運営 / 更新 2026-10-22

特定事業所加算の指示・報告書テンプレート:提供前5項目と提供後の記録

特定事業所加算では、サービス提供責任者が担当の訪問介護員等へ利用者の情報と留意事項を確実に伝えてからサービスを始め、終了後に報告を受け、その内容を保存します。このページでは、提供前の指示と提供後の報告を一枚で追える空欄テンプレートと架空の記入例を示します。国や指定権者の公式様式ではないため、届出や運営指導の前には所在地を管轄する指定権者の案内と照合してください。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

指示・報告の記録で分ける3つの時点

記録は、提供前の指示、サービスの実施、提供後の報告を分けます。特定事業所加算の体制要件で求められるのは、サービス提供責任者から担当の訪問介護員等への事前の情報伝達と、終了後の報告を受ける体制です。実際に提供した具体的なサービス内容を利用者ごとに残す訪問介護のサービス提供記録とは目的が異なります。

指示は口頭だけで終えず、直接会って文書を渡す方法のほか、FAX、メール等の確実な方法で伝えます。提供後に受けた報告は、サービス提供責任者が文書または電磁的記録で保存します。

京都府の添付書類一覧でも、サービス提供責任者が留意事項を訪問介護員へ確実に伝達する様式と、担当の訪問介護員からの報告様式が確認書類として挙げられています。提出物や様式は指定権者によって異なるため、このテンプレートをそのまま提出するのではなく、管轄の案内を優先します。

この記事で決めること

訪問介護の特定事業所加算を運用する事業者が、サービス提供責任者から訪問介護員等への提供前の指示と、提供後に受けた報告を一つの様式で記録し、保存まで漏れなく行えるようにするための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、サービス提供前の指示・提供後の報告記録(利用者の記録ID、提供予定、担当者、ADL・意欲、主な訴え・特段の要望、家族を含む環境、前回の提供状況、必要な留意事項と変化、指示日時・方法、提供後の報告、受領者、保存先)を作成できる状態を目指します。

空欄テンプレート:提供前の指示5項目

留意事項通知が指示に含める事項として挙げる5項目と、その変化の動向を並べます。利用者の氏名ではなく記録IDを使う欄、担当者、日時、伝達方法、受領確認は、誰への指示かを事業所内で追うために加えたサイト独自の管理項目です。

提供前の指示記録(サイト独自の空欄テンプレート)
項目記入欄記入の考え方
利用者と提供予定記録ID:____/提供予定:__年__月__日__時/担当者:____利用者と担当の訪問を事業所内で特定する
ADL・意欲________________移動、食事、排泄等の状態とサービスへの意欲を書く
主な訴え・特段の要望________________本人の訴えと、その回のサービスで特に求めていることを書く
家族を含む環境________________同居・訪問する家族や住環境など、提供時に関係する状況を書く
前回のサービス提供時の状況________________前回に確認した状態、支援の状況、引き継ぐ事項を書く
その他必要な事項________________当日の安全確保や提供手順に必要な留意事項を書く
変化の動向□変化なし □変化あり:________前回までと比べた変化を、上の項目と対応させる
指示と受領指示者:____/日時:____/方法:□手交 □FAX □メール □その他__/受領者:____誰から誰へ、いつ、どの方法で伝えたかを残す

空欄テンプレート:提供後の報告と保存

留意事項通知は、サービス提供責任者が報告内容を保存することを定めていますが、報告欄の全国一律の項目までは列挙していません。次の項目は、指示との対応、変化への対応、保存までを事業所内で追うための独自項目です。指定権者や法人の様式に定めがあれば、その項目を優先してください。

提供後の報告記録(サイト独自の空欄テンプレート)
項目記入欄記入の考え方
実施日時と報告者実施:__年__月__日__時〜__時/報告者:____どのサービスに対する報告かを特定する
利用者の状況と変化________________提供中に確認した状態と、指示時点からの変化を書く
指示との差異□なし □あり:________予定と異なる対応をした場合に、内容と理由を書く
連絡・対応□不要 □実施:相手____/日時____/内容____急変や追加確認があった場合の連絡を残す
報告と受領報告日時:____/方法:____/受領したサービス提供責任者:____報告がサービス提供責任者へ届いたことを残す
保存保存先:____/関連するサービス提供記録:____文書または電磁的記録の所在を追えるようにする

記載を更新する時点と、例外時の運用

前回のサービス提供時の状況を除く4項目は、変更があったときに記載すれば足りるとされています。固定情報を毎回書き直すのではなく、変更の有無を確認し、変更があれば該当項目と変化の動向を更新します。前回の提供状況は、今回の担当者が直前の様子を把握できるようにします。

同じ訪問介護員等が同じ利用者を1日に複数回訪問し、体調の急変など特段の事情がない場合、その利用者について指示と報告を省略できます。省略する場合も、急変などがなかったことを事業所の運用で確かめられるようにします。

サービス提供責任者が不在の時間帯は、事前に一括して指示し、サービス後に報告を受ける方法が認められています。この場合は、前回の提供状況等を訪問介護員等の間で引き継ぎ、急変時にサービス提供責任者と連絡できる体制を確保します。

架空の記入例:朝の生活援助を引き継ぐ場合

次の例は、欄同士のつながりを示す架空のものです。個人を特定する情報、実在する日時、医療上の判断は含みません。実際の指示は利用者の訪問介護計画と当日の状況に合わせます。

指示・報告記録の架空の記入例
時点記入例次の対応
提供前記録ID A-01。前回は台所まで自分で移動。今朝は家族から『少し疲れている』との連絡あり。移動時の様子を確認し、無理をさせないメールで担当者へ送り、受領の返信を確認する
提供後台所まで休みながら移動。予定した生活援助を実施。普段より休憩が多かったため、終了後にサービス提供責任者へ報告サービス提供責任者が報告を受領し、記録を保存する
連携サービス提供責任者が家族から受けた情報と担当者の報告を照合し、次回の担当者へ変化を引き継ぐ必要に応じてケアマネジャー等への連絡を事業所の手順で判断する

体制要件と日々の記録をつなぐ

指示・報告以外の研修計画、会議、健康診断、緊急時対応を含む全体は特定事業所加算の体制要件4項目で確認できます。職員一人ごとの研修様式は特定事業所加算の個別研修計画書テンプレート、実際に提供した内容の記録は訪問介護のサービス提供記録で整理しています。

運用を始める前に、指示を出す人、受領を確認する方法、報告期限、急変時の連絡先、保存先を事業所内で決めます。そのうえで、管轄する指定権者の最新の届出案内と法人の記録様式を照合し、不足する欄を追加してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. サービス提供責任者が、提供前に利用者のADL・意欲、主な訴え・特段の要望、家族を含む環境、前回の提供状況、その他必要な事項と変化を整理する
  2. 担当する訪問介護員等へ、手交、FAX、メール等の確実な方法で指示し、指示した日時、方法、送信者と受信者を記録する
  3. 訪問介護員等がサービス後に利用者の状況と気づいた変化を報告し、サービス提供責任者が受領日時と対応の要否を記録する
  4. 指示と報告の記録を利用者の記録IDで対応させ、事業所の保存方法に従って文書または電磁的記録で保存する

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

特定事業所加算の提供前の指示には何を書きますか?

留意事項通知は、少なくとも、利用者のADLや意欲、主な訴えやサービス提供時の特段の要望、家族を含む環境、前回のサービス提供時の状況、その他サービス提供に当たって必要な事項を挙げています。変化の動向も含めて記録します。

指示は紙を手渡さなければなりませんか?

手渡しに限られません。留意事項通知は、直接面接しながら文書を手交するほか、FAX、メール等によることも可能としています。誰から誰へ、いつ、どの方法で伝えたかを追えるようにします。

サービス提供後の報告には決められた必須項目がありますか?

留意事項通知は、サービス提供責任者が報告内容を文書または電磁的記録で保存することを求めていますが、報告欄の全国一律の項目までは列挙していません。このページの報告欄は、事業所で運用を追うための独自項目です。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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