運営 / 更新 2026-10-14

特定事業所加算の人材要件の割合の計算と数値例(別紙9)

特定事業所加算の人材要件は、訪問介護員等の総数に占める介護福祉士などの割合を、常勤換算で数えて確かめます。数える期間は前年度(3月を除く)または届出日の属する月の前3月の1月当たりの平均で、資格の有無は各月の前月末日の時点で判断します。厚生労働省の留意事項通知(老企第36号)の文言と、京都府の別紙9の記入欄にそって、架空の数値例で順に計算します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

特定事業所加算の届出を考える訪問介護事業所の管理者が、別紙9の人材要件の欄に書く常勤換算の人数と介護福祉士などの割合を、留意事項通知の数え方にそって数値例で計算するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、人材要件の割合の計算表(月ごとの訪問介護員等の勤務延時間数と常勤換算数、資格者の勤務延時間数と常勤換算数、期間の平均、割合)を作成できる状態を目指します。

この記事で計算するもの:別紙9の人材要件の欄

届出書のうち、区分(Ⅰ)〜(Ⅳ)の届出書(別紙9)の「2.人材要件」の(1)訪問介護員等要件に、常勤換算した訪問介護員等の総数と、そのうちの介護福祉士などの人数を書き、割合が基準に届くかを確かめる欄があります(京都府の様式、2026-10-14確認)。人材要件の割合だけを書く別の計算書の名称は、この様式には出てきません。重度要介護者等対応要件の割合は別紙9-3で別に計算します。

区分ごとの加算率と要件の一覧は訪問介護の特定事業所加算(Ⅰ)〜(Ⅴ)の単位(加算率)と算定要件一覧(体制・人材)に、別紙の使い分けと添付書類は特定事業所加算の届出書類:別紙9・9-2・9-3と添付書類8点(京都府)にあります。この記事は、別紙9の人材要件の欄に入れる数字の出し方に絞ります。

通知が定める数え方:期間・常勤換算・資格の判断日

留意事項通知(老企第36号、平成27年度改正版)は、介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員基礎研修課程修了者及び一級課程修了者の割合を、前年度(3月を除く)または届出日の属する月の前3月の1月当たりの実績の平均について、常勤換算方法により算出した数を用いて算出すると定めています。

常勤換算方法とは、事業所の従業者の勤務延時間数を、事業所で常勤の従業者が勤務すべき時間数で割って、従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法です(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第2条第8号)。

資格は、各月の前月の末日時点で資格を取得している、または研修の課程を修了している者で判断します。月の途中で資格を取った職員は、その月ではなく翌月から数えます。看護師等の資格を持つ人は、一級課程の全科目を免除できたことから、一級課程修了者に含めて差し支えないとされています。

人材要件の割合の数え方(通知の文言の整理)
項目通知の定め
数える期間前年度(3月を除く)、または届出日の属する月の前3月。1月当たりの実績の平均
人数の単位常勤換算方法で算出した数(勤務延時間数÷常勤が勤務すべき時間数)
資格の判断日各月の前月の末日時点で資格取得・研修修了している者
前年度の実績が6月に満たない事業所新規開設・再開の事業所を含め、前年度の実績による届出はできない
前3月の実績で届出した後届出後も直近3月間の割合を毎月維持し、毎月ごとに記録する。下回ったときは直ちに届出(第一の5)が必要

数値例:前3月の実績で介護福祉士の割合を出す(架空の事業所)

次の数値は説明用の架空の例で、実在の事業所の値ではありません。常勤が勤務すべき時間数を月160時間とし、届出日の属する月の前3月を使うとします。

手順は、月ごとに全体と介護福祉士それぞれの勤務延時間数を160で割って常勤換算数を出し、3か月分を平均して別紙9の欄に書く人数にし、割合を出す流れです。

前3月の常勤換算(架空の例、常勤が勤務すべき時間数は月160時間)
月訪問介護員等全体の勤務延時間数全体の常勤換算数介護福祉士の勤務延時間数介護福祉士の常勤換算数
1か月目960時間6.0320時間2.0
2か月目1,120時間7.0336時間2.1
3か月目1,040時間6.5352時間2.2
3か月の平均—6.5—2.1

別紙9に書く数字と、30%・50%の判定

上の例では、別紙9の(1)①「訪問介護員等の総数(常勤換算)」が6.5人、②「介護福祉士の総数(常勤換算)」が2.1人です。割合は 2.1÷6.5=約32.3% で、30%以上に届きます。

③「介護福祉士・実務者研修修了者・介護職員基礎研修課程修了者・一級課程修了者の総数」は、介護福祉士に実務者研修修了者などを足した数です。例えば実務者研修修了者の常勤換算の3か月平均が1.2人なら、③は 2.1+1.2=3.3人で、3.3÷6.5=約50.8% となり、50%以上に届きます。

別紙9は、②・③についてはいずれかを記載することで可、とされています(京都府の様式)。介護福祉士だけで30%に届く事業所は②だけで足り、届かない事業所は③の50%で確かめます。①は必ず書きます。

割合が基準ぎりぎりのときは、月ごとの割合も出しておくと安心です。この例の月ごとの介護福祉士の割合は、1か月目が約33.3%、2か月目が30.0%、3か月目が約33.8%です。通知は届出後も毎月の割合を維持して記録するよう求めているため、退職や勤務時間の変動で割合が下がる月がないか、毎月同じ表で追いかけます。

勤続年数要件の割合も同じ形で数える

区分(Ⅲ)(Ⅳ)の勤続年数要件のうち、勤続7年以上の訪問介護員等の割合も、通知は前年度(3月を除く)または届出日の属する月の前3月の1月当たりの実績の平均を、常勤換算方法により算出した数で数えると定めています。別紙9の(3)に、訪問介護員等の総数(常勤換算)と、そのうち勤続7年以上の者の総数(常勤換算)を書き、30%以上かを確かめます。

ここでの計算は、上の表の介護福祉士の列を、勤続7年以上の人の勤務延時間数に置き換えるだけです。勤続年数の数え方の細かな扱いは、この記事では確認していないため、指定権者に確かめてください。

提出前に確かめること

数え方の根拠として、前3月か前年度かを別紙9の□で選ぶ必要があります。前年度の実績が6月に満たない事業所は、前年度の実績では届け出られないため、前3月を選びます。

月ごとの勤務延時間数は、勤務表や賃金台帳から出せるようにしておき、資格証の写しと、各月の前月末日時点で資格を持つ職員の名簿をそろえておきます。様式の細かな記入方法や添付書類は指定権者によって違うため、最終的には指定権者の案内に従ってください。

要件の数え方を確かめたあと、重度要介護者等の割合は別紙9-3で計算します。体制要件の運用は特定事業所加算の体制要件4項目:会議・研修計画・健康診断・緊急時対応の記録にあります。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 数える期間を、前年度(3月を除く)か届出日の属する月の前3月かで決め、常勤が勤務すべき時間数を月ごとに確かめる
  2. 月ごとに、訪問介護員等全体と、各月の前月末日時点で資格を持つ職員だけの勤務延時間数を勤務表から集め、常勤換算数を出す
  3. 期間の平均を出して別紙9の人材要件の欄に書く人数にし、介護福祉士の割合と、実務者研修修了者などを加えた割合を計算する
  4. 月ごとの割合も表に残し、届出後も毎月、割合が基準を下回っていないか記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 特定事業所加算の届出書類:別紙9・9-2・9-3と添付書類8点(京都府) →