運営 / 更新 2026-10-13

訪問介護の介護職員の平均給与額:常勤の月給349,740円と自事業所の比べ方

厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査によると、訪問介護事業所の介護職員(月給・常勤)の平均給与額は349,740円でした。給与を決めるとき、この数字は参考になりますが、含まれる項目と対象の職員が決まっています。このページは、厚生労働省の調査結果の概要で、訪問介護の数字、平均給与額に含まれる項目、勤続年数別・資格別の水準、自事業所と同じ定義で比べる手順を整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護事業所の開設者や管理者が、給与の水準を決めるために、厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査で訪問介護の介護職員の平均給与額(月給・常勤)がいくらか、その数字に何が含まれるかを確認し、自事業所の給与と同じ定義で比べるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、給与水準の比較票(自事業所の職員の基本給・手当・賞与の月平均、厚生労働省調査の平均給与額との同じ定義での差、勤続年数別と資格別の見比べ)を作成できる状態を目指します。

訪問介護の平均給与額は349,740円

調査の対象は、介護職員等処遇改善加算Ⅰ〜Ⅴを取得(届出)している事業所で、令和5年9月と令和6年9月の両方に在籍している介護職員のうち、月給で働く常勤の人です。調査時期は令和6年10月で、訪問介護事業所を含む10種類のサービスから13,801の施設・事業所を抽出し、有効回答は8,180(回答率59.3%)でした。

訪問介護の平均給与額は349,740円で、令和5年9月の332,810円から16,930円増えています。サービス全体の338,200円より高く、通所介護の294,440円より約5万5,000円高い水準です。次の表は、概要に載っている数字を並べたものです。

介護職員(月給・常勤)の平均給与額(厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査、2026-10-13確認)
サービス令和6年9月令和5年9月差
訪問介護349,740円332,810円16,930円
全体(10サービス)338,200円324,240円13,960円
通所介護(地域密着型を含む)294,440円283,570円10,870円
介護老人福祉施設361,860円346,970円14,890円
特定施設入居者生活介護361,000円345,700円15,300円

平均給与額に含まれる項目と、含まれない人

概要の注記によると、平均給与額は「基本給(月額)+手当+一時金(4〜9月支給金額の6分の1)」です。手当には、職務手当、処遇改善手当、通勤手当、家族手当などのほか、早朝・深夜・休日手当を含む時間外手当も含まれます。つまり、求人票に書く基本給とは別の、手当と賞与まで足した金額です。

サービス全体の内訳は、平均給与額338,200円のうち、基本給が192,660円、手当が97,980円、一時金(賞与等)が47,560円です。訪問介護だけの内訳は、概要には載っていません。対象は月給の常勤の職員だけなので、時給で働く非常勤の登録ヘルパーの時給は読み取れません。

もう一つの注意点は、対象が処遇改善加算の取得事業所であることです。概要によると、訪問介護で加算を届け出ている事業所は96.3%で、加算Ⅰが44.5%でした。加算を取得していない事業所の給与は、この平均に入っていません。

勤続年数別と保有資格別の水準

概要は、サービス全体の介護職員について、勤続年数別と保有資格別の平均給与額も載せています。訪問介護だけの数字ではありませんが、給与表の段階を考えるときの目安になります。

介護職員(月給・常勤、全サービス)の平均給与額の区分別(令和6年9月、統計表第86表・第89表)
区分平均給与額
勤続1年(1年〜1年11か月)298,760円
勤続3年(3年〜3年11か月)316,080円
勤続5年〜9年335,640円
勤続10年以上359,040円
介護福祉士を持つ人350,050円
実務者研修を持つ人327,260円
介護職員初任者研修を持つ人324,830円
保有資格なし290,620円

自事業所の給与と同じ定義で比べる手順

比べるときは、定義を揃えます。常勤の月給の職員ごとに、基本給(月額)に手当を足し、さらに賞与など臨時の支給のうち4月から9月に支給した金額の合計を6で割った額を足します。通勤手当や時間外手当も手当に入れます。

次に、出した金額を訪問介護の349,740円、勤続年数別、保有資格別の数字と並べます。たとえば(仮の数字です)、基本給が190,000円、手当が70,000円、4〜9月の賞与が合計120,000円の職員なら、120,000円÷6の20,000円を足して、平均給与額は280,000円になります。この場合は、勤続年数と資格が近い区分と見比べ、差が基本給、手当、賞与のどこにあるかを分けて見ます。

調査の数字は、処遇改善加算を取得している事業所の常勤職員の平均です。自事業所が下回っていても、それだけで水準が問題とは言えません。給与を引き上げる場合は、人件費への影響を人員計画で試算してから決めます。

このページの範囲と、あわせて確認するページ

このページが確認したのは、厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」の数字です。自事業所の給与をいくらにするべきかは判断しません。また、この調査の次の回の結果が公表された場合は、新しい調査で数字を確かめてください。

最低賃金との確認は訪問介護員の時給と最低賃金で、処遇改善加算の賃金改善の配り方は処遇改善加算の賃金改善額の配分で、人手不足や離職の実態調査は訪問介護員の人手不足と離職・採用の実態で、人員計画への反映は訪問介護の人員計画と採用シナリオで確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 比べる職員の範囲を、月給で働く常勤の職員に絞って比較票に書く。時給で働く非常勤の登録ヘルパーは、この調査の平均給与額の対象に入っていないため、別の表に分ける
  2. 職員ごとに、令和6年度調査と同じ定義で平均給与額を出す。基本給(月額)に、通勤手当や時間外手当を含む手当を足し、賞与など臨時の支給のうち4月から9月の支給額の合計を6で割った額を足す
  3. 出した金額を、訪問介護の349,740円、勤続年数別、保有資格別の数字と並べ、差がある区分を比較票に印を付けて書く。調査の数字は処遇改善加算を取得している事業所の常勤職員の平均であり、自事業所が下回っても直ちに問題とは言えないことを欄外に書く
  4. 差の理由を、基本給、手当、賞与のどこにあるかで分けて書き、見直す場合は人員計画の人件費に与える影響を試算する日を決める

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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