足した人数で再計算し、不足がないか確かめる
  4. 技術的支援を受ける指定居宅介護事業所・指定重度訪問介護事業所を決め、連携の方法を記録する

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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