開業準備 / 更新 2026-10-29

訪問看護の重要事項説明書の記載事項:運営規程の概要・勤務の体制・交付と同意

訪問看護の重要事項説明書は、指定居宅サービス等の基準(平成11年厚生省令第37号)の第74条が第8条を準用していて、事業者は提供の開始に際してあらかじめ、運営規程の概要、看護師等の勤務の体制などを記した文書を交付して説明し、同意を得ます。運営規程は第73条の8項目です。説明書の様式や記載順は条文になく、指定権者の案内で決まります。

第74条が、第8条の説明・同意の義務を訪問看護に準用している

訪問看護の章には、重要事項の説明を定める独立した条がありません。第74条が、第8条や第9条などとあわせて第32条を指定訪問看護の事業に準用していて、条文中の「訪問介護員等」は「看護師等」に読み替えられます。さらに、第8条第1項中の「第二十九条」は「第七十三条」に読み替えられ、訪問看護では第73条の運営規程が対象になります。

デジタル庁のe-Gov法令検索で、2026年10月29日に原文を確認しました。読み替えた第8条第1項は、事業者に、提供の開始に際してあらかじめ、利用申込者またはその家族に対し、運営規程の概要、看護師等の勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明し、提供の開始について利用申込者の同意を得ることを求めています。

基準第8条第1項(第74条により訪問看護に準用)の要素
要素条文の内容訪問看護での読み替え
時期提供の開始に際し、あらかじめ読み替えなし
相手利用申込者またはその家族読み替えなし
書くもの運営規程の概要、勤務の体制その他サービスの選択に資する重要事項を記した文書運営規程は第73条、勤務の体制は「看護師等」の勤務の体制
方法文書を交付して説明し、提供の開始について同意を得る読み替えなし

この記事で決めること

訪問看護ステーションや訪問看護を行う医療機関の事業者が、重要事項説明書に何を書くのかを条文どおりに知りたい。第74条による第8条の準用と読み替え、第73条の運営規程8項目との関係、電磁的方法での提供と第32条の掲示を一次資料で確かめる。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、訪問看護の重要事項説明書の記載項目表(運営規程の概要、看護師等の勤務の体制、利用料、交付・説明・同意の記録欄)を作成できる状態を目指します。

「運営規程の概要」は、第73条の8項目の概要になる

訪問看護の運営規程は第73条が定める8項目です。事業の目的及び運営の方針、従業者の職種・員数及び職務の内容、営業日及び営業時間、指定訪問看護の内容及び利用料その他の費用の額、通常の事業の実施地域、緊急時等における対応方法、虐待の防止のための措置に関する事項、その他運営に関する重要事項です。

説明書の「運営規程の概要」は、この8項目のうち、利用申込者がサービスを選ぶのに役立つものを、要約して書くことになります。条文は概要の書き方や項目の順を決めていません。8項目の全体は訪問看護・訪問入浴介護の運営規程に定める事項で確かめられます。

訪問介護の説明書と比べて、変わるところ

条文の構造は訪問介護と同じで、違いは読み替えの2点です。運営規程が第29条から第73条になること、勤務の体制が「訪問介護員等」から「看護師等」の勤務の体制になることです。訪問介護の説明書の記載事項と交付・同意は訪問介護の重要事項説明書:記載事項と交付・同意にまとめています。

運営規程の8項目の内容も訪問介護と似ていますが、第4号は「指定訪問看護の内容」で、第2号の従業者の職種・員数・職務の内容には看護職員などの職種を書きます。員数の数値は、運営規程と説明書で食い違わないようにします。人員の基準は訪問看護ステーションの人員基準で確かめられます。

紙でなく電磁的方法で渡すときの決まり

第8条第2項は、利用申込者またはその家族からの申出があった場合に、文書の交付に代えて、承諾を得て、電子情報処理組織を使う方法や電磁的記録媒体を交付する方法などで重要事項を提供できるとしています。この場合、文書を交付したものとみなされます。

第3項は、その方法が、利用申込者またはその家族がファイルの記録を出力して文書を作成できるものでなければならないとしています。第5項は、提供しようとするときに、あらかじめ、用いる電磁的方法の種類と内容、ファイルの記録の方式を示して、文書または電磁的方法で承諾を得ることを求めています。第6項は、承諾の後に提供を受けない旨の申出があったとき、再び承諾した場合を除き、電磁的方法で提供してはならないとしています。

事業所での掲示とウェブサイトへの掲載

第74条は第32条も準用しています。第32条は、事業所の見やすい場所に、運営規程の概要、勤務の体制その他の重要事項を掲示するよう求めています。重要事項を記載した書面を事業所に備え付け、いつでも関係者が自由に閲覧できるようにすれば、掲示に代えられます。

第3項は、原則として、重要事項をウェブサイトに掲載しなければならないとしています。説明書の内容と掲示・掲載の内容は、同じ版にそろえておくと、食い違いを防げます。

この記事で確認した範囲と、次に知りたいこと

確認したのは、基準の第8条・第32条・第73条・第74条で、いずれもe-Gov法令検索の2026年10月29日取得版です。確認していないのは、説明書の様式、同意書の書式、記載順、都道府県・指定都市・中核市ごとの指定申請や運営指導での案内、医療保険の訪問看護の重要事項説明で、書いていません。

この記事は、個別の説明書が基準に適合しているかを判断するものではありません。

次に知りたいことは二つあります。説明書に書く事故発生時の対応の根拠は訪問看護の事故発生時の対応に、介護保険か医療保険かの分かれ方は訪問看護は介護保険か医療保険かにまとめています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 運営規程の8項目(事業の目的・運営の方針、従業者の職種・員数・職務の内容、営業日・営業時間、指定訪問看護の内容・利用料その他の費用の額、通常の事業の実施地域、緊急時等における対応方法、虐待の防止、その他)を、説明書の「運営規程の概要」欄にそのまま対応させる
  2. 看護師等の勤務の体制の欄を作り、職種ごとの員数と勤務の時間帯を、運営規程と食い違わない形で書く。員数の数値は運営規程と同じ日付の値にそろえる
  3. 利用申込者またはその家族への交付・説明の日付と、サービス提供の開始に同意を得た記録の欄を作る。電磁的方法で提供するときは、方法の種類とファイルの記録の方式を示して承諾を得た記録を残す
  4. 事業所の見やすい場所への掲示、または書面の備え付けと、ウェブサイトへの掲載の有無を確かめ、説明書の内容と同じ版を使う。様式と細目は、指定権者の案内で確かめて書き直す

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

訪問看護の重要事項説明書は、どの条文で求められていますか?

基準第74条が第8条を指定訪問看護に準用しています。事業者は提供の開始に際してあらかじめ、利用申込者またはその家族に、運営規程の概要、看護師等の勤務の体制その他のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明し、提供の開始について同意を得る必要があります。

訪問看護の重要事項説明書の「運営規程」は、どの条文のものですか?

第74条は、第8条第1項中の「第二十九条」を「第七十三条」と読み替えます。訪問看護では第73条の運営規程(事業の目的・運営の方針から、その他運営に関する重要事項までの8項目)の概要を書くことになります。

重要事項説明書は紙でなく電子で渡せますか?

第8条第2項以下は、利用申込者またはその家族の申出があり、方法の種類と内容を示して承諾を得たときに、電磁的方法で重要事項を提供できるとしています。この場合は文書を交付したものとみなされます。承諾を得た後に提供を受けない旨の申出があったときは、電磁的方法で提供してはなりません。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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