運営 / 更新 2026-10-22

訪問介護の介護テクノロジー導入率:記録ソフト等46.9%・導入なし43.9%

訪問介護の介護テクノロジーの導入率は、令和7年4月末時点で、介護記録ソフト等46.9%、見守り・コミュニケーション機器2.4%、導入なし43.9%です(厚生労働省の概況調査)。機器区分別の導入率と、ほかの訪問系サービスとの比較、自事業所の導入計画に使うときの注意を整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

調査の概要と、表の数字の読み方

第97表は、介護テクノロジーの導入状況をサービスの種類別に示した表です。令和7年4月末時点の状況で、複数回答です。訪問介護の集計対象は638事業所で、機器区分ごとに、導入している事業所の割合が示されています。

複数回答のため、区分ごとの導入率を足しても100%にはなりません。たとえば、記録ソフトと見守り機器の両方を導入している事業所は、両方の区分に数えられます。「介護テクノロジーを導入していない」は、介護テクノロジーを導入していない事業所の割合です。

この表は調査に回答した事業所の導入の有無の集計値です。導入が必要な水準や、導入による収支への効果を示すものではありません。収支差率の読み方は訪問介護の利益率と収支差率の違いで整理しています。

この記事で決めること

訪問介護の事業計画を作る事業者が、厚生労働省の概況調査で令和7年4月末時点の訪問介護の介護テクノロジーの機器区分別の導入率を確かめ、ほかの訪問系サービスと比べて、自事業所のICTや機器の導入計画を立てるときの読み方を知るための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、ICT・機器の導入状況の対照表(機器区分ごとの導入の有無、導入予定、全国の導入率、確認メモ)を作成できる状態を目指します。

訪問介護の機器区分別の導入率(令和7年4月末・第97表)

訪問介護で最も高いのは、介護業務支援機器(介護記録ソフト等)の46.9%です。次いで、入浴支援機器が3.2%、見守り・コミュニケーション機器が2.4%、移乗支援機器が1.8%、移動支援機器が1.1%、排泄支援機器が0.3%と続きます。

介護テクノロジーを導入していない事業所は43.9%です。機能訓練支援機器と認知症生活支援・認知症ケア支援機器は0.2%、食事・栄養管理支援機器は表の記号が「-」(計数のない場合)です。記録ソフトなどの介護業務支援機器以外の機器区分は、どれも3.2%以下です。

訪問介護の介護テクノロジーの機器区分別の導入率(令和7年4月末・複数回答・集計対象638事業所・第97表)
機器区分導入率
介護業務支援機器(介護記録ソフト等)46.9%
入浴支援機器3.2%
見守り・コミュニケーション機器2.4%
移乗支援機器1.8%
移動支援機器1.1%
排泄支援機器0.3%
機能訓練支援機器0.2%
認知症生活支援・認知症ケア支援機器0.2%
食事・栄養管理支援機器計数なし(-)
その他1.4%
介護テクノロジーを導入していない43.9%

ほかの訪問系サービスとの比較

同じ表で、訪問系の主なサービスの導入率を並べると、介護業務支援機器は訪問介護が46.9%、訪問看護が45.1%、訪問入浴介護が35.0%、訪問リハビリテーションが37.1%です。定期巡回・随時対応型訪問介護看護は66.0%で、訪問介護より19.1ポイント高くなっています。

導入していない事業所の割合は、訪問介護が43.9%、訪問看護が45.9%、訪問リハビリテーションが52.0%、訪問入浴介護が60.0%、定期巡回・随時対応型訪問介護看護が25.4%です。サービスごとに事業所の規模や利用者の状況が異なるため、差の理由は表から決められません。

訪問系サービスの介護テクノロジーの導入率の比較(令和7年4月末・複数回答・第97表)
サービス(集計対象数)介護業務支援機器(介護記録ソフト等)見守り・コミュニケーション機器導入していない
訪問介護(638)46.9%2.4%43.9%
訪問入浴介護(205)35.0%1.2%60.0%
訪問看護(254)45.1%0.8%45.9%
訪問リハビリテーション(396)37.1%6.3%52.0%
定期巡回・随時対応型訪問介護看護(427)66.0%19.3%25.4%

自事業所の導入計画に使うときの確認点

自事業所の導入状況を、表と同じ機器区分で書き出し、全国の導入率と並べます。たとえば、記録ソフトは入れているが、見守り機器や入浴支援機器は入れていない場合、見守り機器や入浴支援機器は、訪問介護の大半の事業所が導入していない区分です。全国と同じ状況であることは、導入が適切であることを意味しません。

導入していない区分は、訪問回数や職員数の見通しと合わせて、訪問介護の業務で必要かを考えます。導入の費用に使える補助は、介護テクノロジー導入支援の国の要綱と、ページ末尾の関連リンクにある都道府県の補助の記事で、要件を確認してください。補助の対象や申請の可否は、都道府県などの窓口に確認します。

記録を電子化しても、サービスの提供の記録として残す記載事項は変わりません。記載事項は訪問介護のサービスの提供の記録で確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 介護記録ソフト等の介護業務支援機器、見守り・コミュニケーション機器、入浴・移乗・移動・排泄の各支援機器について、自事業所の導入の有無を表に書く
  2. 調査の区分と同じ並びで、全国の訪問介護の導入率を横に並べて記録する
  3. 導入していない区分のうち、訪問介護の業務で必要になるものを、訪問回数や職員数の見通しと合わせて選ぶ
  4. 選んだ区分は、補助の要件と費用を別の記事と自治体の案内で確認してから、導入の時期と費用を計画に入れる

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

訪問介護事業所の何割が介護記録ソフトなどのICTを導入していますか?

厚生労働省の令和7年度介護事業経営概況調査では、令和7年4月末時点で、訪問介護(集計対象638事業所)のうち、介護業務支援機器(介護記録ソフト等)を導入している事業所は46.9%です。介護テクノロジーを導入していない事業所は43.9%です。この調査は複数回答です。

訪問介護では見守り機器や移乗支援機器の導入は進んでいますか?

同じ調査の訪問介護の導入率は、見守り・コミュニケーション機器が2.4%、移乗支援機器が1.8%、入浴支援機器が3.2%、移動支援機器が1.1%、排泄支援機器が0.3%です。導入率が低い理由までは、調査結果から分かりません。

全国の導入率と同じ水準まで導入しないと、事業計画で不利になりますか?

この表だけでは、不利になるとは言えません。この表は調査に回答した事業所の導入の有無を集計したもので、導入が必要な水準を示すものではありません。自事業所の訪問回数や職員数に合う機器だけを選び、費用と補助の要件は別に確認します。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問介護の記録ICT導入に使える都道府県の補助(令和8年度、3県の例) →