運営 / 更新 2026-10-07

訪問介護のケアプランデータ連携システム:加入手順・費用と処遇改善加算の令和8年度特例要件

ケアプランデータ連携システムは、居宅介護支援事業所と居宅サービス事業所の間で、ケアプランのデータをオンラインでやり取りする国民健康保険中央会の仕組みです。令和8年度の処遇改善加算では、訪問・通所サービス等の「令和8年度特例要件」の一つに入っています。この記事では、仕組み・費用・加入の手順と、特例要件で求められることを、公式資料で確認できた範囲で整理します。

この記事で決めること

ケアプランデータ連携システムの仕組み、訪問介護事業所が加入するときの手順・費用・環境と、令和8年度の処遇改善加算の特例要件(ア)で何が求められるかを整理するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、ケアプランデータ連携システムの加入と利用実績の管理表を作成できる状態を目指します。

ケアプランデータ連携システムでできること

厚生労働省の令和8年8月の資料(p.2)は、居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)と介護サービス事業所の間で交わすケアプラン(計画・予定・実績の情報)のデータ連携のため、令和5年度から国民健康保険中央会にこのシステムを構築した、と説明しています。

国保中央会の説明資料(2024年6月26日版)によると、やり取りできるのは居宅サービス計画書の第1表・第2表と、サービス提供票(予定・実績)の第6表・第7表です。介護ソフトが出力する標準仕様のCSVファイルを、システム上で送受信します。

訪問介護事業所にとっては、ケアマネジャーから届く提供票や、月ごとの実績の受け渡しを、紙・FAX・メールからデータの送受信に置き換える手段です。ケアマネジャーとの日々の連絡や月次報告の全体像は訪問介護のサービス提供・ケアマネ連携・月次報告で整理しています。

費用と利用環境

国保中央会の説明資料(2024年6月26日版・p.18)では、通常のライセンス料は1事業所番号ごとに月額1,750円(税込み)で、有効期間は申込日から1年間、1年分は21,000円(税込み)です。事業所番号が同じなら、複数の事業所を運営していても1事業所番号分です。

サポートサイトのよくある質問は、令和9年1月(予定)に介護WEBサービスへ統合した後は、ケアプランデータの送受信に利用料の負担は発生しないと案内しています。2025年6月1日以降の新規申請は自動更新です。無料で使えるキャンペーン期間の終了日は、公式ページの原文を確認できていないため、申込の前にサポートサイトで確かめてください。

利用環境として、製品ダウンロードのページには、インターネットに接続できるWindows10以上の端末に対応していると書かれています。加えて、利用中の介護ソフトがケアプランの標準仕様に対応している必要があります。介護ソフトの選び方や端末の準備は訪問介護の物件・設備・車両・ICT準備も参照してください。

ケアプランデータ連携システムの費用と環境(公式資料で確認できた範囲)
項目確認できた内容出典
通常のライセンス料1事業所番号ごとに月額1,750円(税込み)、年21,000円国保中央会の説明資料(2024年6月26日版)p.18
有効期間申込日から1年間(2025年6月1日以降の新規申請は自動更新)同資料 p.18、サポートサイトのよくある質問
統合後の利用料介護WEBサービスの機能として、利用料の負担は発生しないサポートサイトのよくある質問
端末インターネットに接続できるWindows10以上サポートサイトの製品ダウンロードのページ
介護ソフトケアプランの標準仕様に対応していること国保中央会の説明資料 p.13

加入までの手順

国保中央会の説明資料(p.13)の流れは、利用開始前に、パソコンの環境・介護ソフト・電子請求用のIDを確認し、続けて、製品のダウンロード、電子証明書のインストール、利用の申請、利用開始の順に進みます。

利用の申請には、電子請求受付システム(インターネット請求)で使うIDとパスワードが必要で、申請は利用状況Webサイトで行います。電子請求用のIDの桁数は、厚生労働省の資料とサポートサイトで書き方が食い違っていたため、この記事では書きません。事業所に届いているIDで確認してください。

申込から利用開始までの日数の目安は、確認した資料に書かれていませんでした。問い合わせは、国保中央会のヘルプデスクが受け付けています。電話番号と受付時間は、国保中央会の説明資料(p.16)にあります。

処遇改善加算の令和8年度特例要件との関係

令和8年度の処遇改善加算には、加算ⅠロとⅡロに、令和8年度特例要件が加わっています。厚生労働省の拡充資料は、特例要件を、ア〜ウのいずれかを満たすことと書き、アは「訪問、通所サービス等」について、ケアプランデータ連携システムに加入し、実績の報告を行うことです。訪問介護の介護職員等処遇改善加算 区分・算定要件・加算率と計画書・実績報告で、区分ごとの加算率と要件を整理しています。

老発0313第6号(令和8年3月13日)は、アを、ケアプランデータ連携システムを利用していることとし、別紙1の表1-2と表1-3に掲げる介護サービス事業所等に限る、と定めています。訪問介護は、通知の別紙1表1-2(令和8年6月以降のサービス類型別の加算率)に載っているため、アの対象に当たります。自事業所が対象か不安なときは、指定権者に確認します。

申請の時点でまだ利用していなくても、加入して利用することを誓約すれば、申請時点から要件を満たしたものとして扱われます。誓約した場合は、令和9年3月末までにシステムを利用したうえで、実績報告書で利用実績を報告します。

通知では「加入」という語が誓約の文の中で使われ、利用の申込やライセンスの取得のどの時点を指すのかは、確認した範囲では定義が見つかりませんでした。実績報告書でどう確認されるかの細目も、確認できた範囲を超えるため書きません。誓約した場合は、令和9年3月末までに実際に利用を始めて、利用実績が分かる記録を残しておくのが安全です。

令和9年1月の統合と、事業所の準備

厚生労働省の令和8年8月の資料(p.8)は、ケアプランデータ連携システムを令和9年(2027年)1月(予定)に、介護情報基盤の介護WEBサービス(介護保険資格確認等WEBサービス)へ引っ越しすると説明しています。令和8年7月から12月までが引っ越し準備期間で、自治体が介護情報基盤を開始しなくても、ケアプランデータ連携は利用できるとされています(p.11)。介護WEBサービスの導入手順と市町村ごとの開始日は介護情報基盤(介護WEBサービス)の導入手順と開始日で整理しています。

事業所の準備は、例として、①介護ソフトが標準仕様に対応しているかを確認する、②電子請求のIDと管理者を決める、③利用の申請日・有効期間を管理表に書く、④特例要件で誓約した場合は、令和9年3月末までの利用開始日と実績報告書に書く内容を決める、の順に進められます。

費用・手続き・無料期間は更新されることがあります。申込の前に、サポートサイトと厚生労働省の最新の案内で、料金と手順を確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 利用中の介護ソフトがケアプランの標準仕様に対応しているかをベンダーに確認し、確認した日と回答を書く
  2. 電子請求のID・パスワードの管理者、利用するパソコン、電子証明書のインストール先を決める
  3. 利用状況Webサイトでの申請日、ライセンスの有効期間、更新(自動更新か)を管理表に入れる
  4. 処遇改善加算の特例要件で誓約した場合は、令和9年3月末までの利用開始日と、実績報告書に書く利用実績を記録する

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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