事業計画 / 更新 2026-10-30

特別養護老人ホームの事業計画書と収支:従来型の要介護1は589単位・入所者3人に職員1以上

特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)の事業計画書の収支は、入所定員と設備、員数、月の収入、自社の費用の4つに分けると書けます。員数と設備は基準、月の収入は告示の1日あたりの単位数で決まります。この記事は、原文を2026年10月30日に確かめ、収入の式と数値例を整理し、建物の費用や給与の平均値は扱いません。

事業計画書の収支に入れる項目と、数字の根拠

下の表は、収支に入れる項目ごとに、数字の根拠と、自社で確かめる点を並べたものです。基準や告示で決まる項目と、自社の数字を入れる項目を分けています。

特別養護老人ホームは、入所者に対し、1日ごとに居室の種類と要介護度で決まる単位数を算定します。入所定員が大きいほど月の収入の上限も大きくなりますが、員数と建物の固定費も入所定員に応じて増えます。

特別養護老人ホームの収支に入れる項目(2026年10月30日確認)
項目根拠の数字自社で確かめる点
入所定員指定の対象は入所定員が30人以上で、都道府県の条例で定める数(介護保険法 第86条第1項)計画する居室数と入所定員
介護職員・看護職員合計は常勤換算で、入所者3人またはその端数ごとに1以上。看護職員のうち1人以上は常勤(基準 第2条第1項第3号・第6項)勤務表と、前年度の平均の入所者数(新規は推定数)
そのほかの職種医師は必要な数、生活相談員は入所者100人またはその端数ごとに1以上で常勤、栄養士または管理栄養士・機能訓練指導員は各1以上、介護支援専門員は1以上(同条)常勤の要件と、兼務できる職員
居室定員は1人(必要なら2人)。入所者1人当たりの床面積は10.65平方メートル以上(基準 第3条第1項第1号)図面の床面積
食堂・機能訓練室合計面積は3平方メートルに入所定員を乗じた面積以上(第3条第1項第7号)図面の面積
基本の収入従来型の(Ⅰ)は要介護1が589、2が659、3が732、4が802、5が871単位(1日につき。告示 別表 1 イ)要介護度ごとの入所者数の見込み
賃料・食材・給与ほかこの記事は数字を示さない見積書と求人条件で確かめた自社の数字

この記事で決めること

特別養護老人ホーム(入所定員30人以上の介護老人福祉施設)の開設を考える事業者が、事業計画書の収支に何を入れるのかを、基準の員数と設備、告示の1日あたりの単位数から知り、入所者数から月の収入を見積もる式を確かめる。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、特別養護老人ホームの収支計画の入力表(入所定員、居室数と床面積、食堂と機能訓練室の面積、医師・生活相談員・介護職員・看護職員・栄養士・機能訓練指導員・介護支援専門員の人数、要介護度別の入所者数と月の日数、1単位の単価、人件費と固定費)を作成できる状態を目指します。

入所定員から決まる固定費:30人以上の施設として計画する

介護保険法の第86条第1項は、指定介護老人福祉施設の指定を、特別養護老人ホームのうち、入所定員が30人以上で、都道府県の条例で定める数であるものの開設者の申請について行うと定めています。指定を行うのは都道府県知事です。入所定員が29人以下の場合は地域密着型介護老人福祉施設となり、指定する者も基準も異なります。

条例で定める数は都道府県で違う場合があり、この記事では条例を読んでいません。居室数が入所定員の上限になるため、建物の計画の段階で、居室数と収入の上限をそろえて見積もります。基準の全体は特別養護老人ホームの指定基準にまとめています。

員数から決まる固定費:入所者3人ごとに介護職員と看護職員の合計1以上

指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準の第2条第1項は、介護職員と看護職員の総数を、常勤換算方法で、入所者の数が3またはその端数を増すごとに1以上としています。文言のとおり読むと、入所者が30人なら10以上です。看護職員のうち1人以上は常勤でなければなりません。

このほか、医師は入所者の健康管理と療養上の指導に必要な数、生活相談員は入所者100人またはその端数を増すごとに1以上で常勤、栄養士または管理栄養士と機能訓練指導員は各1以上、介護支援専門員は1以上(入所者100人またはその端数ごとに1を標準)で、原則として専らその職務に従事する常勤の者です。入所定員が40人を超えない施設は、他の社会福祉施設等の栄養士等との連携で支障がないときに、栄養士等を置かないことができます。

入所者の数は前年度の平均値で、新規に指定を受ける場合は推定数によります。看護職員の人数の細かい区分と、サテライト型居住施設や併設事業所の特例は、この記事では扱いません。

設備から決まる固定費:居室1人10.65平方メートル以上

基準の第3条第1項は、居室の定員を1人とし、サービス提供上必要と認められる場合は2人にできるとしています。入所者1人当たりの床面積は10.65平方メートル以上です。入所者が30人なら、居室の床面積の合計は319.5平方メートル以上です。

居室のほか、静養室、浴室、洗面設備、便所、医務室、食堂と機能訓練室、廊下幅、消火設備その他の非常災害に必要な設備を設けます。食堂と機能訓練室の合計面積は、3平方メートルに入所定員を乗じた面積以上で、定員が30人なら90平方メートル以上です。廊下幅の細目と、ユニット型の設備の基準は、この記事では確認していません。

月の収入の式:要介護度別の入所者数×単位数×日数×1単位の単価

告示の別表の1のイは、従来型の介護福祉施設サービス費を、(Ⅰ)も(Ⅱ)も、要介護1が589、要介護2が659、要介護3が732、要介護4が802、要介護5が871単位(1日につき)としています。ロのユニット型は、670・740・815・886・955単位です。経過的小規模介護福祉施設サービス費は694・762・835・903・968単位です。

月の収入は、要介護度ごとの入所者数に単位数を掛けて足し、月の日数と1単位の単価を掛けた額です。1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で決まります。減算の細目と加算の単位数はこの記事で扱わず、特別養護老人ホームの単位数にまとめています。

数値例:従来型で入所者30人の場合の月の収入

式を確かめるための仮の数字を置きます。従来型の(Ⅰ)で、入所者が30人、内訳は要介護3が8人、要介護4が12人、要介護5が10人、月の日数は30日、1単位は仮に10円とします。

1日の単位数は、8人×732+12人×802+10人×871=5,856+9,624+8,710=24,190単位です。月は24,190×30日=725,700単位で、月の収入は7,257,000円です。加算、減算、地域の割合は入れていません。

この規模で、介護職員と看護職員の合計は30÷3で10以上、生活相談員は1以上です。入所が定員に届かない月は、入所者数を少なくして見積もり、入所が進むまでの月に、収入が人件費と賃料を下回る期間を、月ごとの表で見積もります。

費用側で自社の数字を入れる項目

費用は、介護職員・看護職員・生活相談員・栄養士・機能訓練指導員・介護支援専門員・医師の給与と社会保険料、建物の償却または賃料、食材費、介護用品、記録や請求のシステム、研修費に分けて書きます。この記事は、給与や建物の費用の平均値を示しません。求人条件、見積書、契約条件で確かめた自社の数字を入れます。

入所定員が29人以下の場合の収支は地域密着型介護老人福祉施設の事業計画書と収支で、組み立てを比べられます。

この記事で確認した範囲

確認したのは、従業者の員数と居室・食堂などの設備の基準の原文と、従来型とユニット型の基本の単位数で、2026年10月30日に読んだ内容です。員数と設備は指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準の第2条・第3条をe-Gov法令検索で、単位数は厚生労働省の告示で確かめました。

各減算の細目、各加算の届出基準、処遇改善加算の率、開設者の要件、サテライト型居住施設の特例、ユニット型の設備の基準、都道府県の条例の個別の定め、地域区分ごとの単価の値、給与や建物の費用の平均値は確認しておらず、扱っていません。個別の施設の収支は、自社の数字と、施設を置く都道府県への確認で決めてください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 指定を受ける都道府県の窓口に、開設者の要件、入所定員の下限、指定の手順を確かめる。居室の定員が1人(必要なら2人)か、入所者1人当たりの床面積が10.65平方メートル以上か、食堂と機能訓練室の合計が3平方メートル×入所定員以上かを、図面で確かめる
  2. 前年度の平均の入所者数(新規は推定数)から、介護職員と看護職員の合計が常勤換算で入所者3人またはその端数ごとに1以上、生活相談員が100人またはその端数ごとに1以上となる人数を、勤務表で確かめる。看護職員のうち1人以上、生活相談員、介護支援専門員は常勤にする
  3. 月の収入は、要介護度ごとに、入所者数に1日の単位数を掛けて足し、月の日数を掛ける。入所が定員に届かない月は、入所者数を少なくして見積もる。加算は、届出の見込みがあるものだけを足す
  4. 1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で告示の表から確かめる。職員の給与、建物の償却または賃料、食材費、介護用品は、見積書と求人条件の自社の数字を入れ、入所が進むまでの月に収入が人件費を下回る期間を月ごとの表で見積もる

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

特別養護老人ホームの事業計画書の収入は、何で決まりますか?

居室の種類と要介護度で決まる1日の単位数です。従来型の介護福祉施設サービス費は、要介護1から5まで589・659・732・802・871単位、ユニット型は670・740・815・886・955単位です。月の収入は、要介護度ごとの入所者数に単位数を掛けて足し、月の日数と1単位の単価を掛けて出します。

特別養護老人ホームに必要な介護職員と看護職員は、何人ですか?

基準の第2条第1項は、介護職員と看護職員の総数を、常勤換算で入所者3人またはその端数を増すごとに1以上としています。入所者が30人なら10以上で、看護職員のうち1人以上は常勤です。入所者の数は前年度の平均値で、新規は推定数によります。

特別養護老人ホームの居室と食堂の広さは、事業計画書でどう見積もりますか?

基準の第3条は、入所者1人当たりの居室の床面積を10.65平方メートル以上、食堂と機能訓練室の合計を3平方メートルに入所定員を掛けた面積以上としています。入所定員が30人なら、居室は合計319.5平方メートル以上、食堂と機能訓練室は90平方メートル以上です。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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