事業計画 / 更新 2026-10-30
短期入所生活介護の事業計画書と収支:単独型の要介護1は645単位
短期入所生活介護(ショートステイ)の事業計画書の収支は、基準で決まる利用定員・居室の面積・員数、告示の1日あたりの単位数から組み立てる月の収入、自社で入れる費用の3つに分けると書けます。この記事は、基準と算定構造の原文を2026年10月30日に確かめ、収入の式と数値例、入力する項目を整理します。賃料や給与の平均値は扱いません。
事業計画書の収支に入れる項目と、数字の根拠
下の表は、収支に入れる項目ごとに、数字の根拠と、自社で確かめる点を並べたものです。基準や告示で決まる項目と、自社の数字を入れる項目を分けています。
短期入所生活介護は、利用者が泊まった日ごとに、類型と要介護度で決まる単位数を算定します。通所のように通った人数ではなく、1日に泊まる人数が収入を決めるため、居室の数が収入の上限になります。
| 項目 | 根拠の数字 | 自社で確かめる点 |
|---|---|---|
| 利用定員 | 原則20人以上で、事業の専用の居室を設ける(基準 第123条第1項)。併設事業所は20人未満にできる(同第2項) | 居室数と、併設かどうか |
| 居室 | 一の居室の定員は4人以下、利用者1人当たりの床面積は10.65平方メートル以上(基準 第124条第6項) | 図面の面積と、居室の定員 |
| 食堂・機能訓練室 | 合計の面積は、3平方メートル×利用定員以上(同条) | 図面の面積 |
| 介護職員又は看護職員 | 常勤換算方法で、利用者の数が3又はその端数を増すごとに1以上(基準 第121条第1項第3号) | 勤務表と、利用者数の見込み |
| 生活相談員・医師ほか | 生活相談員は利用者100又はその端数を増すごとに1以上、医師・栄養士又は管理栄養士・機能訓練指導員は各1以上。利用定員が40人を超えない事業所は、他の社会福祉施設等の栄養士等と連携でき処遇に支障がなければ栄養士等を置かないことができる(同項) | 兼務できる職員の有無と、栄養士の連携先 |
| 基本の収入 | 単独型の従来型個室は、要介護1が645、要介護2が715、要介護3が787、要介護4が856、要介護5が926単位(1日につき) | 要介護度ごとの利用者数の見込み |
| 賃料・給与・食材ほか | この記事は数字を示さない | 見積書と求人条件で確かめた自社の数字 |
この記事で決めること
短期入所生活介護(ショートステイ)の開設を考える事業者が、事業計画書の収支に何を入れるのかを、基準の利用定員・居室の面積・員数と、告示の1日あたりの単位数から知り、利用者の延べ宿泊日数から月の収入を見積もる式を確かめる。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、短期入所生活介護の収支計画の入力表(利用定員と居室・食堂・機能訓練室の面積、介護職員又は看護職員ほかの人数、要介護度別の1日の利用者数と宿泊日数、1単位の単価、人件費と固定費)を作成できる状態を目指します。
定員と員数から決まる固定費:居室10.65平方メートル、利用者3人に1人以上
指定居宅サービス等の基準の第123条第1項は、利用定員を20人以上とし、この事業の専用の居室を設けると定めています。利用定員とは、同時に提供を受けられる利用者の数の上限です。特別養護老人ホームなど併設の事業所は、第2項で20人未満にできます。
第124条第6項は、居室の定員を4人以下、利用者1人当たりの床面積を10.65平方メートル以上とし、食堂と機能訓練室は合計で3平方メートルに利用定員を掛けた面積以上と定めています。定員が20人なら、居室は213平方メートル以上、食堂と機能訓練室は60平方メートル以上です。ユニット型の基準は読んでいません。
従業者は、第121条第1項で、介護職員又は看護職員を常勤換算方法で利用者3人ごとに1以上と定めています。定員20人で毎日満床なら7以上です。
利用者の数は前年度の平均値で、新規に指定を受けるときは推定数によります(第3項)。人員と設備の全体像は短期入所生活介護の指定基準にまとめています。
月の収入の式:要介護度別の延べ宿泊日数×単位数×1単位の単価
短期入所生活介護費は、類型と要介護度で1日あたりの単位数が決まります。単独型の従来型個室と多床室は、要介護1から5まで645・715・787・856・926単位です。
併設型は603・672・745・815・884単位、ユニット型は区分が別です。厚生労働省の介護報酬の算定構造(令和8年6月改定箇所入り)の短期入所生活介護費で確かめました。
月の収入は、要介護度ごとの延べ宿泊日数(1日の利用者数×宿泊した日数)に単位数を掛けて足し、1単位の単価を掛けた額です。1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で決まります。居宅と事業所の間の送迎は片道につき184単位が加算されますが、対象の利用者の数は自社で数えます。
食費や滞在費など、介護報酬以外で利用者から受け取る費用は、この式に入れていません。
この記事は、利用定員や人員が基準を満たさない場合の減算、連続して利用した日数が長い場合の扱いの細目を確認していません。対象になるかは告示と留意事項通知、指定権者で確かめます。加算の単位数は短期入所生活介護費の単位数に整理しています。
数値例:定員20人の単独型が満床の月の収入
式を確かめるための仮の数字を置きます。単独型・従来型個室で利用定員が20人、毎日20人が泊まり、内訳は要介護1が4人、要介護2が5人、要介護3が5人、要介護4が4人、要介護5が2人、月は30日だとします。
1日の単位数は、4人×645+5人×715+5人×787+4人×856+2人×926=2,580+3,575+3,935+3,424+1,852=15,366単位です。月は15,366×30日=460,980単位で、1単位を仮に10円とすると、月の収入は4,609,800円です。加算と減算、地域の割合は入れていません。
この数字は、仕組みを確かめるための仮の値で、毎日満床という前提です。実際は空床が出るため、月の延べ宿泊日数は定員×日数を下回ります。
一方で、介護職員又は看護職員の人数は定員ではなく利用者の数で決まるため、利用者が少ない月は人件費の比率が上がります。利用者が定員に届かない開業直後の月に、収入が人件費と賃料を下回る期間を月ごとの表で見積もります。
費用側で自社の数字を入れる項目
費用は、医師・生活相談員・介護職員・看護職員・栄養士・機能訓練指導員の給与、夜間の配置、社会保険料、賃料、食材費、寝具や福祉用具、送迎車両の費用、記録や請求のシステム、研修費に分けて書きます。この記事は、賃料や給与の平均値を示しません。物件の見積書、求人条件、契約条件で確かめた自社の数字を入れます。
事業計画書の全体の構成は訪問介護の事業計画書テンプレートで確かめられます。訪問介護の事業者が泊まりのサービスに広げる場合の違いは、上の2つの記事とあわせて、訪問介護の人員基準と比べてください。
この記事で確認した範囲
確認したのは、利用定員・居室・食堂と機能訓練室の面積・従業者の員数の原文と、単独型・併設型の基本の単位数で、2026年10月30日に読んだ内容です。面積と員数は指定居宅サービス等の基準の第121条・第123条・第124条をe-Gov法令検索で、単位数は厚生労働省の介護報酬の算定構造で確かめました。
ユニット型の基準と単位数、各減算の細目、各加算の届出基準、処遇改善加算の率、地域区分ごとの単価の値、賃料や給与の平均値は確認しておらず、扱っていません。個別の事業所の収支は、自社の数字と、都道府県への確認で決めてください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 利用定員を仮置きし、居室の定員が4人以下で1人当たり10.65平方メートル以上あるか、食堂と機能訓練室の合計が3平方メートル×利用定員以上あるかを、図面の面積で確かめる。併設かどうかで、定員20人以上の要件が変わる
- 介護職員又は看護職員を常勤換算方法で利用者3人ごとに1以上、生活相談員を利用者100人ごとに1以上、医師・栄養士又は管理栄養士・機能訓練指導員を各1以上置く人数を、基準の第121条に沿って勤務表で確かめる。利用者の数は、新規の指定では推定数による
- 月の収入は、要介護度ごとの1日の利用者数と宿泊日数から延べ宿泊日数を出し、類型ごとの1日の単位数を掛けて足す。空床が出る月は、定員×日数より少ない延べ宿泊日数で見積もる。加算は、届出の見込みがあるものだけを足す
- 1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で告示の表から確かめる。給与、夜間の配置、食材費、寝具は、求人条件と見積書の自社の数字を入れ、利用者が定員に届かない開業直後の月に収入が人件費を下回る期間を見積もる
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
短期入所生活介護の事業計画書の収入は、何で決まりますか?
短期入所生活介護費は、類型と要介護度ごとの1日あたりの単位数です。単独型の従来型個室は、要介護1が645単位、要介護5が926単位です。月の収入は、要介護度ごとの延べ宿泊日数に単位数を掛け、1単位の単価を掛けて出します。
短期入所生活介護の居室の広さは、どのように決まりますか?
基準の第124条第6項は、一の居室の定員を4人以下、利用者1人当たりの床面積を10.65平方メートル以上と定めています。食堂と機能訓練室は、合計で3平方メートルに利用定員を掛けた面積以上です。定員が20人なら、居室は213平方メートル以上になります。
短期入所生活介護の利用定員は、何人以上ですか?
基準の第123条第1項は、利用定員を20人以上とし、この事業の専用の居室を設けると定めています。特別養護老人ホームなどに併設される事業所は、第2項により20人未満にできます。介護職員又は看護職員は、利用者3人ごとに1以上です。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 8 短期入所生活介護費 イ〜リと注1〜注23」(別表 8 短期入所生活介護費(1日につき)イ 単独型・併設型、ロ ユニット型、注1〜注23、ハ 口腔連携強化加算、ニ 療養食加算、ホ 在宅中重度者受入加算、ヘ 認知症専門ケア加算、ト 生産性向上推進体制加算、チ サービス提供体制強化加算、リ 介護職員等処遇改善加算)(確認日 2026-10-19)
- 厚生労働省老健局「介護報酬の算定構造(令和8年6月改定箇所入り)「8 短期入所生活介護費」」(Ⅰ 指定居宅サービス介護給付費単位数の算定構造 8 短期入所生活介護費(イ 短期入所生活介護費、ロ ユニット型短期入所生活介護費、ハ〜リの加算))(確認日 2026-10-19)
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第120条 基本方針、第121条 従業者の員数、第122条 管理者、第123条 利用定員等、第124条 設備及び備品等)、介護保険法第41条第1項」(基準第120条〜第124条(短期入所生活介護)、法第41条第1項)(確認日 2026-10-20)