運営 / 更新 2026-11-05
訪問看護の利用料等の受領:医療保険との不合理な差額の禁止と交通費(基準第66条)
指定訪問看護で利用者から受け取れる費用は、基準第66条で定められています。受け取るのは利用者負担分と、通常の事業の実施地域以外で行う場合の交通費で、交通費は事前に説明して同意を得ます。法定代理受領サービスに当たらない場合の利用料は、医療保険の訪問看護の費用との間に不合理な差額を設けられません。
利用者負担分は費用基準額から保険給付を引いた額(第66条第1項)
第66条第1項は、利用者負担分の受け取りを定めています。法定代理受領サービスに当たる指定訪問看護を提供したとき、利用者から利用料の一部として、居宅介護サービス費用基準額から事業者に支払われる居宅介護サービス費の額を差し引いた額の支払を受けると定めています。
解釈通知は、第1項の考え方を訪問介護の項で説明しています。利用者負担は費用基準額の1割で、保険給付の率が9割でない場合は、それに応じた割合です。単位数と費用基準額の求め方は訪問看護費の単位数で確認できます。
この記事で決めること
訪問看護ステーションの管理者や開設準備の事業者が、指定訪問看護で利用者から受け取れる利用者負担分と交通費、法定代理受領サービスに当たらない場合の利用料に医療保険の費用との不合理な差額を設けない定め、サービス提供証明書の交付を、基準省令と解釈通知の原文で確かめたい。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、訪問看護の利用料等の受領ルール確認メモ(利用者負担分・不合理な差額の禁止・交通費・サービス提供証明書)を作成できる状態を目指します。
法定代理受領でない場合は、医療保険の費用との不合理な差額を設けない(第66条第2項)
第66条第2項は、不合理な差額を設けないことを定めています。法定代理受領サービスに当たらない指定訪問看護で利用者から受ける利用料の額と費用基準額について、健康保険法や高齢者の医療の確保に関する法律の指定訪問看護に要する費用の額との間に、不合理な差額が生じないようにします。
解釈通知は、利用者間の公平と利用者の保護の観点からの定めとしています。介護保険や医療保険の給付対象となる訪問看護と明確に区分されるサービスは、別の料金を設定してかまいません。その条件は、訪問介護の項に3つ示されています。
1つ目は、別事業で介護保険の給付対象外のサービスであることを説明して理解を得ること。2つ目は、事業の目的、運営方針、利用料等が運営規程とは別に定められていること。3つ目は、会計が指定訪問看護の事業の会計と区分されていることです。
実施地域外で行うときの交通費は、事前に説明して同意を得る(第66条第3項・第4項)
第66条第3項は、交通費を受け取れる場合を定めています。利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域の居宅で指定訪問看護を行う場合は、前二項の支払のほかに、それに要した交通費の額の支払を受けられます。第4項は、この費用に係るサービスの提供に当たり、あらかじめ利用者又はその家族に内容と費用を説明し、利用者の同意を得ることを求めています。
解釈通知は、交通費を移動に要する実費とし、保険給付の対象となるサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないとしています。通常の事業の実施地域の決め方は訪問介護の通常の事業の実施地域の決め方と地域外の利用者への対応で確認できます。
利用料を受け取った後にすること:サービス提供証明書の交付(第21条の準用)
第74条は第21条を準用しています。法定代理受領サービスに当たらない指定訪問看護で利用料の支払を受けたときは、提供した指定訪問看護の内容、費用の額その他必要と認められる事項を記載したサービス提供証明書を利用者に交付します。
訪問介護の利用料の受領は訪問介護の利用料等の受領で確認できます。訪問看護に特有なのは、第2項が医療保険の訪問看護の費用との差額に触れている点です。介護保険と医療保険のどちらで訪問看護を行うかは訪問看護は介護保険か医療保険かで確認できます。
この記事で確認した範囲
原文は2026年11月5日に照合しました。確認した資料は、e-Govの指定居宅サービス等の基準(第21条・第66条・第74条)と、厚生労働省の解釈通知(老企第25号)の訪問看護の項(利用料等の受領)および訪問介護の項(利用料等の受領)です。利用者負担割合の判定や、個別の料金設定が適法かどうかの判断は扱っていません。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 利用者負担分を確認する。基準第66条第1項は、法定代理受領サービスに当たる指定訪問看護で、居宅介護サービス費用基準額から保険給付の額を引いた額を利用料の一部として受けると定める。解釈通知は費用基準額の1割(保険給付の率が9割でない場合はそれに応じた割合)と説明している。
- 法定代理受領サービスに当たらない場合の利用料を点検する。第66条第2項は、健康保険法や高齢者の医療の確保に関する法律の指定訪問看護の費用の額との間に不合理な差額を設けないと定める。給付対象のサービスと明確に区分される別料金は、別事業であることの説明と理解、運営規程とは別の定め、会計の区分が条件になる。
- 交通費の取り決めを整える。第66条第3項は、利用者の選定により通常の事業の実施地域以外で行う場合の交通費を受けられるとする。解釈通知は移動に要する実費とし、あいまいな名目の徴収を認めない。第4項により、あらかじめ内容と費用を説明して同意を得る。
- 利用料を受け取った後の手続きを決める。第74条で準用する第21条により、法定代理受領サービスに当たらない利用料を受けたときは、提供した内容と費用の額等を記載したサービス提供証明書を利用者に交付する。
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隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
訪問看護で利用者から受け取れる費用には何がありますか?
基準第66条は、利用者負担分(費用基準額から保険給付の額を引いた額)と、利用者の選定により通常の事業の実施地域以外で行う場合の交通費を挙げています。交通費は、あらかじめ説明して利用者の同意を得ます。
訪問看護の利用料に、医療保険の費用との差があってもよいですか?
基準第66条第2項は、法定代理受領サービスに当たらない場合の利用料の額と費用基準額について、医療保険の指定訪問看護の費用の額との間に不合理な差額が生じないようにすると定めています。
訪問看護の交通費は、いくらでも請求できますか?
いいえ。解釈通知は、交通費を移動に要する実費とし、保険給付の対象となるサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないとしています。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第六十九条 主治の医師との関係、第七十条 訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成、第七十二条 緊急時等の対応)」(基準第9条、第10条、第21条、第63条、第64条第1〜2項、第66条第1〜4項、第67条、第68条第1〜7号、第69条第1〜4項、第70条第1〜7項、第72条、第73条、第73条の2第2項第1号〜第3号、第74条)(確認日 2026-11-05)
- 厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)第三 訪問看護に関する基準」(訪問看護に関する基準 (2)指定訪問看護ステーションの管理者(基準第61条)①〜④、(1)サービス提供困難時の対応(基準第63条)・(3)利用料等の受領(基準第66条)、訪問介護に関する基準 (10)利用料等の受領(基準第20条)①〜④、訪問介護に関する基準 (2)提供拒否の禁止・(3)サービス提供困難時の対応、訪問看護に関する基準 (4)指定訪問看護の基本取扱方針及び具体的取扱方針(基準第67条・第68条)①〜⑤、(5)主治医との関係(基準第69条)①〜⑤、(6)訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成、準用される基準第39条により整備すべき記録(イ指定訪問看護に関する記録、ロ市町村への通知に係る記録))(確認日 2026-10-29)