運営 / 更新 2026-10-24

通所介護の認知症加算:1日60単位と4つの基準(認知症の人の割合は100分の15以上)

通所介護の認知症加算は、1日につき60単位です。認知症の利用者を受け入れる体制をつくった事業所が算定します。基準は4つで、基準上の職員に加えた常勤換算で2以上の追加配置、認知症の利用者が100分の15以上であること、研修を修了した人を1名以上配置すること、認知症ケアの会議を定期的に開くことです。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

単位数、届出、併せて算定できないもの

認知症加算の単位数は、平成12年厚生省告示第19号(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準)の別表にあり、通所介護費の注15が該当します。厚生労働省の法令データで、2026年10月24日に原文を確認しました。別に厚生労働大臣が定める利用者に通所介護を行った場合に、1日につき60単位を加算します。

算定するには、電子情報処理組織を使って都道府県知事に届出を行い、厚生労働大臣が定める基準に適合している必要があります。注7の共生型通所介護を算定している場合は、この加算は算定しません。

基準は、別の告示(平成27年厚生労働省告示第95号)の第十七号にあり、次の4つのすべてに適合することとされています。

認知症加算の4つの基準(告示の原文で確認)
基準内容
職員の追加配置基準上の看護職員または介護職員の員数に加え、看護職員または介護職員を常勤換算で2以上確保
利用者の割合前年度または算定日が属する月の前3月間の利用者の総数のうち、日常生活に支障を来すおそれのある症状または行動が認められることから介護を必要とする認知症の人が100分の15以上
研修を修了した人の配置通所介護を行う時間帯を通じて、専ら通所介護の提供に当たる、認知症介護の指導・専門的・実践的な研修などを修了した人を1名以上配置
認知症ケアの会議従業者に対する認知症ケアの事例の検討や技術的指導に係る会議を定期的に開催

この記事で決めること

通所介護(デイサービス)の認知症加算の単位数と、算定に要る4つの基準(職員の追加配置、認知症の利用者の割合、専従の研修修了者、事例検討などの会議)、若年性認知症利用者受入加算との関係を告示の原文で知りたい人向け。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、認知症加算の点検表(利用者の割合、追加配置の人数、研修修了者の配置、会議の開催日を月ごとに書く1枚)を作成できる状態を目指します。

基準1:基準上の員数に加えて2以上を確保する

1つ目は、通所介護の人員基準で定められた看護職員または介護職員の員数に加えて、看護職員または介護職員を常勤換算方法で2以上確保することです。告示は、人員基準の条文(指定居宅サービス等基準第93条第1項第2号または第3号)が定める員数を土台に、その上乗せを求めています。

人員基準の員数を満たすだけでは足りません。上乗せの2は、看護職員と介護職員のどちらで確保してもよいと読める文面です。常勤換算の数え方は別の条文にあり、この記事では確認していないので、算定を考える事業所は勤務表で数え直して指定権者の案内で確かめてください。

基準2:認知症の利用者が100分の15以上

2つ目は、利用者の総数のうち、日常生活に支障を来すおそれのある症状または行動が認められることから介護を必要とする認知症の人の占める割合が、100分の15以上であることです。見る期間は、前年度、または算定日が属する月の前3月間のどちらかです。

告示の文面は、この「認知症の人」を誰が何を根拠に判定するのか、また利用者の総数を実人数と延べ人数のどちらで数えるのかを定めていません。判定方法と計算方法は算定の通知で確かめる事項で、この記事では確認していません。利用者が増減したときは、割合が基準を下回らないか、月ごとに確かめておく必要があります。

基準3と基準4:研修を修了した人の配置と、認知症ケアの会議

3つ目は、通所介護を行う時間帯を通じて、専ら通所介護の提供に当たる人を1名以上配置することです。その人は、認知症介護の指導に係る専門的な研修、認知症介護に係る専門的な研修、または認知症介護に係る実践的な研修等を修了している必要があります。「時間帯を通じて」とあるので、営業時間の一部だけ配置する形は、文面から外れるおそれがあります。

4つ目は、従業者に対する認知症ケアに関する事例の検討や技術的指導に係る会議を、定期的に開催していることです。告示は、開催の頻度、参加者、記録の残し方を定めていません。どの研修が基準の研修に当たるか、会議を月何回開けばよいかは、告示には書かれておらず、算定の通知や指定権者の案内で確かめる事項です。

若年性認知症利用者受入加算との関係

通所介護には、同じ1日60単位の若年性認知症利用者受入加算(注16)もあります。介護保険法施行令第2条第6号の、初老期における認知症によって要介護者となった人を受け入れた場合の加算で、告示第十八号の基準は、受け入れた若年性認知症の利用者ごとに個別の担当者を定めていることです。

注16には、認知症加算を算定している場合は算定しない、と書かれています。同じ利用者について両方を重ねて算定することはできない文面です。対象となる利用者の範囲や、どちらを選ぶかの判断は、通知や指定権者の案内で確かめてください。

算定を考えるときの確認の順序

4つの基準のうち、すぐに数字で確かめられるのは利用者の割合です。認知症の人の人数と利用者の総数を、前年度と前3月間のそれぞれで数え、100分の15以上になる期間があるかを見ます。ただし、誰を「認知症の人」と数えるかは通知で確かめる必要があります。

割合を満たすと分かったら、勤務表で人員基準上の員数と上乗せの2を数え、研修を修了した人が通所介護を行う時間帯のすべてにいるかを確かめ、会議の開催の記録を整えます。人員の上乗せは人件費に直結するので、60単位の加算収入と比べて採算を見る必要があります。

同じ通所介護の加算のうち、入浴介助加算の記事と中重度者ケア体制加算の記事も告示の原文で整理しています。

この記事で確認した範囲と、次に知りたいこと

2026年10月24日に、告示第19号の別表と、厚生労働大臣が定める基準の第十七号・第十八号の原文を確認しました。確かめたのは、1日60単位、届出、共生型通所介護との関係、4つの基準の文面、若年性認知症利用者受入加算との関係です。留意事項通知の細目、認知症の人の判定方法、割合の計算方法、研修の修了要件、会議の頻度、様式、個別の利用者の算定可否は確認しておらず、書いていません。

算定できるかの判断は、指定権者に確認してください。通所介護の基本の単位数と主な加算は通所介護費の単位数、開設の全体像は通所介護の開設の全体像にまとめています。

この記事の認知症加算は、通所介護の告示の注15に定める加算です。認知症の人を対象とする別のサービスの報酬は、認知症対応型通所介護費の単位数で整理しています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 算定日が属する月の前3月間、または前年度の、利用者の総数と、日常生活に支障を来すおそれのある症状または行動が認められる認知症の利用者の人数を表に書き、割合が100分の15以上かを確かめる
  2. 人員基準で定められた看護職員・介護職員の員数を勤務表で確かめ、その員数に常勤換算で2以上を上乗せできている月かを数える
  3. 通所介護を行う時間帯を通じて、専ら通所介護の提供に当たる認知症介護の研修を修了した人が1名以上いる日を勤務表で確かめ、いない時間帯がないかを点検する
  4. 従業者に対する認知症ケアの事例検討や技術的指導の会議を開いた日を記録し、基準を満たす月に届出を行う。判定方法、会議の頻度、様式は指定権者の最新の案内で確かめる

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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