指定申請 / 更新 2026-10-17

居宅介護・重度訪問介護の従業者の資格と研修:訪問介護の資格との違い

居宅介護・重度訪問介護の従業者になれる人は、基準の条文では決めず、厚生労働省告示第538号が一覧で定めています。この記事は、その告示と訪問介護の訪問介護員の定め方を条文で照らし、違いと、職員を従業者として数えられるかを確かめる順序を整理します。個別の職員が当たるかの判定は指定権者の確認事項です。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

従業者の資格は基準ではなく告示で決まる(確認日2026年10月17日)

指定障害福祉サービス基準第5条第1項は、指定居宅介護の事業所に置く従業者を「指定居宅介護の提供に当たる者としてこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定めるもの」と書き、員数を常勤換算で2.5以上と定めています。重度訪問介護は第7条の準用で、この定める主体が「厚生労働大臣」に読み替えられます。

定められた中身は、平成18年厚生労働省告示第538号の第1条です。居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護とそれぞれの基準該当サービスの従業者を、まとめて各号のいずれかに当たる者として列挙しています。条文はサービスごとに分けておらず、個々の職員がどのサービスで数えられるかは、この記事では確認していません。

員数と、サービス提供責任者・管理者の置き方は訪問介護の重度訪問介護・共生型との違い:指定主体・人員基準・併設の流れで確認できます。

この記事で決めること

障害福祉サービス(居宅介護・重度訪問介護)の従業者になれる資格・研修を告示で確かめ、訪問介護の訪問介護員の資格との違いと、職員を従業者として数えられるかの確認手順を知るための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、職員ごとの資格・研修と、障害福祉サービスの従業者に当たるかを整理する確認表を作成できる状態を目指します。

告示第1条が挙げる主な資格・研修

告示第1条は第1号から第22号まで(第18号の2を含む)あります。主な号は次の表のとおりです。第8号以降には、平成18年や平成25年の制度変更の時点の研修に相当するものを拾う号が多くあり、第3号・第4号と同じ名前の研修でも、いつ修了したかで該当する号が変わる場合があります。

告示第538号第1条で従業者に当たる者(主な号。厚生労働省の現行版で確認)
号資格・研修条文での要件
第1号介護福祉士資格そのもの
第2号実務者研修修了者指定を受けた学校・養成施設で1月以上、介護福祉士として必要な知識・技能を習得した者
第3号居宅介護職員初任者研修障害者等の介護に従事する職員の業務に関する知識・技術を習得する研修の課程を修了し、研修事業者から修了証明書の交付を受けた者
第4号障害者居宅介護従業者基礎研修入浴・排せつ・食事等の介護と家事に関する研修の課程を修了し、修了証明書の交付を受けた者
第5号重度訪問介護従業者養成研修重度の肢体不自由者や、重度の知的障害・精神障害で行動上著しい困難がある障害者で、常時介護を要するものの介護等に関する研修で、別表第二から第五までに定める内容以上のものの課程を修了し、修了証明書の交付を受けた者
第6号・第7号同行援護従業者養成研修・行動援護従業者養成研修同行援護は別表第六または第七、行動援護は別表第八に定める内容以上の研修の課程を修了し、修了証明書の交付を受けた者
第18号介護職員初任者研修課程介護保険法施行規則第22条の23第1項の介護職員初任者研修課程を修了し、修了証明書の交付を受けた者
第18の2号生活援助従事者研修課程同規則同項の生活援助従事者研修課程を修了し、修了証明書の交付を受けた者
第8号〜第17号旧制度の研修に係る経過措置平成18年・平成23年・平成25年の時点で、相当するものとして都道府県知事が認める研修の課程を修了、または受講中で後に修了した者
第19号〜第22号旧制度の経験・外出介護研修に係る号平成18年3月31日時点の居宅介護等事業の従事経験があり都道府県知事の証明書を受けた者(第19号)、旧基準の外出介護従業者養成研修に相当する研修の修了者など(第20号〜第22号)

重度訪問介護の研修は課程ごとに別表で定められている

第5号の重度訪問介護従業者養成研修は、内容が別表第二から別表第五までに分けて定められており、それ以上の内容の研修の課程を修了することが条件です。各別表の科目と時間数は、この記事では確認していません。研修を受ける・職員に受けさせるときは、都道府県の案内で、どの課程が必要かと実施する研修事業者を確かめます。

第3号から第7号までは、研修の課程を修了し、研修の事業を行った者から修了した旨の証明書の交付を受けたことが要件です。職員の修了証明書の有無を、一覧で確かめておくと安全です。

訪問介護の資格との違い:共生型でだけ広がる

訪問介護の事業所に置く訪問介護員等は、指定居宅サービス基準第5条第1項で「介護福祉士又は介護保険法第8条第2項に規定する政令で定める者」と定められています。政令は介護保険法施行令第3条です。

第3条は2つの者を挙げ、第1号が都道府県知事の行う介護員養成研修、または都道府県知事の指定を受けた介護員養成研修事業者の研修を修了し、証明書の交付を受けた養成研修修了者、第2号が居宅介護または重度訪問介護に係る指定障害福祉サービスを提供している者として厚生労働大臣が定めるものです。ただし書は、共生型居宅サービス以外の訪問介護では第1号に掲げる者だけとしています。

訪問介護と居宅介護・重度訪問介護の、従業者になれる者の定め方
項目訪問介護(介護保険)居宅介護・重度訪問介護(障害福祉)
定める条文指定居宅サービス基準第5条第1項と介護保険法施行令第3条指定障害福祉サービス基準第5条第1項(重度訪問介護は第7条で準用)と、厚生労働省告示第538号第1条
資格の範囲介護福祉士と、第3条第1号の養成研修修了者(通常の訪問介護)告示第1条各号に当たる者(介護福祉士、実務者研修修了者、各種の従業者養成研修の修了者など)
障害福祉サービスの従業者が数えられるか通常の訪問介護は第1号のみ。共生型の訪問介護でだけ第2号が加わる告示に介護職員初任者研修課程の修了者(第18号)が挙がっており、初任者研修を修了した職員は条文上の対象
確認していない内容第2号の厚生労働大臣が定める者の具体の範囲各研修の時間数、報酬上の資格要件

職員を従業者として数えられるかの確認の順序

1つ目に、職員ごとに持っている資格と修了した研修の名称、修了証明書を一覧にします。研修名が告示第1条の号のどれに当たるかは、修了証に書かれた研修名と研修事業者の名称で照らします。

2つ目に、介護職員初任者研修などの修了者は、告示第18号の対象であることを前提に、事業所の所在地を管轄する指定権者へ、障害福祉サービスの従業者として数える運用か、必要な書類は何かを確認します。号に当たるかの最終的な判定は、指定権者の確認事項です。

3つ目に、重度訪問介護を担当させたい職員で、第5号の研修を修了していない人がいる場合は、受講できる課程と研修事業者を都道府県の案内で探します。時間数は別表で決まるため、日程の組み方は課程の案内で確かめます。

4つ目に、共生型の訪問介護を考えるときは、訪問介護の重度訪問介護・共生型との違い:指定主体・人員基準・併設の流れで人員の数え方を確認し、第2号の範囲は指定権者へ聞きます。訪問介護の人員全体は訪問介護の人員基準で確認できます。指定の全体の流れは訪問介護の指定申請と開業ロードマップにあります。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 職員ごとに、持っている資格と修了した研修の名称、研修事業者、修了証明書の有無を一覧にする
  2. 研修名を告示第538号第1条の号と照らし、当たると見込む号を書く
  3. 指定権者に、その職員を従業者として数える運用と必要な書類を確認し、確かめた日と回答を記録する
  4. 重度訪問介護を担当させたい職員で第5号の研修が未修了の人は、受講できる課程と研修事業者を都道府県の案内で探す

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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