運営 / 更新 2026-10-22

福祉用具貸与の価格の上限:月平均100件以上の商品は全国平均貸与価格+1標準偏差

月平均100件以上貸与されている福祉用具には、貸与価格の上限があります。上限は商品ごとの「全国平均貸与価格+1標準偏差」で、超えた価格で貸与すると保険給付の対象外です。福祉用具貸与は公定価格がなく、現に要した費用で給付されるため、上限が価格の歯止めになっています。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

根拠は厚生労働省の審議会資料と最新情報

このページが根拠にしているのは、社会保障審議会介護給付費分科会 第259回(令和8年6月29日)の資料7「福祉用具・住宅改修」です。上限の考え方と制度改正の経緯が載っています。

審議会の説明資料で、通知や告示そのものではありません。新商品の公表は、介護保険最新情報Vol.1379(令和7年4月25日)のように、厚生労働省の福祉用具・住宅改修のページを掲載先として示す形で行われています。

この記事で決めること

福祉用具貸与は公定価格がなく現に要した費用で給付される仕組みの中で、貸与件数が月平均100件以上の商品に設けられた貸与価格の上限(全国平均貸与価格+1標準偏差)の決まり方、超えた場合の扱い、新商品と既設定商品の公表・見直しの頻度、貸与前の説明事項を厚生労働省の資料で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、貸与価格の確認表(商品名と商品コード、貸与価格、全国平均貸与価格と上限価格、確認した日と掲載ページ、利用者への説明の日と相手、提示した複数の商品、福祉用具貸与・販売計画書を渡したケアマネジャー)を作成できる状態を目指します。

福祉用具貸与は公定価格がなく、現に要した費用で給付される

審議会資料は、福祉用具の貸与と購入について、市場の価格競争を通じて適切な価格で給付が行われるよう、保険給付上の公定価格を定めず、現に要した費用の額で給付する仕組みと説明しています。給付は原則9割で、所得に応じて8割または7割です。

適正化を図るために設けられたのが、次の上限です。

上限は商品ごとの全国平均貸与価格+1標準偏差

平成30年10月から、貸与件数が月平均100件以上ある商品について、商品ごとに「全国平均貸与価格+1標準偏差」が貸与価格の上限になっています。標準偏差はデータの散らばりを表す指標で、正規分布の場合、この上限は上位約16%に当たる価格です。

上限を超えた価格で貸与しようとする場合は、保険給付の対象外です。平均貸与価格は、公表前のおおむね3か月間の平均価格から算出します。

月平均100件に満たない商品は、この上限の対象になりません。ただし、現に要した費用で給付される点は同じです。

公表と見直しの頻度

新商品は3か月に1度の頻度で全国平均貸与価格と上限価格が公表されます。既に上限が設定された商品の見直しは、当初は1年に1度でしたが、適正化の効果と事業者の負担を考えて、令和3年度から3年に1度になりました。

事業所の準備期間のため、上限の公表は適用のおおむね6か月前に行われます。資料によると、上限が設定された商品は令和8年4月1日現在で4,971商品です。

商品ごとの金額は、厚生労働省の福祉用具・住宅改修のページで公表されています。このページには金額を載せていません。貸与する商品の価格が上限を超えていないかは、公表された一覧で確認が必要です。

平成30年度に規定された貸与前の説明事項

審議会資料の制度改正の経緯によると、平成30年度に、貸与しようとする商品の全国平均貸与価格の説明、機能や価格帯の異なる複数の商品の提示、福祉用具貸与・販売計画書の介護支援専門員への交付が規定されました。

条文としての運営基準や、専門相談員の員数と管理者の要件は福祉用具貸与事業所の指定基準:専門相談員の員数・管理者・設備(基準第194条〜第196条)で確認できます。

貸与と販売を選べる種目と、訪問介護員の位置づけは福祉用具の選定の判断基準で訪問介護員に求められること(老高発0802第2号)で整理しています。

このページで扱わないこと

このページは厚生労働省の審議会資料と最新情報の要約です。審議会資料は、見直しの方向を含む説明資料のため、最新の運用は厚生労働省のページと保険者の案内で確認してください。

特定の商品の価格が上限に当たるかどうかの判断や、事業所の価格設定への助言はしません。貸与する商品の価格は、公表された一覧と照らして事業所で確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 貸与する商品ごとに、厚生労働省の福祉用具・住宅改修のページで全国平均貸与価格と上限価格を確認し、自社の貸与価格が上限を超えていないかを確認表に残す
  2. 新商品の公表は3か月に1度、既に設定された商品の見直しは3年に1度で、適用のおおむね6か月前に公表されることを踏まえ、公表の確認日と担当者を決める
  3. 貸与の前に、利用者へ貸与しようとする商品の全国平均貸与価格を説明し、機能や価格帯の異なる複数の商品を示して、説明した日と相手を記録する
  4. 福祉用具貸与・販売計画書を介護支援専門員に交付した日を記録し、上限を超える価格では保険給付の対象外になることを、価格を決める担当者と共有する

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

福祉用具貸与の価格に上限はありますか?

あります。厚生労働省の審議会資料によると、平成30年10月から、貸与件数が月平均100件以上ある商品について、商品ごとに「全国平均貸与価格+1標準偏差」を貸与価格の上限としています。上限を超えた価格で貸与しようとする場合は、保険給付の対象外になります。

月平均100件に満たない商品や新商品の価格は決まっていますか?

福祉用具の貸与は、保険給付上の公定価格を定めず、現に要した費用の額で給付する仕組みです。上限設定の対象は月平均100件以上の貸与件数がある商品で、新商品は3か月に1度の頻度で全国平均貸与価格と上限価格が公表されます。個別の商品が対象かどうかは、厚生労働省のページの一覧で確認してください。

貸与を始める前に、事業者は利用者へ何を説明しますか?

審議会資料の制度改正の経緯によると、平成30年度に、貸与しようとする商品の全国平均貸与価格の説明、機能や価格帯の異なる複数の商品の提示、福祉用具貸与・販売計画書の介護支援専門員への交付が規定されました。具体的な運営基準の条文は、福祉用具貸与事業所の指定基準の記事から確認できます。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 福祉用具貸与事業所の指定基準:専門相談員の員数・管理者・設備(基準第194条〜第196条) →