運営 / 更新 2026-10-23

短期入所療養介護の指定基準:事業所は4類型・診療所は利用者3人ごとに1以上

短期入所療養介護(医療系のショートステイ)は、指定を都道府県知事が行い、事業所の種類が4つに分かれます。この記事は、訪問介護の事業者がこのサービスを事業に加えられるかを考えるときに、指定居宅サービス基準第141条〜第147条と、介護保険法第72条を読み、事業所の種類ごとの人員と設備、計画の決まりを整理したものです。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

指定するのは都道府県知事:対象は看護と医学的管理の下の介護が必要な人

介護保険法第41条第1項は、居宅介護サービス費の対象を、都道府県知事が指定する者(指定居宅サービス事業者)から受けた居宅サービスと定めています。短期入所療養介護も、訪問介護と同じ指定居宅サービス基準の中にあります。

基準第144条は、利用者の心身の状況や病状、家族の疾病や冠婚葬祭、家族の負担軽減などのため、一時的に入所して看護、医学的管理の下における介護、機能訓練その他の医療を受ける必要がある人を対象とします。提供する場所は、介護老人保健施設や介護医療院の療養室、病院の療養病床に係る病室、診療所の指定短期入所療養介護を提供する病室です。

この記事で決めること

訪問介護の事業者が短期入所療養介護(医療系のショートステイ)を事業に加えられるかを考えるときに、指定する者、事業所の4類型ごとの人員と設備、身体的拘束の適正化、計画の作成の基準を条文で確かめ、自社に足りない点を洗い出すための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、短期入所療養介護の基準チェック表(事業主体が介護老人保健施設・療養病床のある病院や診療所・療養病床のない診療所・介護医療院のどれに当たるか・事業所の種類ごとの人員の決まりと現在の人数・診療所の場合の利用者3人ごとの看護職員または介護職員の必要数と夜間の緊急連絡体制・病室の床面積と浴室と機能訓練の場所・身体的拘束等の適正化の委員会と指針と研修・短期入所療養介護計画を作る体制・都道府県の担当窓口に確かめた日と回答)を作成できる状態を目指します。

事業所の種類は4つ:老健・療養病床のある病院や診療所・診療所・介護医療院

基準第142条第1項は、事業所の種類を4つに分けて人員を定めています。介護老人保健施設、療養病床を有する病院または診療所、それ以外の診療所、介護医療院です。

介護老人保健施設と介護医療院は、利用者をその施設の入所者とみなした場合に、法に規定する施設として必要とされる数以上の医師、看護職員、介護職員などを確保するとされています。療養病床を有する病院や診療所は、医療法に規定する療養病床を有する病院または診療所として必要とされる数以上です。

介護老人保健施設や介護医療院は、介護保険法第72条第1項により、開設の許可を受けたときに、短期入所療養介護などの居宅サービスの指定があったものとみなされます。ただし、開設者が別段の申出をしたときなどは、この限りではありません。許可の手続きと、施設の基準の中身は、この記事では読んでいません。

診療所は看護職員または介護職員が利用者3人ごとに1以上

療養病床を有しない診療所の場合、基準第142条第1項第3号は、病室に置く看護職員または介護職員の合計を、常勤換算方法で、利用者の数が3またはその端数を増すごとに1以上としています。たとえば利用者が7人なら、7を3で除して端数を切り上げた3以上です。

あわせて、夜間の緊急連絡体制を整え、看護師もしくは准看護師または介護職員を1人以上配置することが求められています。第2項は、介護予防短期入所療養介護と同じ事業所で一体的に運営している場合の特例を定めています。

設備の基準:診療所の病室は利用者1人につき6.4平方メートル以上

基準第143条第1項は、設備も事業所の種類で分けています。介護老人保健施設と介護医療院は、法に規定する施設として必要とされる施設と設備、療養病床を有する病院や診療所は、医療法に規定する設備です。

療養病床を有しない診療所は、病室の床面積が利用者1人につき6.4平方メートル以上であること、浴室を有すること、機能訓練を行うための場所を有することが求められます。療養病床を有する病院や診療所と、療養病床を有しない診療所は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備も有します。

取扱方針と計画:身体的拘束の適正化と、相当期間以上の入所の計画

基準第146条は、認知症の状況などを踏まえて療養を適切に行うことを求めています。緊急やむを得ない場合を除いて身体的拘束等を行わず、行う場合は態様、時間、心身の状況、理由を記録します。

第6項は、身体的拘束等の適正化のため、検討する委員会を3月に1回以上開催すること、指針を整備すること、従業者への研修を定期的に行うことを求めています。

基準第147条は、相当期間以上にわたり継続して入所することが予定される利用者について、事業所の管理者が短期入所療養介護計画を作ることを求めています。居宅サービス計画があればその内容に沿い、内容を利用者または家族に説明して同意を得て、作成したら交付します。「相当期間」の日数は、この記事では読んでいません。

条文の内容の一覧

ここまでの条文を、事業所の種類ごとにまとめます。報酬の単位数と、利用料の取り扱いなどのほかの条文は、この記事では読んでいません。

短期入所療養介護の事業所の種類ごとの人員・設備の基準(居宅サービス基準第142条・第143条)
事業所の種類人員設備
介護老人保健施設利用者を入所者とみなして、老健として必要とされる数以上老健として必要とされる施設と設備
療養病床を有する病院・診療所医療法の療養病床を有する病院・診療所として必要とされる数以上医療法の設備に加え、消火設備等
療養病床を有しない診療所看護職員または介護職員の合計が常勤換算で利用者3人ごとに1以上。夜間の緊急連絡体制と1人以上の配置病室は1人6.4平方メートル以上、浴室、機能訓練の場所、消火設備等
介護医療院利用者を入所者とみなして、介護医療院として必要とされる数以上介護医療院として必要とされる施設と設備

訪問介護の事業者が確かめる順番

まず、自社の事業主体が、介護老人保健施設、病院、診療所、介護医療院のどれに当たるかを確かめます。どれにも当たらない場合のことは、この記事の条文からは判断できないため、都道府県の担当窓口に確かめます。

福祉系のショートステイは「短期入所生活介護の指定基準:利用定員は原則20人以上・介護・看護職員は3人ごとに1以上」、報酬の単位数は「老健の短期入所療養介護の単位数:従来型個室の基本型は753単位・ユニット型は836単位」、訪問介護の人員の決まりは訪問介護の人員基準(サ責の配置基準・常勤換算2.5・管理者)で読めます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 自社の事業主体が、介護老人保健施設、療養病床を有する病院または診療所、療養病床を有しない診療所、介護医療院のどれに当たるかを書き、当たらない場合は、都道府県の担当窓口に指定の進め方を確かめ、確かめた日と回答をチェック表の最初の行に書く
  2. 事業所の種類に応じた人員の決まりを書き、療養病床を有しない診療所の場合は、予定する利用者数を3で割って端数を切り上げた数と、看護職員と介護職員の常勤換算の合計を並べ、夜間の緊急連絡体制を書く
  3. 病室の床面積を利用者1人あたりで計算して6.4平方メートルと比べ、浴室、機能訓練の場所、消火設備等の有無を書く
  4. 身体的拘束等の適正化の委員会を3月に1回以上開く予定、指針、研修の予定と、相当期間以上入所する利用者の短期入所療養介護計画を作る流れを書き、都道府県に相談して、確かめた日と回答を記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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