運営 / 更新 2026-10-26

訪問看護の複数名訪問加算:2人訪問は254・402単位、看護補助者同行は201・317単位

訪問看護の複数名訪問加算は、複数の看護師等が同時に訪問すると(Ⅰ)が1回につき254単位(30分未満)か402単位(30分以上)です。看護師等が看護補助者と同時に訪問すると(Ⅱ)が201単位か317単位です。算定には利用者または家族等の同意が要り、一人では訪問が難しい理由が告示の3つのどれかに当たる必要があります。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

単位数:(Ⅰ)は看護師等どうし、(Ⅱ)は看護補助者との同時訪問

複数名訪問加算は、介護報酬の告示(平成12年厚生省告示第19号)の別表、訪問看護費の注6にあります。厚生労働省掲載の告示本文で確認しました。同時に複数で指定訪問看護を行ったときに、1回につき所定単位数に加算します。

区分は、同時に訪問する相手が看護師等か看護補助者か、訪問の所要時間が30分未満か30分以上かで4つに分かれます。

訪問看護費の複数名訪問加算(注6、1回につき)
区分同時に訪問する組み合わせ30分未満30分以上
複数名訪問加算(Ⅰ)複数の看護師等が同時に行う254単位402単位
複数名訪問加算(Ⅱ)看護師等が看護補助者と同時に行う201単位317単位

この記事で決めること

訪問看護を二人で行うときの複数名訪問加算の単位数と、利用者の同意や一人では困難な場合といった算定の条件を、告示の原文で確かめたい訪問看護の事業者・連携する訪問介護の事業者向け。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、複数名訪問の記録票(訪問ごとに1行。同意を得た相手と日・イからハの理由・同行者の職種・所要時間を記入)を作成できる状態を目指します。

算定の条件:同意と、一人では困難な3つの場合のどれか

算定の基準は、利用者等告示(平成27年厚生労働省告示第94号)の第五号です。条件は2段になっています。まず、複数の看護師等、または看護師等と看護補助者が同時に訪問することについて、利用者またはその家族等の同意を得ていること、そのうえで次のイからハのいずれかに当たることです。

イは、利用者の身体的理由により一人の看護師等による指定訪問看護が困難と認められる場合です。ロは、暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる場合です。ハは、その他利用者の状況等から判断して、イまたはロに準ずると認められる場合です。

告示は理由としてこの3つを挙げています。個別の場面が当たるかは、訪問看護の事業所が指定権者の案内で確かめる事項です。

(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いは、同時に訪問するもう一人が誰か

(Ⅰ)は告示の文言が「複数の看護師等が同時に」、(Ⅱ)は「看護師等が看護補助者と同時に」です。同時に訪問する一人が看護師等なのか看護補助者なのかで、区分が決まります。(Ⅱ)のほうが同じ所要時間でも単位数は低く、30分未満で53単位、30分以上で85単位の差があります。

看護補助者の範囲や雇用の条件、訪問看護の担当者の指導との関係は、留意事項通知(老企第36号)に定めがあります。この記事は、その厚生労働省掲載版を照合していないため、書きません。看護補助者を同行させる事業所は、通知の現行の本文で確かめてください。

記録に残す項目:同意、理由、同行者、所要時間

複数名訪問加算の記録には、告示の要件がそのまま使えます。訪問ごとに、次の4項目を残します。同意を得た相手と日、イからハのどれに当たる理由か、同時に訪問した職員の職種、訪問の所要時間です。

所要時間が30分未満か以上かで単位数が変わるため、訪問の開始と終了の時刻の記録が欠かせません。理由が暴力行為や迷惑行為にあたる場合は、事実と対応を日付つきで残し、ケアマネジャーとの共有の範囲は事業所の個人情報の取扱いに沿って決めます。

ほかの加算・訪問介護との関係

月額型の加算(緊急時訪問看護加算、特別管理加算、ターミナルケア加算など)は訪問看護の主な加算、基本の単位数は訪問看護費の単位数で扱っています。複数名訪問加算は1回ごとの加算で、月額型とは数え方が違います。

訪問介護の側にも、二人の訪問介護員等が同時に訪問する場合の定めがあり、告示の別の注に置かれています。訪問看護の複数名訪問加算とは別の規定で、単位数の決め方も要件の文言も同じではありません。訪問看護が介護保険と医療保険のどちらになるかは、介護保険と医療保険の分かれ目の記事にまとめています。

資料の範囲

2026年10月26日に、介護報酬告示の別表の訪問看護費の注6と、利用者等告示の第五号を、厚生労働省掲載の本文で確認しました。令和6年度改定の前後で何が変わったかは確認していません。

留意事項通知(老企第36号)の取扱いと、個別の訪問が告示の要件に当たるかの判断は、この記事の対象外です。訪問看護の事業所が、指定権者または国民健康保険団体連合会の案内で確かめる事項です。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 二人で訪問する利用者ごとに、利用者または家族等の同意を得た日と相手を書き、同意の内容を訪問看護計画書の写しとともに残す
  2. 一人では訪問が困難な理由を、告示のイ(身体的理由)、ロ(暴力行為・著しい迷惑行為・器物破損行為等)、ハ(イ・ロに準ずる場合)のどれに当たるかで分けて書く
  3. 同時に訪問する職員の職種を看護師等か看護補助者かで分け、複数名訪問加算(Ⅰ)か(Ⅱ)かを決め、訪問の開始と終了の時刻から30分未満か30分以上かを書く
  4. 看護補助者を同行させる場合は、留意事項通知の現行の本文で補助者の範囲と雇用の条件を確かめた日を記録し、理由が変わったときは区分を見直す

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

  • 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(平成27年厚生労働省告示第94号)第四号(訪問看護費の注1の疾病等)・第五号(訪問看護費の注6の複数名訪問加算の基準)」(第四号(訪問看護費の注1の厚生労働大臣が定める疾病等)、第五号(訪問看護費の注6の厚生労働大臣が定める基準)、第六号(注7の厚生労働大臣が定める状態。イ〜ホの5区分)、第七号(注13の特別管理加算の区分。(Ⅰ)は第六号イ、(Ⅱ)は第六号ロ・ハ・ニ・ホ)、第八号(注15の厚生労働大臣が定める状態。イ・ロ))(確認日 2026-10-26)
  • 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 3 訪問看護費 注1(対象となる利用者)・注6(複数名訪問加算)」(別表 3 訪問看護費 注1(通院が困難な利用者。末期の悪性腫瘍等・精神科訪問看護の利用者を除く。理学療法士等の訪問はイ(5)で1日2回を超えると100分の90)、注6(複数名訪問加算(Ⅰ)(Ⅱ))、注20(イ(5)の1回8単位の減算)、ヘ 看護・介護職員連携強化加算(250単位。1月に1回)、イ(4)・ロ(4)(所要時間1時間以上1時間30分未満)、注7(特別な管理を必要とする利用者への1時間以上1時間30分未満の訪問後に引き続き訪問し通算1時間30分以上で1回300単位)、注12(緊急時訪問看護加算。ステーション(Ⅰ)600単位・(Ⅱ)574単位、病院・診療所(Ⅰ)325単位・(Ⅱ)315単位)、注13(特別管理加算(Ⅰ)500単位・(Ⅱ)250単位。1月につき)、注15(ターミナルケア加算。死亡月につき2,500単位)、ト 看護体制強化加算((Ⅰ)550単位・(Ⅱ)200単位。1月につき)、ホ 退院時共同指導加算(600単位。退院・退所につき1回、特別な管理を必要とする利用者は2回。ニの初回加算を算定する場合は算定しない)、注5(夜間・早朝100分の25・深夜100分の50。イ及びロが対象。1回につき)、イ・ロの所要時間別の所定単位数、注8(同一敷地内建物等の利用者と同一の建物に20人以上居住する利用者は1回につき100分の90、同一敷地内建物等に50人以上居住する建物の利用者は100分の85。訪問介護費の注12にある100分の88のただし書きは訪問看護費の注8にはない)、リ サービス提供体制強化加算(イ又はロを算定する場合は1回につき(Ⅰ)6単位・(Ⅱ)3単位、ハを算定する場合は1月につき(Ⅰ)50単位・(Ⅱ)25単位。ハは定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と連携して行う訪問看護で2,961単位)、注9(特別地域訪問看護加算。大臣が定める地域に所在し届出をした事業所。イ・ロは1回につき・ハは1月につき100分の15)、注10(地域に所在し大臣が定める施設基準に適合し届出をした事業所。100分の10)、ニ 初回加算((Ⅰ)350単位・(Ⅱ)300単位。1月につき。(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定しない)、ホ 退院時共同指導加算の注(ニの初回加算を算定する場合は算定しない)、注11(大臣が定める地域に居住する利用者へ通常の事業の実施地域を越えて訪問。100分の5)、注14(専門管理加算。緩和ケア・褥瘡ケア・人工肛門ケア及び人工膀胱ケアの専門の研修を受けた看護師はイ250単位、特定行為研修を修了した看護師はロ250単位。1月に1回に限る)、注16(遠隔死亡診断補助加算。情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が主治の医師の指示で死亡診断の補助を行った場合、死亡月につき150単位))(確認日 2026-10-26)

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