運営 / 更新 2026-11-06
小規模多機能の認知症加算:(Ⅰ)920・(Ⅱ)890・(Ⅲ)760・(Ⅳ)460単位
小規模多機能型居宅介護の認知症加算は、(Ⅰ)が1月920単位、(Ⅱ)が890単位、(Ⅲ)が760単位、(Ⅳ)が460単位です。(Ⅰ)(Ⅱ)は専門的な研修を修了した職員の配置などの体制を、(Ⅲ)(Ⅳ)は登録者の状態を評価します。このページは、算定告示と基準告示の本文から、区分・基準・対象者を整理します。
根拠は算定告示のニと、基準告示の第五十四号の五
根拠は3つの告示です。1つ目は、算定基準(平成18年厚生労働省告示第126号)の別表4 小規模多機能型居宅介護費のニと、その注、2つ目は、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)の第五十四号の五、3つ目は、厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(平成27年厚生労働省告示第94号)の第三十八号です。2026年11月6日に、厚生労働省の現行の本文を取得して確認しました。
第五十四号の五は、小規模多機能型居宅介護と看護小規模多機能型居宅介護に共通の定めです。このページは告示の整理で、留意事項通知にある研修の具体名や細目、市町村ごとの運用は確認していません。請求の前に、事業所のある市町村の案内で確かめてください。
この記事で決めること
小規模多機能型居宅介護の事業者が、認知症加算の4区分と単位数、(Ⅰ)(Ⅱ)の基準(専門研修の修了者の配置人数・会議・指導者・研修計画)、(Ⅲ)(Ⅳ)の対象の登録者を、算定告示と基準告示の本文で確かめたい。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、認知症加算の算定確認表(登録者ごとの認知症の状態と要介護度、対象者の数、専門研修と指導の研修の修了者の人数、会議の開催記録、研修計画)を作成できる状態を目指します。
加算の内容:4区分を1月につき算定し、(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)は重ねない
算定告示は、認知症加算を(Ⅰ)920単位、(Ⅱ)890単位、(Ⅲ)760単位、(Ⅳ)460単位としています。注1は、基準に適合しているものとして市町村長に届出を行った事業所が、対象の登録者に専門的な認知症ケアを行った場合に、(Ⅰ)と(Ⅱ)を1月につき加算するとしています。注2は、対象の登録者にサービスを行った場合に、(Ⅲ)と(Ⅳ)を1月につき加算するとしています。
注1のただし書きは、(Ⅰ)、(Ⅱ)又は(Ⅲ)のいずれかを算定している場合は、その他の加算を算定しないとしています。基本の単位数や他の加算は、小規模多機能型居宅介護費の単位数にまとめています。
| 区分 | 単位数 | 告示が定める条件 |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 1月につき920単位 | 基準の(1)から(4)のすべてに適合し、届出を行った事業所が、対象の登録者に専門的な認知症ケアを行う |
| (Ⅱ) | 1月につき890単位 | 基準の(1)(2)に適合し、届出を行った事業所が、対象の登録者に専門的な認知症ケアを行う |
| (Ⅲ) | 1月につき760単位 | 日常生活に支障を来すおそれのある症状又は行動が認められる認知症の登録者にサービスを行う |
| (Ⅳ) | 1月につき460単位 | 要介護2で、周囲の者による日常生活に対する注意を必要とする認知症の登録者にサービスを行う |
(Ⅱ)の基準:専門研修の修了者の配置と、定期の会議
第五十四号の五は、(Ⅱ)に、(Ⅰ)の基準のうち(1)と(2)への適合を求めています。(1)は、認知症介護に係る専門的な研修を修了している者を、対象者の数に応じた人数以上配置し、チームとして専門的な認知症ケアを実施していることです。対象者は、日常生活に支障を来すおそれのある症状又は行動が認められることから介護を必要とする認知症の者を指します。
(2)は、事業所の従業者に対する、認知症ケアに関する留意事項の伝達又は技術的指導に係る会議を、定期的に開催していることです。算定する月ごとに、会議を定期的に開いていることを確かめます。
(1)の人数は、対象者が20人未満なら1人以上、20人以上は10人ごとに1人を足す
(1)の配置人数は、告示の文言で決まっています。対象者が20人未満なら、1人以上です。20人以上なら、1に、対象者の数が19を超えて10又はその端数を増すごとに1を加えた数以上です。
条文の文言どおりに数えると、下の表のようになります。対象者の数は月ごとに変わりうるため、算定する月の登録者の状態で数え直します。
| 対象者の数 | 必要な修了者の人数 | 数え方 |
|---|---|---|
| 19人以下 | 1人以上 | 20人未満の場合は1以上 |
| 20人から29人 | 2人以上 | 1に1を加える(19を超えた分が1人から10人) |
| 30人から39人 | 3人以上 | 1に2を加える(19を超えた分が11人から20人) |
| 40人から49人 | 4人以上 | 1に3を加える(19を超えた分が21人から30人) |
(Ⅰ)の基準:(Ⅱ)の2つに加えて、指導者の配置と研修計画
(Ⅰ)は、上の(1)(2)に加えて、(3)と(4)のすべてに適合する必要があります。(3)は、認知症介護の指導に係る専門的な研修を修了している者を1名以上配置し、事業所全体の認知症ケアの指導等を実施していることです。
(4)は、介護職員、看護職員ごとの認知症ケアに関する研修計画を作成し、その計画に従って、外部の研修を含む研修を実施している、又は実施を予定していることです。(1)の研修と(3)の研修は別の名前で定められているため、修了を示す書類は、どちらの研修かが分かる形で保管しておくと確かめやすくなります。
(Ⅲ)(Ⅳ)の対象者:認知症の状態と要介護度で分かれる
対象者は、基準に適合する利用者等の告示(第94号)の第三十八号が、小規模多機能型居宅介護費のニの注1・注2の登録者として区分ごとに定めています。(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)の対象は、日常生活に支障を来すおそれのある症状又は行動が認められることから介護を必要とする認知症の者です。
(Ⅳ)の対象は、要介護状態区分が要介護2である者であって、周囲の者による日常生活に対する注意を必要とする認知症のものです。認知症高齢者の日常生活自立度との対応は留意事項通知にありますが、原文を確認していないため、このページでは扱いません。
月額のイが対象で、若年性認知症利用者受入加算とは重ならない
認知症加算の注1・注2は、どちらも「イについては」と書かれており、月額で算定するイが対象です。短期利用のロは1日につきの単位数で、この注の対象には書かれていません。ロの短期利用で、医師が在宅生活が困難と判断した人を受け入れたときの別の加算は、告示のホにあります。
若年性認知症利用者受入加算は、イについて1月につき800単位です。注のただし書きは、ニを算定している場合は算定しないとしています。
次に知りたいこと
登録した日から30日以内の期間に1日30単位を加算する初期加算は、小規模多機能の初期加算で整理しています。看護の機能を持つ側の認知症加算は、看護小規模多機能の認知症加算で、通所介護の側は通所介護の認知症加算で確認できます。
このページは、2026年11月6日に確認した告示の整理にとどまり、個別の事業所への算定の可否は判断しません。最新の取り扱いは、厚生労働省と市町村の案内で確認が必要です。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 登録者ごとに、認知症の状態を記録する。日常生活に支障を来すおそれのある症状又は行動が認められる認知症の者は(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)の対象で、要介護2で周囲の者による日常生活に対する注意を必要とする認知症の者は(Ⅳ)の対象である
- (Ⅰ)(Ⅱ)を算定する月は、前者の状態の対象者の数を数え、専門的な研修を修了した職員が足りるかを確かめる。20人未満なら1人以上で、20人以上は19を超えて10人又はその端数を増すごとに1人を足す
- 従業者に対する認知症ケアの会議を定期的に開いた記録と、(Ⅰ)では指導の研修を修了した者1名以上の配置、介護職員・看護職員ごとの研修計画を、月ごとに控える
- 区分の重ね方を確かめる。(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のいずれかを算定している場合はその他の加算を算定せず、若年性認知症利用者受入加算もニを算定している間は算定しない。研修の具体名や自立度との対応は留意事項通知と市町村の案内で確かめる
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
小規模多機能型居宅介護の認知症加算は、区分ごとにいくらですか?
算定告示の小規模多機能型居宅介護費のニは、(Ⅰ)を920単位、(Ⅱ)を890単位、(Ⅲ)を760単位、(Ⅳ)を460単位とし、いずれも1月につき加算します。(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のいずれかを算定している場合は、その他の加算は算定しません。
小規模多機能で認知症加算(Ⅱ)を算定するには、専門研修の修了者を何人配置しますか?
基準告示の第五十四号の五は、認知症介護に係る専門的な研修を修了した者を、対象者が20人未満なら1以上、20人以上なら1に、19を超えて10又はその端数を増すごとに1を加えた数以上配置するとしています。あわせて、従業者への認知症ケアの会議を定期的に開催している必要があります。
認知症加算(Ⅳ)の対象になる登録者は、どんな人ですか?
基準に適合する利用者等の告示(第94号)の第三十八号は、要介護状態区分が要介護2で、周囲の者による日常生活に対する注意を必要とする認知症の者としています。自立度との対応は留意事項通知で確かめてください。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)別表 4 小規模多機能型居宅介護費 イ〜タと注」(別表 4 小規模多機能型居宅介護費 イ(1)(2)・ロ(1ページ目末尾から2ページ目)、注1〜注12、ハ 初期加算、ニ 認知症加算、ホ 認知症行動・心理症状緊急対応加算、ヘ 若年性認知症利用者受入加算、ト 看護職員配置加算、チ 看取り連携体制加算、リ 訪問体制強化加算、ヌ 総合マネジメント体制強化加算、ル 生活機能向上連携加算、ヲ〜ヨ、タ 介護職員等処遇改善加算)(確認日 2026-10-19)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第五十四号の五 小規模多機能型居宅介護費及び看護小規模多機能型居宅介護費における認知症加算の基準」(第五十四号の五 イ(認知症加算(Ⅰ)の(1)から(4))・ロ((Ⅱ)はイ(1)及び(2)に適合))(確認日 2026-10-28)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(平成27年厚生労働省告示第94号)第三十八号・第五十二号 認知症加算の登録者」(第五十二号(複合型サービス費のニの注1・注2の登録者は第三十八号に規定する登録者)・第三十八号 イ・ロ)(確認日 2026-10-28)