運営 / 更新 2026-10-25
小規模多機能型居宅介護の運営推進会議:2月に1回以上の開催・構成員・記録の公表と質の評価
小規模多機能型居宅介護の事業者は、利用者や家族、地域住民の代表者、市町村の職員などで構成する運営推進会議を設け、おおむね2月に1回以上、活動状況を報告して評価と助言を受けます。あわせて、自らの質の評価を行い、結果を公表する義務もあります。指定地域密着型サービスの基準省令(平成18年厚生労働省令第34号)の第34条、第72条、第87条、第88条をもとに、会議の間隔、構成員、記録の扱い、質の評価の公表を整理します。
会議を設ける根拠:第34条を第88条が準用している
運営推進会議の定めは、第34条(地域密着型通所介護の地域との連携等)にあります。小規模多機能型居宅介護の条文には会議の定めを書き直さず、第88条が第34条を準用する形になっています。第34条の「地域密着型通所介護について知見を有する者」は「小規模多機能型居宅介護について知見を有する者」に読み替えます。
つまり、小規模多機能型居宅介護の会議の義務を確かめるときは、第88条の読み替えを当てはめた第34条を読みます。同じ会議の義務を地域密着型通所介護の側から整理した記事は、「地域密着型通所介護の運営推進会議:開催の間隔・構成員・記録の公表」にあります。
この記事で決めること
小規模多機能型居宅介護を運営している、または始める事業者が、運営推進会議を開く間隔と構成員、会議の記録の扱い、事業所の質の評価と公表の義務を条文で確かめるための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、運営推進会議の年間管理表(開催予定日と実施日、構成員の出欠、報告した通いサービス・宿泊サービスの提供回数等、受けた評価・要望・助言、記録の作成日と公表日、保存期限)を作成できる状態を目指します。
開催の間隔と報告する内容:2月に1回以上、通いと宿泊の提供回数等
第34条第1項は、会議に対して活動状況を報告し、会議による評価を受け、会議から必要な要望と助言を聴く機会を設けることを求めています。地域密着型通所介護では「おおむね六月に一回以上」ですが、第88条は「六月」を「二月」に読み替えるため、小規模多機能型居宅介護は「おおむね2月に1回以上」になります。
報告する内容も読み替えられます。「活動状況」は「通いサービス及び宿泊サービスの提供回数等の活動状況」となり、通いと宿泊の提供回数を含めて報告します。条文は「おおむね」と書いているため、日程の細かい扱いは所在地の市町村に確かめます。
構成員とオンライン開催
第34条第1項は、会議を、利用者、利用者の家族、地域住民の代表者、事業所が所在する市町村の職員または事業所の区域を管轄する地域包括支援センターの職員、小規模多機能型居宅介護について知見を有する者等で構成する協議会としています。利用者、家族、地域住民の代表者、行政の職員、知見を有する者が条文に挙がり、「等」とあるため、これ以外の者を加えることもできる書き方です。
テレビ電話装置等を活用して行うこともできます。ただし、利用者等が参加する場合は、装置を使うことについて、その利用者等の同意を得なければなりません。
記録の作成・公表と2年間の保存
第34条第2項は、報告、評価、要望、助言等についての記録を作成するとともに、その記録を公表することを求めています。作成するだけでは足りず、公表までが義務です。公表の方法は条文に書かれていないため、掲示、ウェブサイトなどの扱いは所在地の市町村に確かめます。
保存については第87条第2項が、利用者へのサービス提供に関する記録を完結の日から2年間保存することを定めており、その第8号に、第34条第2項の報告、評価、要望、助言等の記録が含まれています。会議の記録は、居宅サービス計画や小規模多機能型居宅介護計画の記録と並ぶ、保存が必要な記録の一つです。
質の評価と公表:第72条第2項と、外部評価の条文との違い
第72条第2項は、小規模多機能型居宅介護の事業者が、自らその提供する指定小規模多機能型居宅介護の質の評価を行い、それらの結果を公表し、常にその改善を図ることを求めています。運営推進会議とは別の、事業所自身が行う評価と公表の義務です。
「外部の者による評価」を受けることを求めているのは、この基準省令の中では、認知症対応型共同生活介護の第97条第8項です。そこでは、自らの質の評価に加えて、外部の者による評価、または運営推進会議における評価のいずれかを定期的に受けて結果を公表するとされています。小規模多機能型居宅介護の第72条第2項には、この外部の者による評価を受ける定めは置かれていません。
評価の様式や公表の方法は、所在地の市町村の案内で確かめてください。
事業所で整えておく管理の例
ここは条文ではなく、義務を日付で確かめるための整理の例です。開催予定を前回の実施日から2月以内に収まる形で年間の予定表に置き、開催のたびに構成員の出欠、報告した通いと宿泊の提供回数等、受けた評価と助言、記録の作成日と公表日を残すと、第34条の報告、評価、記録、公表を一覧で点検できます。
質の評価は会議とは別の行として、評価を行った日、公表した日、改善した点を残します。この記事は基準省令の条文だけをもとにしており、留意事項通知による細目は確かめていないため、様式や運用は所在地の市町村に確かめます。
次に知りたいこと
従業者の員数、管理者、登録定員、設備の基準は「小規模多機能型居宅介護の指定基準:市町村が指定、員数・管理者・登録定員」にあります。訪問看護を組み合わせた類型の基準は「看護小規模多機能型居宅介護の指定基準:看護職員の員数・管理者・登録定員」で確かめられます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 開催日を前回の実施日から2月以内に収まるよう年間の予定に置き、構成員(利用者、家族、地域住民の代表者、市町村または地域包括支援センターの職員、知見を有する者)の出欠を会議ごとに記録する
- 会議では通いサービスと宿泊サービスの提供回数等の活動状況を報告し、評価、要望、助言を受けた内容をその場で書き留める
- 報告、評価、要望、助言の記録を作成して公表し、公表の方法と日付を管理表に残す。保存は完結の日から2年間とする
- 運営推進会議とは別に、自らの質の評価を行って結果を公表し、改善した点を記録する。公表の方法や様式は、所在地の市町村に確かめて回答を日付つきで残す
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(第34条 地域密着型通所介護の地域との連携等、第88条 小規模多機能型居宅介護への準用、第97条 認知症対応型共同生活介護の取扱方針、第182条 看護小規模多機能型居宅介護への準用)」(基準第34条第1項・第2項、第72条第2項、第87条第2項、第88条、第97条第8項、第182条)(確認日 2026-10-25)