運営 / 更新 2026-10-24
居宅介護支援の運営指導で確認される書類:厚生労働省の確認項目と確認文書
居宅介護支援の運営指導では、厚生労働省が定めた「確認項目」に沿って確認され、書類は「確認文書」に挙げられたものが中心になります。居宅介護支援の項目と確認文書を、厚生労働省の別添の原文で一覧にし、指導の前に自分で点検する手順をまとめます。
確認項目と確認文書の位置づけ
厚生労働省の運営指導マニュアルは、確認項目と確認文書を、運営指導の方法を標準化し効率化するために、確認すべき内容を絞った最低限のチェックポイントと説明しています。確認項目以外の項目は特段の事情がない限り確認を行わず、確認文書以外の文書は原則求めない、という考え方です。
ただし、確認文書では確認項目が確認できない場合は、それ以外の文書の提示を求められることがあります。別添の「はじめに」は、確認文書として複数例示されているものは、その1つの確認で目的が達成されるなら複数を求めなくてよいことも示しています。
この記事で決めること
居宅介護支援事業所の運営指導を前に、行政が確認する項目と、用意する書類を、厚生労働省の標準の確認項目・確認文書の原文で点検したい事業者向け。居宅介護支援を併設・開業する訪問介護の事業者が、運営指導の準備の見通しを持つ場面も含む。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、居宅介護支援の運営指導の点検表(1枚):第4条と第13条の確認項目ごとに、確認文書の名前、置き場所、利用者ごとの記録の最新月、専門員証の有効期限、不足の有無を作成できる状態を目指します。
個別サービスの質に関する事項:同意・アセスメント・計画・モニタリングの書類
別添の居宅介護支援の項は、確認項目を2つの区分に分けています。1つ目の「個別サービスの質に関する事項」は、内容及び手続の説明及び同意(第4条)と、指定居宅介護支援の具体的取扱方針(第13条)の2項目です。後者の確認項目が多く、ケアプラン作成の流れに沿って並んでいます。
| 確認項目(条項) | 確認文書 |
|---|---|
| 内容及び手続の説明及び同意(第4条) | 重要事項説明書(利用申込者または家族の同意があったことがわかるもの)、内容及び手続きの説明に対して利用申込者の理解を得られたことがわかるもの(例:利用申込者の署名文書)、利用契約書 |
| 指定居宅介護支援の具体的取扱方針(第13条) | アセスメントの結果記録、サービス担当者会議の記録、居宅サービス計画、支援経過記録等、モニタリングの結果記録、個別サービス計画、身体的拘束等の記録(身体的拘束等がある場合) |
第13条の確認項目:アセスメントから月1回のモニタリングまで
第13条の確認項目は、別添の原文では次の順に並んでいます。介護保険以外の保健医療・福祉サービス等も含めて居宅サービス計画に位置づけるよう努めているか。
次に、解決すべき課題を把握(アセスメント)しているか、アセスメントのため利用者の居宅を訪問し、利用者と家族に面接しているかが並びます。
続いて、サービス担当者会議を開催して情報を共有し、担当者の専門的な見地からの意見を求めているか。居宅サービス計画原案を利用者または家族に説明し、文書により同意を得ているか。居宅サービス計画を利用者と担当者へ交付しているか。
さらに、定期的に居宅サービス計画の実施状況の把握(モニタリング)を行い、結果を記録しているか(月1回)。サービス担当者会議で、変更の必要性について担当者の意見を求めているか。位置づけた個別サービスの計画の提出を求めているか。
最後に、身体的拘束等を行わない、行う場合は切迫性・非代替性・一時性の要件を満たし、態様・時間・心身の状況・緊急やむを得ない理由を記録しているか、という項目も含まれます。
これらの項目に対応する確認文書はすべて第13条の行にまとめて挙げられています。利用者ごとの記録が、アセスメントからモニタリングまで続いているかを確かめる項目が中心だと読めます(この読み方は別添の記載ではなく、この記事の整理です)。
体制に関する事項:勤務・資格・研修・災害や感染症の書類
2つ目の「個別サービスの質を確保するための体制に関する事項」には、従業者の員数、管理者、受給資格等の確認、運営規程、勤務体制、業務継続計画、感染症、秘密保持、広告、苦情、事故、虐待の項目が並びます。表の条項は、別添が指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)から抽出したものと注記しているものです。
| 確認項目(条項) | 確認文書 |
|---|---|
| 従業者の員数(第2条) | 従業者の勤務体制及び勤務実績がわかるもの(例:勤務体制一覧表、勤務実績表)、従業者の勤怠状況がわかるもの(例:タイムカード、勤怠管理システム)、資格要件に合致していることがわかるもの(例:資格証の写し)。確認項目には、専門員証の有効期限が切れていないかも含まれる |
| 管理者(第3条) | 管理者の雇用形態がわかるもの、勤務体制及び勤務実績がわかるもの、勤怠状況がわかるもの。確認項目は、常勤専従か、他の職務を兼務している場合は兼務体制が適切かどうか |
| 受給資格等の確認(第7条) | 介護保険番号、有効期限等を確認している記録等 |
| 運営規程(第18条) | 運営規程(事業の目的及び運営の方針、職員の職種・員数・職務内容、営業日及び営業時間、提供方法・内容及び利用料その他の費用の額、通常の事業の実施地域、虐待の防止のための措置、その他運営に関する重要事項の7項目を定めているか) |
| 勤務体制の確保(第19条) | 従業者の勤務体制及び勤務実績がわかるもの、雇用の形態(常勤・非常勤)がわかるもの、研修の計画及び実績がわかるもの、職場におけるハラスメントによる就業環境悪化防止のための方針 |
| 業務継続計画の策定等(第19条の2) | 業務継続計画、研修の計画及び実績がわかるもの、訓練の計画及び実績がわかるもの |
| 感染症の予防及びまん延防止のための措置(第21条の2) | 委員会(おおむね6月に1回以上)の開催状況・結果がわかるもの、指針、研修及び訓練の実施状況・結果がわかるもの |
| 事故発生時の対応(第27条) | 市町村、利用者家族等への連絡状況がわかるもの、事故に際して採った処置の記録、損害賠償の実施状況がわかるもの |
| 虐待の防止(第27条の2) | 対策を検討する委員会の開催状況及び結果がわかるもの、指針、研修の計画及び実績がわかるもの、担当者を置いていることがわかるもの |
勤務や研修の記録は、月日がたつと変わる
利用者に関する書類は、同意の署名や日付が入っているか、アセスメントやモニタリングの記録が最新かを見ます。勤務体制一覧表、勤怠の記録、研修や訓練の計画と実績、資格証や専門員証の有効期限は月日がたつと変わるため、直近の分が揃っているかを別に確かめておくと安心です(この見方は別添の記載ではなく、この記事の整理です)。
別添の居宅介護支援の項は、このほかに秘密保持等(第23条)、広告(第24条)、苦情処理(第26条)の項目も挙げています。この記事の表には、居宅介護支援の節の原文で確かめた主な行だけを載せています。
運営指導の前に、自分で点検する手順
別添の居宅介護支援の項の確認項目を左の列に写し、右の列に確認文書の名前と事業所での置き場所を書いていきます。そのうえで、同意の日付、署名の有無、アセスメントとモニタリングの記録が利用者ごとに最新まで揃っているかなど、書類の中身を1枚ずつ見ます。
足りない文書があるときは、運営基準に書かれている文書から先に整える進め方が、別添の「はじめに」の趣旨に合います。この順番は別添に書かれた手順ではなく、この記事の整理です。
訪問介護の運営指導の確認文書は別の記事の運営指導の確認項目チェックリストにまとめています。居宅介護支援には、アセスメントの結果記録や支援経過記録、専門員証の有効期限のように、居宅介護支援だけに出てくる項目と文書があります。
この記事で確認した範囲と、次に確かめること
2026年10月24日に、厚生労働省の運営指導マニュアル本文で確認項目・確認文書の位置づけを、同じマニュアルの別添PDFの居宅介護支援の項で項目と文書名を確認しました。別添のPDFの本文を作成日・改訂日の表記で検索しましたが、見当たりませんでした。
自治体が独自に求める書類や様式、運営指導の通知から当日までの日程は、この記事では扱っていません。実際に求められる書類は、事業所のある都道府県・市町村の案内で確かめてください。個別の運営基準違反の有無を、この記事で判断することはできません。
次に知りたいことは、各項目の根拠になる運営基準の中身は居宅介護支援の運営基準、確認項目にある員数と管理者の条件は居宅介護支援事業所の人員基準、報酬の面は居宅介護支援の特定事業所加算で整理しています。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 別添(居宅介護支援)の第4条と第13条の確認項目を左の列に写し、右に確認文書の名前を並べて、置き場所を書く
- アセスメントの結果記録、サービス担当者会議の記録、モニタリングの結果記録が、利用者ごとに直近の月の分まで揃っているかを確かめて表に書く
- 介護支援専門員ごとに専門員証の有効期限と、勤務体制一覧表・タイムカード・研修の記録の直近の分を確かめ、期限が近いものに印を付ける
- 不足している文書は、運営基準に書かれているものから先に整え、整えた日と担当者を表に残す
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省老健局総務課介護保険指導室「介護保険施設等運営指導マニュアル(令和4年3月策定・令和6年7月改訂)」(確認日 2026-10-14)
- 厚生労働省老健局総務課介護保険指導室「介護保険施設等運営指導マニュアル 別紙2 別添「確認項目及び確認文書」(106 通所介護)」(別添 106 通所介護(資料内18〜22ページ)、はじめに)(確認日 2026-10-24)