運営 / 更新 2026-10-17

居宅介護支援の特定事業所加算:区分(Ⅰ)〜(A)の単位と要件・医療介護連携加算

「特定事業所加算」は、訪問介護にも居宅介護支援にもある名前の加算ですが、別の制度の別の加算です。居宅介護支援の特定事業所加算は、(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(A)の4区分があり、1月につき決まった単位数が加算されます。この記事は、訪問介護の事業者が居宅介護支援の併設や連携を考えるときに、厚生労働省の資料で区分、単位、主な要件、特定事業所医療介護連携加算の位置づけを確かめ、訪問介護の同名の加算と取り違えないように整理するものです(基準告示の条文、届出書類の書き方、個別の事業所が算定できるかの判断は扱いません)。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

訪問介護の特定事業所加算との違い:対象の事業所、区分、単位の決め方

訪問介護の特定事業所加算は、訪問介護の事業所が、体制や人材の要件を満たしたときに、訪問介護の報酬に上乗せされる加算です。区分と加算率は訪問介護の特定事業所加算(Ⅰ)〜(Ⅴ)の単位(加算率)と算定要件一覧(体制・人材)で整理しています。

居宅介護支援の特定事業所加算は、ケアプランを作る居宅介護支援の事業所が算定する加算で、対象は主任介護支援専門員や介護支援専門員を置く居宅介護支援の事業所です。訪問介護の事業所が算定するものではなく、区分も(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(A)の4つで、訪問介護の区分とは別に数えます。

同じ法人が訪問介護と居宅介護支援の両方を持つ場合も、2つの加算は事業所ごとに別々に届け出て、別々に要件を確かめます。検索で「特定事業所加算」と調べて読む資料が、どちらのサービスのものかを、最初に確かめてください。

この記事で決めること

訪問介護の事業者が、居宅介護支援の特定事業所加算の区分と単位、人員・体制の要件の違い、特定事業所医療介護連携加算の位置づけを一次資料で確かめ、訪問介護の同名の加算と取り違えずに、併設や連携の検討で何を確かめるかを知るための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、居宅介護支援の特定事業所加算の確認表(区分ごとの単位・主任介護支援専門員と介護支援専門員の人数・会議や24時間連絡体制や研修の整備状況・他制度の研修への参加・利用者数の上限・特定事業所医療介護連携加算の実績回数・確かめた日と窓口の回答)を作成できる状態を目指します。

区分と単位:(Ⅰ)519・(Ⅱ)421・(Ⅲ)323・(A)114単位、1月につき

令和6年厚生労働省告示第86号の新旧対照表では、指定居宅介護支援介護給付費単位数表の特定事業所加算は、(Ⅰ)が519単位、(Ⅱ)が421単位、(Ⅲ)が323単位、(A)が114単位です。令和6年度の改定前は、それぞれ505単位、407単位、309単位、100単位でした。1月につきの加算で、算定の条件は、別に厚生労働大臣が定める基準に適合するものとして、電子情報処理組織を使う方法で市町村長に届け出た事業所であることです。

いずれかの区分を算定している場合は、ほかの区分は算定しません。つまり、1つの事業所が算定する区分は、同じ月に1つだけです。

厚生労働省の算定構造の資料では、特定事業所加算とは別に、特定事業所医療介護連携加算が1月につき125単位と示されています。この加算の位置づけは、後の節で整理します。

人員の要件:主任介護支援専門員と介護支援専門員の人数が、区分を分ける

厚生労働省の令和6年度改定の資料では、専ら居宅介護支援の提供に当たる常勤の主任介護支援専門員の配置が、(Ⅰ)は2名以上、(Ⅱ)(Ⅲ)(A)は1名以上です。専ら居宅介護支援の提供に当たる常勤の介護支援専門員の配置は、(Ⅰ)と(Ⅱ)が3名以上、(Ⅲ)が2名以上、(A)は常勤と非常勤が各1名以上です。

いずれも、利用者への居宅介護支援の提供に支障がない場合は、事業所の他の職務や、同一敷地内の他の事業所の職務との兼務ができると示されています。介護支援専門員は、同一敷地内の指定介護予防支援事業所の職務との兼務ができます。

(A)については、留意事項通知の新旧対照表に、主任介護支援専門員は、常勤で専従の介護支援専門員1名と、常勤換算で1の介護支援専門員とは別に置くこと、少なくとも主任介護支援専門員と介護支援専門員1名の合計2名を常勤で専従に置くことが書かれています。人数の数え方の細目は、最新の通知を窓口で確かめてください。

体制の要件:会議、24時間連絡、研修、他制度の学び、利用者数の上限

厚生労働省の資料の表では、次の3つが(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(A)のすべてで求められます。会議の定期的な開催(利用者に関する情報や、サービス提供の留意事項の伝達等が目的)、地域包括支援センターから紹介された支援が困難な事例への対応、高齢者以外(家族の介護を日常的に担う児童、障害者、生活困窮者、難病患者など)への支援に関する事例検討会や研修への参加です。介護支援専門員1人当たりの利用者数は45名未満(居宅介護支援費(Ⅱ)を算定している場合は50名未満)で、これもすべての区分に共通です。

24時間連絡の体制、介護支援専門員への計画的な研修、実務研修の実習への協力(協力体制の確保を含む)、他の法人が運営する居宅介護支援の事業所と共同で行う事例検討会や研修会は、(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)で求められます。(A)は、これらを他の事業所との連携で満たすことも認められると、同じ表に示されています。

要介護3から5の利用者が総数の100分の40以上であることは、表では(Ⅰ)だけの要件です。留意事項通知の新旧対照表には、会議の「定期的」はおおむね週1回以上、24時間連絡の体制は常時担当者が携帯電話等で連絡を取れる体制で、(A)は携帯電話等の転送による対応も可能と書かれています。

特定事業所医療介護連携加算:医療機関との連携の実績を評価する別の加算

特定事業所医療介護連携加算は、特定事業所加算の区分の1つではなく、別の加算です。留意事項通知の新旧対照表では、以前の特定事業所加算(Ⅳ)の取扱いが削られ、この加算が新設されています。日頃から医療機関等との連携に関する取組をより積極的に行う事業所を評価するものと書かれています。

実績の要件は、退院・退所加算の算定に係る病院等との連携の回数が、前々年度の3月から前年度の2月までの間に35回以上であることと、ターミナルケアマネジメント加算を同じ期間に15回以上算定していることです。ターミナルケアマネジメント加算の回数は、令和6年度の改定で5回以上から15回以上に改められ、令和7年4月1日から令和8年3月31日までの間は、令和6年3月の回数を3倍した数と、令和6年4月から令和7年2月までの回数の合計が15以上であることとする経過措置が示されています。

ほかの要件を満たしていても、特定事業所加算の(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のいずれかを算定していない月は、この加算は算定できません。35回の要件は令和3年度の留意事項通知の新旧対照表で確かめたもので、令和6年度の資料はターミナルケアマネジメント加算の回数の見直しだけを示しています。最新の条件は、告示と通知で確かめてください。

この記事で読んだ範囲と、次に知りたいこと

この記事で読んだのは、厚生労働省の令和6年度介護報酬改定の資料、令和6年厚生労働省告示第86号の新旧対照表、介護報酬の算定構造、留意事項通知の新旧対照表です。基準告示の条文そのもの、届出の様式、要件の一部の細目、令和7年度以降の改正、市町村の運用は読んでいません。個々の事業所が算定できるかは、このページでは判断しません。

確認の順は、いま算定している区分、主任介護支援専門員と介護支援専門員の人数、会議や24時間連絡や研修の整備、利用者数の上限、医療介護連携加算の実績の回数、の順に整理すると進めやすくなります。

次に知りたいことは、人員の基準は居宅介護支援事業所の人員基準:介護支援専門員は利用者44人ごとに1人・管理者の要件と兼務、運営の基準は居宅介護支援の運営基準:契約の説明・アセスメント・ケアプラン作成・月1回のモニタリング記録、併設するときの線は訪問介護と同一法人の居宅介護支援を併設するときの線(公正中立・集中減算)で確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 併設や連携を考える居宅介護支援の事業所を決め、いま算定している加算の区分((Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(A)のどれか、または算定なし)と、訪問介護の特定事業所加算の区分とを、別の欄に書き分ける
  2. 主任介護支援専門員と介護支援専門員の常勤・非常勤の人数、他の業務との兼務の有無を書き出し、区分ごとの人数の要件と照らして、足りない点に印を付ける
  3. 週1回ほどの会議、24時間連絡体制、研修の計画、他制度に関する事例検討会や研修への参加、他法人との共同の事例検討会について、実施の記録の有無を確かめて書き込む
  4. 特定事業所医療介護連携加算を考える場合は、退院・退所加算とターミナルケアマネジメント加算の実績の回数を数え、告示と留意事項通知の最新の条件を指定権者の窓口に確かめて、確かめた日と回答を記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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