運営 / 更新 2026-10-29

訪問看護指示書の交付者と有効期間:主治医の文書を開始時に受け、完結から2年保存

訪問看護指示書は、利用者の主治の医師が文書で出す訪問看護の指示で、指定訪問看護の事業者は、提供の開始に際してこれを受けなければなりません。この記事は、基準第69条などの条文と解釈通知で、誰が出すのか、事業者は何をするのか、何年保存するのか、有効期間をどこまで確かめられるのかを整理します。

指示書は、主治の医師が文書で出し、事業者は開始に際して受ける

基準第69条第2項は、指定訪問看護事業者が、指定訪問看護の提供の開始に際し、主治の医師による指示を文書で受けなければならないと定めています。同条第1項は、事業所の管理者に、主治の医師の指示に基づいて適切な指定訪問看護が行われるよう必要な管理をすることを求めています。

解釈通知(老企第25号)は、この文書を「指示書」と呼び、利用者の主治医が発行する訪問看護指示の文書だとしています。指定訪問看護の利用対象者は、主治医が必要性を認めた人に限られる、という整理です。

条文は2026年10月29日にe-Gov法令検索で、通知は同日に厚生労働省のページで原文を確認しました。訪問看護の人員の基準は訪問看護ステーションの人員基準の記事で確かめられます。

この記事で決めること

訪問看護ステーションの管理者や開設準備の事業者が、訪問看護指示書を誰から、いつ、どの形で受けるのか、有効期間はどう扱うのか、受けた後に何を保管し主治医へ何を出すのかを、基準省令と通知の原文で確かめたい。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、訪問看護指示書の受領・保管・更新確認の管理表(利用者ごとの主治医、指示書の受領日と指示期間、計画書と報告書の提出日、保存の期限)を作成できる状態を目指します。

主治医は加療している医師1人で、複数の医師から受けることはできない

解釈通知は、主治医とは利用申込者の選定により加療している医師をいい、主治医以外の複数の医師から指示書の交付を受けることはできないとしています。ステーションの側が医師を選ぶのではなく、利用者が選んで診ている医師が、指示書を出す人になります。

管理者は、指示書に基づいて指定訪問看護が行われるよう、主治医との連絡調整や、訪問看護を担当する看護職員の監督などの管理を行います。利用者に別の医師の指示が重なって届いたときの確認先は、あらかじめ決めておくと、現場で迷いません。

有効期間は、基準省令と確認した通知に数字の定めが見当たらない

基準第69条から第73条の2までと、解釈通知の訪問看護の節を「有効期間」などの語で確かめた範囲では、介護保険の指定訪問看護について、指示書の有効期間を何か月とする数字の定めは見つかりませんでした。通知本文に出てくる「有効期間」は、要介護認定等の有効期間の説明です。

このため、介護保険の利用者の指示期間は、主治医が出した指示書に書かれた期間を転記して管理する方法が考えられます。更新の時期や、期間の書き方に迷うときは、指定権者の案内と主治医に確認してください。数字が決まっているかどうかは、通知の改正でも変わりうるため、指定権者の最新の案内で確かめます。

医療保険の訪問看護は、指示書の有効期間の限度が6か月

ここからは、介護保険ではなく、医療保険の訪問看護療養費の話です。厚生労働省近畿厚生局の「訪問看護療養費の取扱いの理解のために(令和3年度)」は、訪問看護基本療養費の算定について、訪問看護指示書の有効期間内(6か月が限度)において行った訪問看護である必要があるとしています。

同じ資料は、急性増悪などで主治医が週4日以上の頻回な訪問看護を一時的に必要と認めた場合の特別訪問看護指示書について、交付の日から14日以内の訪問看護を14日を限度に算定でき、原則として月1回(別に厚生労働大臣が定める利用者は月2回まで)としています。

この資料は令和3年度版で、令和6年度改定後の現行の扱いは確認していません。医療保険の利用者を受ける場合は、管轄の地方厚生(支)局の最新の案内で確かめてください。介護保険の利用者の期間に、この6か月を当てはめて書かないようにします。

受けた後は、計画書と報告書を主治医に出し、指示書は完結から2年保存する

基準第69条第3項は、事業者が主治医に、訪問看護計画書と訪問看護報告書を提出し、主治医との密接な連携を図ることを求めています。計画書は、利用者の希望、主治の医師の指示、心身の状況等を踏まえて作ります(第70条第1項)。提出の回数や時期は、条文には数字がありません。

病状の急変などが生じたときは、必要に応じて臨時応急の手当を行い、速やかに主治の医師へ連絡して指示を求める等の措置を取ります(第72条)。

保存は、第73条の2第2項第1号が、主治の医師による指示の文書を、サービスの完結の日から2年間保存するとしています。国の基準省令の定めなので、自治体の条例で期間が異なるかは指定権者に確認します。指定訪問看護を担当する医療機関では、文書の指示と計画書等の提出を、診療記録への記載で代えられます(第69条第4項)。

この記事で確認した範囲と、次に知りたいこと

確認したのは、基準第69条・第70条・第72条・第73条の2のe-Gov法令検索の条文と、解釈通知の訪問看護の節、近畿厚生局の令和3年度の資料で、いずれも2026年10月29日の取得版です。指示書の記載事項の様式や、主治医への依頼の文面は確認しておらず、書いていません。

次に知りたいことは、提供を始める前に利用者へ説明する内容です。訪問看護の重要事項説明書の記事で、運営規程の概要などの記載事項を条文どおりに確かめられます。訪問介護との違いは訪問介護と訪問看護の違いにあります。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 利用者ごとに、指示書を発行した主治医の氏名と医療機関名を1人だけ書く。通知は主治医以外の複数の医師から指示書の交付を受けることはできないとしているので、別の医師の指示が来たときの確認先の欄も作る
  2. 指示書の受領日と、指示書に書かれた指示期間の開始日・終了日を転記する欄を作る。期間の長さは書類に書かれたとおりに写し、医療保険の6か月の限度が当てはまる利用者かどうかを別の欄で区別する
  3. 訪問看護計画書と訪問看護報告書を主治医へ提出した日の欄を作る。提出の頻度や時期は、条文に回数が無いため、指定権者の案内と主治医との取り決めを確認して記入する
  4. 保存の欄に、サービス完結の日と、そこから2年(国の基準省令)の期限を入れる。自治体の条例で期間が違わないかを指定権者に確認した結果も書き添える

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

訪問看護指示書は、誰が出しますか?

利用者の主治の医師が文書で出します。基準第69条第2項は、事業者が提供の開始に際して主治の医師による指示を文書で受けることを求めています。通知は、主治医を利用申込者の選定により加療している医師とし、主治医以外の複数の医師から指示書の交付を受けることはできないとしています。

訪問看護指示書の有効期間は何か月ですか?

基準省令の第69条と、確認した解釈通知の訪問看護の節には、指示書の有効期間の数字は書かれていません。医療保険の訪問看護療養費については、近畿厚生局の令和3年度の資料が、訪問看護指示書の有効期間内(6か月が限度)に行った訪問看護であることを算定の条件としています。介護保険の利用者の期間の扱いは、書類の記載と指定権者・主治医に確認してください。

指示書は、どのくらいの期間保存しますか?

国の基準省令の第73条の2第2項は、主治の医師による指示の文書を、サービスの完結の日から2年間保存するとしています。自治体の条例で期間が異なる場合があるため、指定権者の案内もあわせて確認してください。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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