事業計画 / 更新 2026-10-30

特定福祉用具販売の事業計画書と収支:専門相談員は2以上・支給は9割で年10万円が限度

特定福祉用具販売の事業計画書の収支は、人員の基準、購入費の支給の仕組み、販売価格と仕入れ、自社の費用の4つに分けると書けます。売上は販売件数に1件の販売価格を掛けて足し、保険給付は購入費の9割で、販売は原則として年間10万円が支給限度基準額です。この記事は、原文を2026年10月30日に確かめ、売上の式と数値例を整理し、商品の販売価格や仕入れ価格の相場は扱いません。

事業計画書の収支に入れる項目と、数字の根拠

下の表は、収支に入れる項目ごとに、数字の根拠と、自社で確かめる点を並べたものです。法令や資料で決まる項目と、自社の数字を入れる項目を分けています。

貸与と違い、販売は単位数の報酬がありません。売上は、利用者に販売した商品の販売価格そのものです。

特定福祉用具販売の収支に入れる項目(2026年10月30日確認)
項目根拠の数字自社で確かめる点
人員福祉用具専門相談員は事業所ごとに常勤換算で2以上(基準 第208条第1項)勤務表と、貸与との兼務の有無
管理者常勤で、専らその職務に従事。管理上支障がなければ他の職務との兼務も可(基準 第209条)管理者の兼務の範囲
設備事業の運営に必要な広さの区画と、販売に必要な設備及び備品等(基準 第210条)図面と展示用の備品の見積書
売上の元利用者から販売費用の額(現に購入に要した費用の額)の支払を受ける(基準 第212条第1項)取り扱う商品と販売価格
保険給付購入費の100分の90を市町村が購入した利用者に支給(介護保険法 第44条第3項)。資料では所得に応じて8割・7割の支給もある利用者ごとの負担割合
支給の上限販売は原則として年間10万円が支給限度基準額利用者ごとの年間の購入額
別に受け取れる費用実施地域外の交通費、搬入に特別な措置が必要な場合の費用(基準 第212条第2項)あらかじめの説明と同意
仕入れ・給与・賃料ほかこの記事は数字を示さない卸の見積書と求人条件で確かめた自社の数字

この記事で決めること

特定福祉用具販売の開業を考える事業者が、事業計画書の収支に何を入れるのかを、人員の基準と購入費の支給の仕組みから知り、利用者の購入額から月の売上を見積もる式を確かめる。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、特定福祉用具販売の収支計画の入力表(福祉用具専門相談員の人数と管理者、取り扱う種目、月ごとの販売件数と1件の販売価格、仕入れ率、人件費と固定費)を作成できる状態を目指します。

人員と設備:福祉用具専門相談員は常勤換算で2以上

基準の第208条第1項は、指定特定福祉用具販売事業所ごとに、福祉用具専門相談員を常勤換算方法で2以上置くことを定めています。同じ事業所で貸与や介護予防の福祉用具の指定を併せて受け、一体的に運営している場合は、第2項で、それぞれの人員の基準を満たすことで足りるとみなせます。

第209条は、事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置くと定めています。管理上支障がない場合は、同じ事業所の他の職務や、他の事業所、施設等の職務を兼ねることもできます。設備は第210条が、必要な広さの区画と、販売に必要な設備及び備品等を求めています。

専門相談員の資格や販売計画書の作成の細目は特定福祉用具販売の指定基準にまとめています。

売上の式:販売件数×1件の販売価格。保険給付は購入費の9割

介護保険法の第44条は、市町村が、指定を受けた事業者から特定福祉用具を購入した居宅要介護被保険者に、居宅介護福祉用具購入費を支給すると定めています。額は、現に購入に要した費用の額の100分の90です。支給の相手は購入した利用者で、事業者に単位数の報酬が入るのではありません。

基準の第212条第1項は、事業者が、販売を提供した際に販売費用の額の支払を受けると定めています。事業計画書の売上には、利用者が事業者に支払う販売費用の額を入れます。月の売上は、販売件数に1件の販売価格を掛けて、種目ごとに足します。

厚生労働省の審議会資料は、福祉用具の貸与と購入は、公定価格を定めず、現に要した費用の額により保険給付する仕組みで、原則9割、所得に応じて8割・7割を支給すると説明しています。販売価格は事業者が決めるため、売上の計画には商品ごとの自社の価格表を使います。

年間10万円の支給限度基準額が、売上の計画に与える影響

同じ審議会資料は、販売は原則として年間10万円を支給限度基準額としていると説明しています。介護保険法第44条第4項は、月を単位として定める期間に購入した分の支給額の総額が、この基準額を基礎に算定した額の100分の90を超えることはできないと定めています。市町村は、条例でこの基準額を引き上げることもできます(同条第6項)。

このため、利用者1人が同じ年間(期間の細目は市町村で確認)に購入する販売価格の合計が10万円を超える場合は、原則として超えた分に保険給付がつきません。計画書では、1件の販売価格が高い商品を月に何件売るかだけでなく、同じ利用者が複数の種目を買う場合の合計額も確かめます。基準額の考え方は特定福祉用具販売の対象種目で整理しています。

数値例:1件2万円の商品を月に10件売る月と、1人が12万円を買う場合

式を確かめるための仮の数字を置きます。1件の販売価格が仮に2万円の商品を月に10件販売し、全員が9割の支給を受け、年間の購入額が10万円以内とします。月の売上は2万円×10件=20万円で、市町村から購入者に支給される額は18,000円×10件=18万円です。

1人が1年に、仮に合計12万円の特定福祉用具を購入した場合は、支給の対象は基準額の10万円までで、支給は10万円×9割=9万円です。販売価格12万円のうち、保険給付を除く3万円が利用者の負担になります。利用者への説明を販売の前に済ませる前提で、販売件数を見積もります。

売上のほかに、実施地域外へ運ぶ交通費や、搬入に特別な措置が必要な場合の費用は、あらかじめ説明して利用者の同意を得れば受け取れます(基準 第212条第2項・第3項)。売上の本体とは別の行に書きます。

費用側で自社の数字を入れる項目

費用は、商品の仕入れ、福祉用具専門相談員の給与と社会保険料、管理者の人件費、事務所の賃料、展示用の商品、販売計画書の作成や記録のシステム、研修費に分けて書きます。この記事は、仕入れ率や給与の平均値を示しません。卸の見積書、求人条件、契約条件で確かめた自社の数字を入れます。

販売計画書は、利用者の心身の状況や希望を踏まえて福祉用具専門相談員が作成し、利用者に説明して同意を得て交付します(基準 第214条の2)。作成の手間は、人件費の見積もりに含めます。貸与も扱う場合の収支は福祉用具貸与事業所の事業計画と収支で比べられます。

この記事で確認した範囲

確認したのは、人員・管理者・設備・販売費用の額・販売計画書の基準の原文と、購入費の支給の額の法律の原文、年間10万円の支給限度基準額の資料で、2026年10月30日に読んだ内容です。法律と基準はe-Gov法令検索で、年間の限度と負担割合は厚生労働省の審議会資料で確かめました。

商品ごとの販売価格、仕入れ価格、市町村ごとの条例による基準額、支給の手続きの細目、給与や賃料の平均値は確認しておらず、扱っていません。個別の事業所の収支は、自社の数字と、指定を受ける都道府県または市への確認で決めてください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 福祉用具専門相談員が常勤換算で2以上、管理者が常勤で専らその職務に従事することを勤務表で確かめる。貸与の指定を併せて受け、同一の事業所で一体的に運営する場合の人員の扱いは、指定を受ける都道府県または市の窓口で確かめる
  2. 月の売上は、販売件数に1件の販売価格を掛けて足す。保険給付は購入費の9割で、利用者ごとに年間10万円の支給限度基準額を基礎に上限があるため、販売価格の合計が10万円を超える利用者は、原則として超えた分に保険給付がつかないこと(市町村の条例で基準額が異なる場合は市町村に確認)を説明する前提で件数を見積もる
  3. 売上のほか、遠方の訪問の交通費と、搬入に特別な措置が必要な場合の費用を、利用者の同意を得て受け取れる収入として別の行に分ける。商品の仕入れ価格は、卸の見積書の自社の数字を入れる
  4. 福祉用具専門相談員の給与、事務所の賃料、展示用の商品、記録と販売計画書のシステム、研修費は、見積書と求人条件の自社の数字を入れ、売上が費用を下回る期間を月ごとの表で見積もる

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

特定福祉用具販売の売上は、何で決まりますか?

販売件数と、1件ごとの販売価格で決まります。福祉用具には保険給付上の公定価格がなく、現に購入に要した費用の額で給付される仕組みです。利用者は販売費用の額を事業者に支払い、市町村が購入費の9割を利用者に支給します。

特定福祉用具販売の事業計画に、福祉用具専門相談員は何人必要ですか?

基準の第208条第1項は、事業所ごとに福祉用具専門相談員を常勤換算で2以上と定めています。管理者は第209条で常勤の専従が原則で、管理上支障がない場合は他の職務との兼務ができます。

特定福祉用具販売の年間10万円の限度は、売上の計画にどう影響しますか?

厚生労働省の資料によると、販売は原則として年間10万円が支給限度基準額です。利用者1人が1年に購入する販売価格の合計が10万円を超えると、超えた分は保険給付の対象外になります。件数を見積もるときは、利用者ごとの購入額を10万円と比べます。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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