運営 / 更新 2026-10-13

訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護の違い:報酬・人員・併設の考え方

訪問介護の事業者が隣のサービスとして気にするものに、定期巡回・随時対応型訪問介護看護があります。どちらも自宅に訪問してケアをするサービスですが、指定をする主体、報酬の決まり方、置く職員が違います。このページは、介護保険法、指定地域密着型サービスの基準、厚生労働省の報酬の資料で、違いと、同じ敷地に訪問介護事業所がある場合の兼務の範囲を整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護事業所の管理者や開業準備者が、隣接する定期巡回・随時対応型訪問介護看護との違いと、自社の事業所と併設・兼務できる範囲を、法令と厚生労働省の資料で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護の比較メモ(指定の主体、報酬の単位、人員、同一敷地内での兼務の可否、市町村に確認した日)を作成できる状態を目指します。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは:2つの類型

介護保険法は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護を、定期的な巡回訪問または随時の通報を受けて、自宅で介護福祉士等が入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話を行うサービスと定めています。法の定義には2つの類型があります。

1つ目は、日常生活上の世話に加えて、看護師等による療養上の世話や必要な診療の補助も同じ事業者が行う類型で、一体型と呼ばれます。2つ目は、訪問看護を行う事業所と連携しながら日常生活上の世話を行う類型で、連携型と呼ばれます。

このサービスは法で地域密着型サービスに含まれており、指定は市町村長が行います。訪問介護の指定を受けた事業所が、そのまま提供できるサービスではありません。

提供するサービスの違い:訪問の時刻と通報への対応

指定の基準は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護が提供するサービスを4つに分けています。定期的に居宅を巡回して行う日常生活上の世話(定期巡回サービス)、通報を受けて相談に応じたり訪問の要否を判断したりする随時対応サービス、その判断で訪問して行う随時訪問サービス、看護師等による訪問看護サービスです。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護には、通報を受けて訪問の要否を判断するオペレーターを置く仕組みがあります。訪問看護サービスは一体型で提供し、連携型では連携する訪問看護事業所が担います。

報酬の違い:回数ごとの訪問介護と、1月につきの定額

訪問介護は、身体介護や生活援助などの区分と時間に応じて、訪問のたびに報酬を算定します。定期巡回・随時対応型訪問介護看護費は、厚生労働省の算定構造の資料で、要介護度別の1月につきの定額として示されています。

令和8年6月改定箇所を示した算定構造の資料によると、訪問看護サービスを行わない場合は、要介護1から要介護5まで順に5,446・9,720・16,140・20,417・24,692単位です。訪問看護サービスを行う場合は、7,946・12,413・18,948・23,358・28,298単位です。

令和6年度改定の資料によると、夜間にのみサービスを必要とする利用者向けには、基本夜間訪問サービス費が1月につき989単位で、定期巡回サービスは1回につき372単位、随時訪問サービスは1回につき567単位(2人の訪問介護員等で訪問する場合は764単位)です。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護費の月額(厚生労働省の算定構造、令和8年6月改定箇所、2026-10-13確認)
要介護度訪問看護サービスを行わない場合訪問看護サービスを行う場合
要介護15,446単位7,946単位
要介護29,720単位12,413単位
要介護316,140単位18,948単位
要介護420,417単位23,358単位
要介護524,692単位28,298単位

人員の違い:オペレーター、訪問介護員等、看護職員、計画作成責任者

指定地域密着型サービスの基準は、事業所ごとに置く従業者を次のように定めています。オペレーターは、サービスを提供する時間帯を通じて1人以上が確保されるために必要な数で、看護師、介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者をあてます。オペレーターのうち1人以上は常勤です。

定期巡回サービスを行う訪問介護員等は、交通事情や訪問頻度を考えて必要な数を置き、随時訪問サービスを行う訪問介護員等は、時間帯を通じて1人以上が確保されるために必要な数を置きます。訪問看護サービスを行う看護職員は、常勤換算で2.5以上で、1人以上は常勤の保健師または看護師です。

このほか、看護師、介護福祉士等のうち1人以上を、計画の作成に従事する計画作成責任者としなければなりません。管理者は、専らその職務に従事する常勤の者です。

連携型では、訪問看護サービスを行う看護職員の員数の規定は適用されません。そのかわり、連携する指定訪問看護事業者と契約して、アセスメント、随時対応サービスの連絡体制の確保、介護・医療連携推進会議への参加などで協力を得ます。

訪問介護事業所を併設する場合の考え方

基準は、利用者の処遇に支障がない場合に限って、同一敷地内の指定訪問介護事業所との兼務を認めています。オペレーターは、同一敷地内の指定訪問介護事業所の職務に従事できます。随時訪問サービスを行う訪問介護員等も、同一敷地内の指定訪問介護事業所の職務に従事できます。

訪問介護事業所との兼務は、同一敷地内にある場合に限った定めです。管理者は、管理上支障がない場合に、他の事業所や施設の職務に従事できると別に定められています。

訪問介護の側の人員基準は、訪問介護の人員基準と配置の計画で、サービス提供責任者や訪問介護員の配置の考え方を確認できます。

このページの範囲と、次に確認すること

このページが確認したのは、介護保険法、指定地域密着型サービスの人員・設備・運営基準、厚生労働省の算定構造の資料と令和6年度改定の資料です。市町村ごとの募集や運用、指定を受けるための手順と費用は確認していません。

個々の事業所が兼務や併設の条件を満たすかは、このページでは判断しません。指定を受ける市町村の担当窓口で確認してください。

開業の費用と収支は売上構造の計画で、訪問介護の指定申請の流れは指定申請のロードマップで確認できます。令和9年度の改定で見直される点は令和9年度介護報酬改定の検討状況で整理しています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 自社が訪問介護のほかに定期巡回・随時対応型訪問介護看護を検討する理由(夜間の随時対応、重度者の在宅支援など)を書き、指定を受ける市町村の担当窓口を調べる
  2. 報酬が回数ごとの訪問介護と、1月につきの定額の定期巡回で、利用者像ごとに収入の出方がどう違うかを、算定構造の表の単位数で比べて書く
  3. オペレーター、随時訪問の訪問介護員等、看護職員、計画作成責任者を自社の職員で満たせるかを、基準の条文の兼務の範囲に照らして確認票に書く。同一敷地内でない場合や利用者の処遇に支障がある場合は兼務できない
  4. 一体型と連携型のどちらを想定するかを決め、連携型なら連携する訪問看護事業所の候補と契約で協力を得る事項を書く。市町村に確認した日と回答を控える

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問介護の人員計画と採用シナリオ →