事業計画 / 更新 2026-10-29

福祉用具貸与事業所の事業計画と収支:専門相談員は常勤換算2以上・貸与価格の上限

福祉用具貸与事業所の事業計画の収支は、基準で決まる福祉用具専門相談員の配置と保管・消毒の設備、貸与価格の上限、貸与収入、在庫の費用の4つに分けると書けます。この記事は、基準と審議会資料を2026年10月29日に確かめ、貸与収入の組み立て方と、在庫の費用を入力する考え方を整理します。仕入れ価格や貸与価格の相場は扱いません。

事業計画の収支に入れる項目と、数字の根拠

下の表は、収支に入れる項目ごとに、根拠と、自社で確かめる点を並べたものです。基準で決まる項目と、自社の数字を入れる項目を分けています。

福祉用具貸与事業所の収支に入れる項目(2026年10月29日確認)
項目根拠自社で確かめる点
福祉用具専門相談員常勤換算方法で2以上(基準 第194条第1項)常勤換算の勤務時間の数え方と配置表
管理者専らその職務に従事する常勤。管理上支障がなければ兼務可(基準 第195条)兼務する職務の範囲
保管と消毒の設備保管及び消毒のための設備及び器材と、運営に必要な区画(基準 第196条第1項)自社の設備か、委託か
貸与収入公定価格はなく、現に要した費用の額で給付。原則9割(審議会資料)商品ごとの貸与件数と月の貸与価格
貸与価格の上限月平均100件以上の商品は、全国平均貸与価格+1標準偏差を超えると給付の対象外(審議会資料)厚生労働省が公表する上限価格との比較
仕入れ・在庫の費用この記事は数字を示さない見積書の仕入れ価格と、貸し出せる月数

この記事で決めること

福祉用具貸与の開業を考える事業者が、事業計画の収支に何を入れるのかを、基準の人員と設備、貸与価格の上限の仕組みから知り、貸与収入と在庫の費用を組み立てる考え方を確かめる。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、福祉用具貸与の収支計画の入力表(福祉用具専門相談員の常勤換算、種目別の貸与件数と月の貸与価格、保管と消毒の方法、仕入れ価格と貸し出せる月数、人件費と固定費)を作成できる状態を目指します。

人員と設備から決まる固定費:専門相談員は常勤換算で2以上

指定居宅サービス等の基準の第194条第1項は、指定福祉用具貸与事業所ごとの福祉用具専門相談員の員数を、常勤換算方法で2以上と定めています。管理者は、第195条で、専らその職務に従事する常勤の者とされ、事業所の管理上支障がない場合は、他の職務や他の事業所の職務を兼ねられます。

指定福祉用具貸与の事業と、福祉用具の販売や介護予防の福祉用具貸与の事業を同じ事業所で一体的に運営する場合は、それぞれの基準を満たせば第194条第1項を満たしたとみなせます(第2項)。専門相談員の員数と管理者の細目は福祉用具貸与事業所の指定基準にまとめています。

第196条第1項は、福祉用具の保管及び消毒のために必要な設備及び器材と、事業の運営に必要な広さの区画を持つことを求めています。収支計画では、専門相談員2人分の人件費と、保管場所の賃料が、貸与件数が少ない開業直後から必要な固定費の中心になります。

貸与収入の考え方:公定価格はなく、現に要した費用で給付され、上限がある

社会保障審議会介護給付費分科会 第259回の資料7は、福祉用具の貸与と購入について、市場の価格競争を通じて適切な価格で給付が行われるよう、保険給付上の公定価格を定めず、現に要した費用の額で給付する仕組みと説明しています。給付は原則9割で、所得に応じて8割または7割です。

収入は、商品ごとに、月の貸与件数に月の貸与価格を掛けて足した額です。単位数のように告示の表から決まるものではなく、貸与価格は事業所が決めます。ただし、貸与件数が月平均100件以上の商品は、貸与価格に上限があり、全国平均貸与価格に1標準偏差を加えた額を超えて貸与すると給付の対象になりません。

上限の仕組みは福祉用具貸与の価格の上限にまとめています。軽度者に貸与できる種目は限られるため、貸与件数の見込みを置くときは軽度者の福祉用具貸与で、対象になる利用者の範囲を確かめます。

数値例:貸与の月額を仮に置いて、収入の内訳を確かめる

式を確かめるための仮の数字を置きます。ある商品を100件貸与し、月の貸与価格を仮に1,500円とすると、月の貸与収入は100件×1,500円=150,000円です。給付が原則9割なら、保険給付は135,000円、利用者の負担は15,000円で、商品が複数あれば商品ごとに同じ計算をして足します。

この数字は、仕組みを確かめるための仮の値で、実際の貸与価格の相場ではありません。貸与件数が月平均100件以上になる商品は、厚生労働省が公表する上限価格を、商品ごとに確かめます。

在庫と仕入れの費用は、入力欄の形で考える

福祉用具貸与では、商品を事業所が仕入れて貸し出します。この記事は、仕入れ価格や貸し出せる期間の数字を確認していないため、示しません。収支計画には、見積書の仕入れ価格を、貸し出せる見込みの月数で割った月あたりの額を入れる欄を作ります。

基準の第203条第2項は、回収した福祉用具を、種類や材質からみて適切な消毒効果を有する方法で速やかに消毒し、消毒済みと未消毒を区分して保管することを求めています。消毒の費用や、補修の費用は、月あたりの額に足す欄にします。

第203条第3項は、保管又は消毒を委託等により他の事業者に行わせることを認めています。その場合、契約の内容で適切に行われることを担保し、委託先の実施状況を定期的に確認して結果を記録します(第4項)。委託する場合は、第196条第1項のただし書により、委託する保管又は消毒に必要な設備又は器材を持たないことができるため、自社で行う費用と委託の費用を比べる欄を作ります。

この記事で確認した範囲

確認したのは、人員と設備の原文と、価格の上限の仕組みで、2026年10月29日に読んだ内容です。人員と設備は基準の第194条・第195条・第196条・第203条をe-Gov法令検索で、価格の仕組みは社会保障審議会介護給付費分科会 第259回の資料7で確かめました。

商品ごとの上限価格の金額、仕入れ価格、貸与価格の相場、人件費の平均値は確認しておらず、扱っていません。個別の事業所の収支は、自社の数字と、指定権者への確認で決めてください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 福祉用具専門相談員が常勤換算で2以上になる配置表を作り、専らその職務に従事する常勤の管理者を別の行で確かめる
  2. 取り扱う商品ごとに、月の貸与件数と貸与価格を仮置きする。月平均100件以上貸与される商品は、厚生労働省が公表する上限価格を超えない価格にする
  3. 福祉用具の保管と消毒を自社の設備で行うか、他の事業者に委託するかを決め、設備の費用か委託の費用を別の行に入れる。委託するときは、実施状況を定期的に確認して記録する項目も作る
  4. 仕入れ価格は、見積書の価格を、貸し出せる見込みの月数で割って月あたりに直し、消毒と補修の費用を足す。相談員の給与・家賃・車両費は、求人条件と見積書の自社の数字を入れる

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

福祉用具貸与事業所に必要な福祉用具専門相談員は何人ですか?

指定居宅サービス等の基準の第194条第1項は、指定福祉用具貸与事業所ごとに置く福祉用具専門相談員の員数を、常勤換算方法で2以上と定めています。管理者は、第195条で、専らその職務に従事する常勤の者を置くこととされ、管理上支障がない場合は他の職務の兼務が認められます。

福祉用具貸与事業所が貸与価格を決めるとき、上限はありますか?

貸与件数が月平均100件以上の商品には上限があります。社会保障審議会介護給付費分科会第259回の資料7は、上限価格を商品ごとの全国平均貸与価格に1標準偏差を加えた額とし、これを超えて貸与した場合は給付の対象としないと説明しています。商品ごとの金額は厚生労働省が公表しています。

福祉用具の保管や消毒は他の事業者に任せられますか?

基準の第203条第3項は、福祉用具の保管又は消毒を委託等により他の事業者に行わせることができるとしています。その場合、契約の内容で保管又は消毒が適切に行われることを担保し、事業者の実施状況を定期的に確認して結果を記録しなければなりません(第4項)。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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