運営 / 更新 2026-10-13
訪問介護員が病気で休むときの傷病手当金:支給の条件、待期3日、1年6か月、事業主の証明
訪問介護員が業務外の病気やけがで長く休むとき、事業所が給与を支払わない期間は、健康保険から傷病手当金が支給されることがあります。申請書には、給与の支払い有無についての事業主の証明が必要です。このページは、協会けんぽの案内と健康保険法の条文で、支給の条件、待期期間、支給額の考え方、支給期間、退職後の継続給付を整理します。
この記事で決めること
職員が業務外の病気やけがで長く休む訪問介護事業所の経営者や担当者が、健康保険の傷病手当金の支給の条件、待期期間、支給額の考え方、支給期間、申請に必要な事業主の証明、退職後の継続給付を、協会けんぽの案内と健康保険法で確認するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、傷病手当金の手続き票(休む職員、休み始めた日と待期の3日間、休業中の給与の支払い、事業主の証明を書く日、申請の区切り、退職する場合の確認事項)を作成できる状態を目指します。
傷病手当金が支給される4つの条件
協会けんぽの案内によると、傷病手当金は被保険者のみが対象(健康保険法第99条は任意継続被保険者を除くと定めています)で、次の4つの条件をすべて満たすときに受けられます。業務外の病気やケガで療養中であること、療養のための労務不能であること、4日以上仕事を休んでいること、給与の支払いがないことです。
仕事中や通勤中の病気やケガは労働災害保険の給付の対象になるため、傷病手当金の対象外です。労務不能かどうかは、医師の意見と被保険者の業務内容などを考慮して判断され、給与が一部だけ支払われている場合は、その分を減らして支給されます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 業務外の病気やケガ | 業務上・通勤途中の病気やケガは労災保険の対象。美容整形手術などは対象外 |
| 療養のための労務不能 | 今まで従事している業務ができない状態。医師の意見と業務内容などで判断 |
| 4日以上休んでいる | 休み始めた日から連続した3日間(待期期間)を除いて4日目から支給 |
| 給与の支払いがない | 一部だけ支給されている場合は、給与分を減らして支給 |
待期期間と支給額の考え方(健康保険法第99条)
健康保険法第99条は、被保険者が療養のため労務に服することができないときは、労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、傷病手当金を支給すると定めています。これが、休み始めた日から連続した3日間の待期期間にあたります。
1日あたりの額は、支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の、3分の2に相当する金額です。協会けんぽの案内では、12か月に満たない場合は、一定の基準で低い方の額を使うとされ、具体的な額は被保険者ごとに異なります。
支給期間と、退職後の継続給付
支給期間は、同じ傷病について、支給を始めた日から通算して1年6か月です。傷病手当金と出産手当金の両方を受けられる期間は、原則として出産手当金のみが支給されます。
退職後も引き続き受けるには、退職日の前日までに継続して1年以上の被保険者期間があること、資格喪失時に傷病手当金を受けているか受ける条件を満たしていることが必要です。協会けんぽの案内は、退職日に出勤すると、退職後の継続給付の条件を満たさなくなるため、退職日の翌日以降の傷病手当金は支給されないとしています。
申請と事業主の証明
協会けんぽの案内は、傷病手当金の申請には、給与の支払い有無についての事業主の証明が必要としています。会社を長期間休む場合は、給与の締切日ごとに、1か月単位で申請することを勧めています。
事業所が証明するのは、給与の支払いの有無です。このページは協会けんぽの案内に基づいており、加入している保険者が協会けんぽ以外(健康保険組合など)の場合は、その保険者の案内で、条件や手続を確認してください。
このページの範囲と、あわせて確認するページ
このページが確認したのは、協会けんぽの傷病手当金の案内と、健康保険法第99条です。個々の職員が傷病手当金を受けられるか、支給額がいくらになるかは判断しません。具体的な手続は、加入している保険者に確認してください。
休業からの復帰の進め方は心の不調で休業した職員の職場復帰支援で、仕事中のけがは労働者死傷病報告で、産前産後の給付は産前産後休業で確認できます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 職員から病気やけがで休むと連絡を受けたら、業務外の病気やけがか、仕事中・通勤中のものでないかを確認する。仕事中・通勤中の場合は労災保険の扱いになるため、傷病手当金とは別に労働基準監督署へ相談するよう案内する
- 休み始めた日から連続した3日間(待期期間)と、4日目以降の休みを勤務表と出勤簿で整理する。休業中に給与を支払うか、一部だけ支払うかを決め、手続き票に書く
- 申請書の事業主の証明欄を、給与の支払い有無に合わせて記入する日を決める。協会けんぽの案内では、給与の締切日ごとに1か月単位で申請する方法が勧められているため、その区切りで記入する
- 長期の休みや退職が見込まれる場合は、退職日の前日までに継続して1年以上の被保険者期間があるかを確認する。退職日に出勤すると退職後の継続給付の条件を満たさなくなるという協会けんぽの案内を、本人に伝える
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|健康保険の給付について|よくあるご質問」(確認日 2026-10-13)
- e-Gov法令検索(健康保険法)「健康保険法 第99条(傷病手当金)」(確認日 2026-10-13)